近年、食料品や電気代などの物価高が進み、金銭的な不安を多くの方が感じています。人生を安心して歩んでいくうえでは、少しでも自由に使えるお金を増やしたいものです。
そこでこの記事では、お金を増やす方法にはどのようなものがあるのか、分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
お金を増やすには、「何のために、どのくらいのお金が必要であるのか?」を明確に把握することが大切です。自分が実現したい目的のためには、どのくらいのお金を増やせばよいのかを考えます。
ここでは、お金を増やす目的について解説します。
お金を増やす第1歩としては、ライフプランにかかるお金を具体的にイメージすると良いでしょう。長い人生のうちには、さまざまなライフイベントがあるため、その時々にまとまったお金がかかります。
主なライフイベントにかかる費用の目安は以下の通りです。
図1)出典:日本FP協会「主なライフイベントにかかる費用の目安」
このように、結婚・出産・子育て・老後と各ライフイベントには高額な費用がかかります。
人生の3大資金といわれる「住宅・教育・老後資金」では、かなり高額な資金が必要です。
子供の数が多いほどお金がかかります。
住宅購入費も大きな支出です。住宅ローンを利用する際は、退職後も多額のローン返済があると老後破綻のリスクがあるため、できるだけ頭金を用意してから購入しましょう。
また、近年の日本は超高齢社会が進んでおり、平均寿命は年々伸びている傾向です。
介護費用がかかるようになると、さらに多額の資金が必要です。
お金を増やす基本的な方法は、「収入を増やす」「節約する」「投資をする」の主に3つです。
ここでは、お金を増やす方法について解説しましょう。
まず、第一に挙げられるのが収入を増やすことです。
例えば、現在勤務している会社で出世をしたり、資格手当などを受けたりする方法があります。昇進すれば基本給が上がるため、企業によってはボーナスもアップします。
会社の業務内容に役立つ資格を取得すると、資格手当を毎月受け取れる場合もあります。
年間にするとまとまった金額になるので、別口で貯金しておくとよいでしょう。
3つの方法の中で、最も実行しやすいのが節約する方法です。
日頃のお金の使い方を見直すことにより無駄な支出を抑え、浮いた分を貯蓄に回してコツコツお金を増やします。
節約するときはお金を使う目的を明確にしてから実行すると効率よく行えます。いつまでにどのくらいの金額を貯めればよいのかを計算できるからです。
天引きの貯蓄などを利用して、給料が入ったら少しずつ貯蓄するのも効果的です。残った金額を生活費に充てるようにすれば、上手にお金を貯めていけます。
効率的にお金を増やすには、「お金に働いてもらう」投資にチャレンジするのも良い方法です。投資というと多額の資金が必要となるイメージがあるかもしれませんが、少ない資金から始められる投資方法も存在します。
代表的な投資としては、「株式投資」が挙げられます。株式投資は定期的に配当金をもらえ、株主優待を受けられるのがメリットです。ただ、元本割れなどのリスクもあるため、株式を購入するときは慎重に判断しましょう。
ここでは、実際に"収入を増やす"具体例についてご紹介します。
会社員の場合はスキルアップして昇進を目指すのも一つの方法です。
自分のスキルを磨き、キャリアアップすることで年収アップを実現します。
ただ、昇給してもそれほど大きな金額ではなかったり、資格手当が少なかったりすることも考えられます。
収入を増やすと言っても会社員の場合、いきなり給料を上げるのは簡単ではありません。
現在の給料がさほど高くない場合は、今より年収が高くなる会社に転職するのも良い方法です。同じ業種でも会社により給与体系は違うため、手っ取り早く年収アップを実現できます。
近年では、空いた時間を利用して副業する人も少なくありません。
副業を認めている会社も増える傾向で、経団連の調査では回答企業の70.5%が、社員が副業・兼業することを「認めている」(53.1%)または「認める予定」(17.5%)と答えています。*1
クラウドソーシングなどで気軽に副業を始められるので、勤務先が副業を禁止していないなければ、スキマ時間を利用してチャレンジしてみるのも良いでしょう。
