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そもそも「株式」とは? 株式投資を始める方が知っておくべき基礎知識
そもそも「株式」とは? 株式投資を始める方が知っておくべき基礎知識

そもそも「株式」とは? 株式投資を始める方が知っておくべき基礎知識

2022/11/17・提供元:Money Canvas

銀行預金の金利が長年低く抑えられている中、資産形成のために株式投資を始めようと考える方が増えています。


しかし、多くの方に馴染みのある銀行預金に比べると、株式は全く違う性質を持っています。


「株式投資に興味はあるけれど、そもそも株式って何?」

「株式を買うと何ができるのか? どのような仕組みで利益が出るの?」


このような疑問に躓き、株式投資へ踏み出すことを躊躇している方も少なくありません。そんな方に向けて、今回は株式に関する基礎知識をわかりやすく解説します。




「株式を買う(持つ)」とはどういうことか

株式投資に馴染みのない方にとっては、「株式を買う(持つ)」とはどういうことなのか、いま一つピンとこない部分があるかもしれません。


「株式を買う(持つ)」とは、簡単に言えば「会社の所有者になる」ということです。


株式会社を経営しているのは、「社長」「副社長」「専務」「常務」などの肩書を持つ「取締役」です。しかし取締役は、会社の所有者ではありません。

会社の所有者は株主で、取締役は株主から経営を任されている立場なのです。


株主は、会社についての重要な事柄を決めたり、実際に経営を行う取締役を選んだりする権利を持っています。

「会社は株主のものだから、会社のことは株主が決める」ということです。


もちろん大きな会社の場合、株主はたくさんいます。大勢の株主が、みんなで会社を所有しているのです。

株式を買うということは、会社の所有者の一人に名を連ねることにほかなりません。


<関連コラム>
<初心者向け>株式投資を始めてみよう!購入手続きまで解説

株式を持っているとできること

株式を持っていると、大きく分けて2つのことができます。


1つ目は、「会社にとって重要なことを決める」ことができます。


普段の経営は取締役が行っていますが、重要なことについては「株主総会」で決めなければなりません。その際、株主は「議決権」を行使することにより、会社の重要な意思決定に参加できるのです。


株主総会は、少なくとも毎年1回開催されるほか、臨時に開催されることもあります。株式を持っている方には、会社から株主総会の案内が送られてきます。


2つ目は、「会社が得た利益を分けてもらう」ことができます。


会社は営利団体であり、日々の事業を通じて利益を出すことを目的としています。株式を持っていると、さまざまな形で会社が得た利益を分けてもらえるのです。


多くの方は、利益を得られる(お金を増やせる)ことを期待して株式投資に取り組んでいます。


株式投資によって得られる3種類の利益

株式投資を通じて得られる利益には、以下の3種類があります。株式を買う際には、これら3種類の利益に注目するとよいでしょう。


  • 配当金(インカムゲイン)
  • 株主優待
  • 値上がり益(キャピタルゲイン)

配当金(インカムゲイン)

会社は、日々の事業によって売上を稼ぎます。また、事業以外の投資などによって収入が得られる場合もあります。

その一方で、従業員の給料や仕入代金などを経費として支払います。


収入から経費を引いた金額が、会社の利益です。そこから法人税などを支払い、残ったお金をどうするかは、以下の2つの道に分かれます。


  • とっておく(内部留保)
  • 株主に配る(配当金)

内部留保は、会社を成長させるための事業投資や、もしもの場合に備えた貯蓄などに回されます。


これに対して配当金は、株主に現金で配られるので、そのまま株主の利益となります。日本の会社の場合、1年間で1回または2回、配当金が支払われるケースが多くなっています。


株式を持っているだけで得られる「収入(income)」であるため、配当金は「インカムゲイン(income gain)」と呼ばれています。


内部留保と配当金をどのような割合にするかは、会社によって多種多様です。全く配当金を出さない会社もあれば、利益を超えて配当金を出す会社もあります。


法人税などを支払った後の利益のうち、配当金に充てた額の割合を「配当性向」といいます。配当性向が高ければ高いほど、「たくさん配当金を出す会社」ということです。


なお、株価に対する配当金の割合を「配当利回り」といいます。配当利回りの高い株式は「高配当株」と呼ばれ、株主の間で人気を集めるケースが多くなっています。


株主優待

日本では、「株主優待」を提供している会社が多く存在します。


株主優待とは、会社が株主に対して、自社の商品や金券、割引サービスなどを提供する制度です。株主優待を楽しみに株式投資をしている、という方も大勢いらっしゃいます。


株価に対して、株主優待によって得られる利益の割合を「優待利回り」といいます。持っている株式の数が少ないほど、優待利回りは高くなる傾向があります。


そのため、これから株式投資を始めようという方は、株主優待を狙って銘柄を選ぶのも一つの選択肢でしょう。


値上がり益(キャピタルゲイン)

株式の値段(=株価)が上がったり下がったりすることは、株式投資をしたことのない方でもご存じでしょう。


株価の変動は、「株式投資はリスクがある」と言われる所以です。株価が下がれば損をする場合もありますが、反対に株価が上がれば利益が出ます。


株式を買った時よりも高い値段で売った場合、値上がり益が得られます。この売却時の値上がり益は「キャピタルゲイン(capital gain)」と呼ばれています。


なお、配当利回りや優待利回りが高い株式は、値上がり益を得にくい傾向にあります。

配当や株主優待を実施するたびに会社からお金が流出し、株価が下がってしまうためです。


また、内部留保が少なくなるため、会社を成長させるための事業投資にお金を回しにくい側面もあります。


購入する株式の銘柄を選ぶ際には、配当金・株主優待・値上がり益の3つをトータルで考慮することが大切です。



海外の株式を買うこともできる

日本の証券会社に口座を開いておけば、海外の株式を購入することもできます。たとえば、米国株や中国株などがよく取引されています。


外国株式の購入方法は、日本の株式とほとんど同じです。そのため、これから株式投資を始めようとする方も、気軽に海外の株式を購入できます。


ただし海外の株式には、日本の株式に比べると、以下の特徴がある点にご注意ください。


  • 購入手数料が高い

    外国株式の購入手数料は、日本の株式よりも高いのが一般的です。

  • 為替相場の影響を受ける

    外国株式は、外国通貨建で購入します。そのため、為替相場(通貨同士の取引相場。ドル・円など)が変動すると、外国株式の日本円ベースの金額も変動します。

  • 株主総会には出席できない

    日本の証券会社を通じて購入した外国株式は、現地の法人名義で管理されるため、株主総会に出席することはできません。

  • 配当の回数が違う

    日本の会社は年に1回または2回配当を行うケースが多いのですが、海外の会社の場合、国や地域によって配当の回数が異なります。たとえば米国株の場合は、年に4回の配当が行われる銘柄が多いようです。

  • 税金が余分に取られる

    外国株式の配当金を受け取った際、日本の株式よりも多めに源泉徴収が行われる場合があります。たとえば米国株の場合は、国内分の20.315%に加えて、米国分の10%が追加で源泉徴収されます。なお、多めに源泉徴収された金額は、確定申告によって還付を受けられます。

  • 株主優待がない外国株式については、日本の株式とは異なり、株主優待は基本的にありません。

まとめ

株式投資にはリスクがあるため、興味はあるけれど身構えてしまうという方もいらっしゃるかと思います。


しかし、仕組みがわかれば面白い部分が多く、最近ではインターネットを通じて手軽に株式投資を始めることができます。長期的な資産形成の一環として、株式投資を始めてみてはいかがでしょうか。


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