住宅ローンの金利上昇の可能性が高まる今、繰り上げ返済をすべきかどうかは、マネープランを立てるときの悩ましいポイントです。今回は、住宅ローンを返済中の方から、こんな相談が届きました。
「住宅ローンを変動金利で返済中。子どもが大きくなり、出費も増えています。そんななか金利上昇の噂を聞き不安になっています。今のうちに繰り上げ返済すべき?それとも他にいい方法はありますか?」(38歳・会社員)
住宅ローンの金利上昇にどう備えるべきか。考え方とポートフォリオ(資産の組み合わせや比率) をファイナンシャル・プランナーの酒井富士子さんが解説します。
多くの人にとって、住宅は人生で最も高い買いものです。購入価格の平均は、注文新築住宅で約5,112万円、戸建て分譲住宅が約4,250万円、分譲マンションが約4,929万円。また、それぞれの住宅ローンの借入金額も約3,909万円、約3,364万円、約3,001万円と高額です。そして、民間の住宅ローンの借入金利では、7割超の人が相談者さんと同じ変動型を利用しています※。
※出典:「令和3年度住宅市場動向調査」
2022年12月、日銀が「長期金利」の誘導金利の幅を0.25%から0.5%に引き上げることを決めた※ことで、住宅ローン金利が上がることを不安に感じている人も少なくないでしょう。
※出典:日本銀行「政策委員会 金融政策決定会合 議事要旨(2022年12月19、10日開催分)」
そもそも、住宅ローン金利の変動型は「短期金利」に、固定型は「長期金利」に連動します。今回は、長期金利が引き上げとなった影響で、固定型の住宅ローンが上昇する結果となりました。
一方で、利用者の多い変動型の住宅ローンに関しては、適用金利に変化はないと見込まれています。ただし、今後、日銀が金利政策を超低金利から平常化に進める事態になれば、変動型も含め、金利が上昇していく可能性は充分にあります。
住宅ローンの金利上昇に対応するには、主に以下の2つの方法が考えられます。
2023年4月時点では、変動型の金利に変化はありませんが、繰り上げ返済や借り換え用の資金として300~500万円程度をプールしておくと、いざ金利が上昇をはじめたというときに焦らずにすむでしょう。
※1:預金は預金保険制度の対象となります。
※2:Fundsとは貸付ファンドの資産運用サービスです。
定期的に金利の動向をチェックして、いざ金利が上昇した場合は、繰り上げ返済や借り換えを検討してみてください。
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