ポイ活とはポイントを貯める活動のことで、貯めたポイントを使えばお金を使わずにさまざまな商品に交換できます。日々の買い物でポイントカードやクレジットカードを使うと、支払額に応じてポイントがどんどん貯まっていくのでお得です。
ポイントサイトを利用すると、登録や買い物で独自のポイントが貯まるので、上手に活用するとどんどん貯まるでしょう。
無駄な支出を減らして節約することも、お金を貯めるには欠かせないポイントです。
ここでは、節約の具体例についてご紹介しましょう。
家計を見直すときは、変動費より固定費から始めましょう。
固定費には住居費の他に通信費、光熱費、保険料などが含まれますが、一度見直せば長期的に無駄な支出を減らせます。
家賃や住宅ローンなどの住居費は、生活費の中でも金額が高く長期的に続いていくため、無理のない支払い金額を設定することが必要です。
固定費の中でカットしやすいのが携帯代・光熱費・サブスクなどです。
特に携帯料金はお得なプランが次々に提供されているので、自分の使い方に合ったプランを選んで無駄なく利用します。
電気やガスの契約を見直したり、古い家電を買い替えたりすると年間の光熱費が下がります。使っていないサブスクがあれば、きちんと解約することも必要です。そのまま契約していると毎月料金が請求されるので無駄遣いの典型といえます。
お金を普通口座に入れたままにしておくと、なんとなく使ってしまう傾向があります。
そうならないためにも、貯蓄口座を別に設けて貯金するようにしましょう。
銀行口座は「給与受取用口座(生活用)」「貯金用口座(貯蓄用)」「緊急時用口座(緊急用)」の3つに分けるとよいでしょう。ただし、一金融機関につき一口座保有が原則ですので、銀行を変えて利用する必要があります。
緊急時用口座は、病気や退職の時に収入がストップするなど、いざという時に使うため、普段は手をつけないようにします。
関連コラム:
現役FP200人に聞いてみた! お金のプロが実践する貯蓄術って?一口に投資といっても、さまざまな投資方法が存在します。
投資商品で取り組みやすい代表的なものには、以下のようなものがあります。*2
など
初心者が気軽に始められる投資の一つとして、「つみたて投資」が挙げられます。
つみたて投資は、普通預金口座から毎月一定金額を自動的に引き落として、投資信託を購入する投資方法です。少額から投資ができるので、若い世代の人でもチャレンジしやすいといえます。*3
iDeCoやつみたてNISAなどが、代表的なつみたて投資の商品です。*4
2024年から始まる新NISAでは、年間投資枠が120万円に拡大され、非課税保有期間も無期限となったので、さらにチャレンジしやすくなるでしょう。*5
資産形成の方法としては、「貯蓄」と「投資」の2通りが挙げられます。
銀行の預金は「貯蓄」に当たり、比較的流動性の高いお金です。一定額まで元本保証されるため、安全に資産形成できます。
一方、株式や投資信託などの投資は、長い期間をかけて少しずつ増やしていく種類のお金です。長期的に行っていくことで、運用益がさらに運用されて増えていく「複利効果」を得られます。したがって、長く投資するほど利益が大きくなるのが特長です。
しかし、投資は貯蓄と違い、必ず元本保証されるわけではありません。価格が下落するなどリスクがあることを理解しておきましょう。
お金を増やす方法にはさまざまな種類がありますが、大切なのは継続して行えることです。
そのため、自分に合った方法でないと続かない可能性があります。
地道な努力を重ねつつ、中長期的な視野で資産形成を考えながら、しっかりお金を増やしていきましょう。
本稿執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
【出典】
*1 一般社団法人 日本経済団体連合会「副業・兼業に関するアンケート調査結果」を公表」
*2 一般社団法人 全国銀行協会「投資商品の種類と特徴」
*3 三菱UFJ銀行「投信つみたて(投信積立)少額から コツコツと」
*4 三菱UFJ銀行「つみたてNISA(積立NISA)とiDeCo(イデコ)の違いとは?税制改正でどうなる?それぞれの特徴や併用について解説!」
*5 金融庁「新しいNISA」