銀行や証券会社など、多くの金融機関が投資信託のシミュレーションツールを提供しています。
「投資信託のつみたて投資」(以下、「つみたて投資」) で資産形成に取り組む場合は、事前にシミュレーションを行って目標金額の達成に必要なつみたて額などを把握することが重要です。
この記事では、投資信託のシミュレーションツールでできることやメリット、注意点などを解説します。
つみたて投資を始めるときは、金融機関のシミュレーションツールを活用すると資産の増減をイメージしやすくなるでしょう。金融機関によって機能に違いはありますが、一般的には以下のようなことができます。*1
投資信託のシミュレーションツールに目標金額や定年の年齢などを入力すると、毎月のつみたて額の目安が提示されます。
目標金額などの条件を変更し、複数のパターンを比較して自分に合ったつみたて額を決めることも可能です。
投資信託のシミュレーションツールでは、何年間つみたて投資を続ければ目標金額に到達するかを把握できます。
毎月のつみたて額を変更して、資産推移がどのように変化するかを比較することも可能です。必要な資金を準備する際に、どの程度時間が必要かを把握するのに便利です。
投資信託のシミュレーションツールでは、指定した条件で運用を続けた場合に資産額がどのように推移するかをグラフで確認できます。具体的には以下のようなイメージです。
出典)Money Canvas「老後の資産形成シミュレーション」とは?使い方紹介!」
グラフなら視覚的に把握できるため、資産がどのように増えていくのか見通しを立てやすいでしょう。
金融機関によっては、シミュレーション結果を基に「年収に対してつみたて額は適切か」「どんなポートフォリオで運用すれば良いか」といったアドバイスや運用商品の提案を受けられます。アドバイスの内容を参考に、どんな資産・ファンドを組み合わせて運用するのかを検討しても良いでしょう。
投資信託のシミュレーションを活用することで、以下のようなメリットが期待できます。
目標金額や達成時期などの条件を設定してシミュレーションすれば、必要なつみたて額や運用期間の目安を把握できます。そのため、定年退職などのライフイベントに向けて資金計画を立てやすくなるでしょう。
将来必要となる資金をどのように準備していけば良いか、不安に感じている人は多いのではないでしょうか。投資信託のシミュレーションによって、必要な資金を準備するために毎月いくらつみたてれば良いかが明確になれば、漠然としたお金の不安の軽減・解消が期待できます。
つみたて投資は少額から気軽に始められますが、短期間で大きな利益を求めるのには不向きです。投資信託のシミュレーションで資産の増え方をイメージできれば、つみたて投資を長く続けるモチベーションにつながるかもしれません。
投資信託のシミュレーションをする際は、以下の点に注意が必要です。
投資信託のシミュレーションでは、年齢や年収、保有資産額などの情報を入力することがあります。これらの情報をできるかぎり正確に入力することによって、シミュレーション結果の精度向上が期待できるでしょう。
投資信託のシミュレーション結果は、あくまでも過去の運用成績や設定条件などに基づいて試算されるものです。将来の成果が保証されるわけではなく、シミュレーション結果に税金や費用などが考慮されていないこともあります。
そのため、シミュレーション通りの運用結果が得られるとは限らないことを理解しておきましょう。
最後に、投資信託のシミュレーションの具体例として、Money Canvasの「老後の資産形成シミュレーション」を紹介します。*2
この機能を使えば、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、老後資金を作るために必要な毎月のつみたて金額がわかります。必要なことは以下の3ステップのみです 。
STEP1:まずは「現在の年齢」「老後資金として用意しておきたい金額」などの簡単な質問に答えます。
STEP2:次に自分に合ったつみたてスタイルを設定し、「シミュレーション結果を確認する」ボタンを押します。
STEP3:必要なつみたて額や資産総額の推移など、シミュレーション結果が提示されます。
シミュレーションは数分でできるので、さっそく試してみましょう。
投資信託のシミュレーションツールは、将来の目標金額を達成するために必要なつみたて金額がわかるという便利な面がある一方、正確な情報を入力しないと正しいシミュレーション結果が得られないという注意点もあります。
正しく使い方を理解し、シミュレーションツールを自身の資産形成に役立てましょう。
本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
出典
*1Money Canvas「老後の資産形成シミュレーション」
*2Money Canvas「老後の資産形成シミュレーション」とは?使い方紹介!」