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ボーナス前に退職するともったいない?平均額や使い道について解説
ボーナス前に退職するともったいない?平均額や使い道について解説

ボーナス前に退職するともったいない?平均額や使い道について解説

2023/11/29に公開(最終更新:2024/06/03)
提供元:Money Canvas

会社員が働く上での嬉しいご褒美、それは夏と冬のボーナスです。

会社のために一生懸命働いた人にとっては、とても心待ちにしている大切なお金でしょう。

ただ、これから転職を考えている人にとっては、「ボーナス前に退職するともらえない?」などの心配を抱えているかもしれません。

本記事では会社員のボーナス平均額や主な使い道、退職後のボーナス支給事情などについて解説します。



会社員のボーナス平均額

ここでは、コロナ禍を通して会社員が実際にどのくらいのボーナスをもらっているのかについて解説します。


令和5年度夏季・年末のボーナス平均は約40万円

令和5年度における労働者一人当たりの平均賞与額は、夏季賞与は397,129円*1、年末賞与は395,647円*2となりました。
したがって令和5年度における夏季・年末の平均賞与は約40万円といえます。
ちなみに産業別の賞与平均は下表の通りです。


産業別のボーナス平均

(夏季)厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等《特別集計》令和5年夏季賞与(一人平均)」

(年末)厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等《特別集計》令和5年年末賞与(一人平均)」

を基に作成


平均賞与額が最も高いのは「電気・ガス業で」、年末のボーナスは約80万円と高額です。
情報通信業の年間平均賞与額は70万~72万円、金融・保険業が64万~67万円、学術研究等が63万円~70万円と続いています。


サービス業は全体的に平均賞与額が低い傾向で、特に飲食サービス業が低いといえます。

夏季・年末ともに7万円を切っている状態で、他の産業と比較するとかなりボーナスが少ない状況です。

医療や介護を行う「医療・福祉」も仕事がハードな割に多い方とはいえません。


事業所規模が大きいほどボーナス額が高い

従業員の数が多いなど、事業所規模が大きい会社ほどボーナス額が高い傾向です。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」を参考に、令和5年夏季賞与の支給状況を事業所規模別で比較しました。

事業所規模が大きいほどボーナス額が高い

(夏季)厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等《特別集計》令和5年夏季賞与(一人平均)」

を基に作成


500人以上規模の事業所ではボーナス額が664,508円であるのに対し、5~29人規模の事業所は271,429円と、約2倍以上の開きがあります。

事業規模が大きい会社で働いている人のほうが、手にするボーナスは多いといえます。

ボーナスの平均額は上昇傾向

年度ごとの平均賞与額を見てみると、令和4年以降、賞与は上昇基調にあります。


ボーナスの平均額は上昇傾向

(出典)「毎月勤労統計調査 令和元年~5年夏季賞与の結果」「毎月勤労統計調査 令和元年~5年年末賞与の結果」

を基に作成


理由としては、新型コロナウイルスの影響が落ち着き、業績が回復した企業が多数みられたことや、物価高騰による従業員の経済的負担の軽減を図った企業が増えたことが挙げられます。*3

2024年夏のボーナス見通し

2024年の春闘では、大手企業を中心に高い賃上げ水準の回答が相次ぎました。
4月16日までに回答があった企業の賃上げ率を集計すると、5%を超えており、これは1991年以来33年ぶりとなる水準です。*4
ボーナスの支給額を算定する際の基準となるベース給与引き上げの動きも影響し、2024年夏のボーナスの一人当たり平均支給額は40万8,770円(前年比+2.9%)*5と3年連続で増加する見込みです。


ボーナスの主な使い道

待ちに待ったボーナスを手にしたら、何に使おうかと心を弾ませることでしょう。

ここでは、ボーナスの主な使い道について解説します。


1位は「貯蓄」で全体の3割超

株式会社ロイヤリティマーケテイングが実施した「第58回Ponta消費意識調査2023年6月発表」によると、ボーナスの使い道で最も多かったのは「貯蓄・預金」でした。
会社員の場合、まとまった金額が入る主な機会はボーナスであるため、手堅く貯蓄に励む人が多いようです。
2位は「旅行」、3位は「食品」、4位は「外食」となっており、少しの贅沢気分を味わうために使う人も見られます。
特徴的な部分としては、8位に「投資信託」、10位「株式」がランクインしている点です。貯蓄に留まらず投資への関心が高まっていることが読み取れます。*6


ボーナスの主な使い道

(出典)株式会社ロイヤリティマーケティング 第58回Ponta消費者意識調査 2023年6月発表 夏のボーナスの使い道

を基に作成


〇こちらの記事では、ボーナスをためるコツ30代40代におすすめなボーナスの使い道について解説しています。

ボーナス前に退職するともらえない?

家庭の事情や突然の解雇など、自分では調整できない予期せぬ事情により、ボーナス前に退職せざるを得ない場合があります。

そのようなケースでは、ボーナスをもらえないのではないかと不安になるかもしれません。

ここでは、退職後のボーナス事情について解説します。


賞与支給日には在籍していない場合は、原則支払い義務はない

原則として、企業は賞与支給日に在籍していない社員には、ボーナスを支払う義務はありません。

賞与は基本的に就業規則で取り決める事項であるため、就業規則に「賞与支給日に在籍しない者には賞与を支給しない」と記載されている場合は、支給しないことが認められています。したがって、ボーナスについての取り扱いは、就業規則でどのように明記されているのかを確認することが必要です。*4


年俸制の契約をしている場合は、ボーナスを支給される可能性も

以下のケースに該当する場合は、原則、ボーナスが支給される可能性が高いといえます。

  • 年俸制の契約をしているとき
  • 就業規則などに、別途支給基準が設けられているとき
  • 会社都合解雇に相当する退職のとき

年俸制の支払い方法は、年間に支払う総額を月割りなどで振り分けるのが一般的です。

一例として、年俸を14分割してそのうちの12回分は毎月の給与、残りの2回分をボーナス支給に支払うと取り決めている場合、会社は退職者に対し支払い義務が発生します。就業規則で別途支給基準が設けられているときも同様です。


例えば、6月末まで在籍する従業員に対しては、7月10日に賞与を支給するなどと就業規則で決めているケースが当てはまります。該当する場合はボーナスを退職者に支給しなければなりません。

会社の都合で解雇された場合の退職も会社は退職者に対し、支払い義務が発生する場合があります。形式は「自らの退職」であるとしても、会社の都合でやむを得ず退職になった場合、会社は退職者に対し賞与を日割りして支払う義務があるとされるからです。*6

まとめ

正社員の場合、給与であれば在籍していた期間は原則支給されますが、ボーナスの場合は就業規則で定められている基準に従うことになります。したがって、支給要件が「ボーナス支給日に在籍していること」と規定されている場合は支給されません。

ボーナス支給日に近い日程で転職を考えている方は、会社の就業規則を確認してから退職するのをおすすめします。



本校執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。

出典
*1(夏季)厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等《特別集計》令和5年夏季賞与(一人平均)」
*2(年末)厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等《特別集計》令和5年年末賞与(一人平均)」
*3帝国データバンク2023年夏季賞与の動向アンケート
*4NHK「春闘2024 高水準の賃上げどう波及?実質賃金は23か月連続でマイナス続く」2024.4.19
*5三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2024年夏のボーナス見通し」
*6独立行政法人中小企業基盤整備機構「賞与支給日に在籍しない従業員の賞与は払わなければいけませんか?」


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