「外国株式にも興味があるけれど、取引時間はどうなっているんだろう?」
そんな疑問をお持ちかもしれません。
グローバル化が進む現代では、日本だけでなく、世界各国の株式市場が注目されています。
この記事では、「取引時間」に焦点を当て、株式取引の基礎知識を学んでいきましょう。
主婦の方や会社員の方など、ご自身のライフスタイルに合う市場を探すためにも、お役立てください。
まず、日本の株式市場の取引時間からご紹介します。
「前場」「後場」という言葉を見かけたことはあるでしょうか。投資用語では「ぜんば・ごば」と読み、取引所の午前の部と午後の部(正式名称は立会時間)を指します。
それぞれの取引時間は、以下のとおりです。
たとえば、「日本株を売買する専業投資家になりたい」という場合、上記の時間を投資に費やせることが前提となります。
フルタイムで働いている会社員は、リアルタイムの参加は、難しい時間帯です。「お昼の休憩時間を利用したい」と思っても、取引時間にも昼休みがあります。
一方、「子どもたちを学校に送り出してから、帰ってくるまでの間に、手が空く」という主婦の方や、日中に時間を作れる方にとっては、日本株は取引しやすいといえます。
株式市場には、休業日があります。以下の日は休業日となり、取引は行われません。*1
続いて、世界の株式市場の取引時間を見てみましょう。
ここで、「夏時間、冬時間って何?」と気になった方が多いのではないでしょうか。
夏時間は英語で「Daylight Saving Time(直訳すると日光節約時間)」となります。冬時間は「Standard Time(標準時間)」です。
夏時間は、時計の針を標準時間(冬時間)よりも1時間早める制度です。春夏シーズンの太陽が出ている時間帯を有効活用するために、欧米諸国の多くで採用されています。
夏時間の期間は、国や地域によって異なります。たとえば、米国の夏時間は、3月の第2日曜日に始まり、11月の第1日曜日に終了します。*3
米国の株式市場の取引時間は、現地時間では通年 9:30〜16:00 で変わりません。しかし、日本時間では、夏時間と冬時間で、1時間のずれが生じるというわけです。
次に、取引時間に焦点を当てて、投資のしやすさを考えてみましょう。
日本時間の夜遅くから始まり、早朝まで続く米国市場は、フルタイムで働いている会社員の方にも、取り組みやすいといえます。
全時間帯に参加するのは難しいものの、仕事を終えて帰宅し、就寝するまでの数時間を活用できます。実際に、そのようなライフスタイルで米国株を取引されている方は、多いでしょう。
あるいは逆に早起きをして、朝活の一環として、その日の取引時間の終了間際に参加する方もいます。
先ほど、日本の取引市場の休業日についてご紹介しました。
世界の株式市場にも休業日があり、休業日には、各国のカルチャーが反映されています。
【休業日の例】
外国株式への投資を行っていると、各国の重要な祝日や文化的なイベントを知ることになります。異文化理解の一環としても、興味深いポイントです。
株式市場の取引時間中に売買するメリットとして、リアルタイムに変動する株価に応じて、細かく判断しながら取引できることが挙げられます。
たとえば、「デイトレーダー」といわれる人たちは、その日のうちに “安く買って高く売る” 取引を繰り返して、利益を上げています。
ただし、初心者の方が、リアルタイムの価格変動についていくのは、至難の業です。思わぬ損失を出してしまうリスクがあります。
初心者の方は、相場の動きに一喜一憂しないためにも、「投資信託」からスタートするのも、一つのアイデアでしょう。
投資信託とは、たくさんのお客さま(投資家)から集めた資金を1つにまとめて、投資の専門家が運用し、その運用成果を分配する仕組みの金融商品です。
図1 出典)三菱UFJ信託銀行「投資信託とは?」
投資信託の値段にあたる金額を「基準価額」といいます。基準価額は、市場が開いている間、リアルタイムに変動することはありません。これは一般の株取引との大きな違いです。
基準価額は、1日1回のみ公表されます。取引時間内の値段の変動に、気持ちが振り回されることがないため、落ち着いて売買できます。
基準価格は組み入れている株式の価格が変動することなどにより上下します。株価の変動要因の1つとなるFRB(米国の中央銀行)の金融政策については別記事で解説しています。
→FRBの役割と株式市場に与える影響とは?
米国株やインド株など、外国の株式にご興味をお持ちの方もいるでしょう。
そういった場合にも、外国株式に投資できる投資信託が多くあります。
興味のある国や分野があれば、まずは余剰資金の中から少額を投資信託に投資してみましょう。数ヵ月単位の値動きを、観察してみるのがおすすめです。
投資信託で経験を積んだ後、より本格的に投資したいと感じたら、そのときには、より積極的な投資へ移行するのも一案です。
投資信託について詳しく知りたい方は「投資信託とは?リスクやデメリットを含め初心者向けに簡単解説」のページをあわせてご確認ください。
今回は、「世界の株式市場の取引時間」というテーマでお届けしました。
投資を始めたばかりの頃は、専門用語ばかり飛び交っていて、よくわからない……という印象を持つ方が多いようです。
しかしながら、取引時間や休業日など、身近なところから少しずつ慣れていくだけでも、ぐっと取り組みやすくなります。
また、投資信託から始めて、ゆっくりと外国株式の魅力に触れていけば、自然と視野が広がっていきます。楽しみながら、投資の旅を続けていきましょう。
本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意下さい。
出典
*1、日本取引所グループ「内国株の売買制度」
*2、日経CNBC「世界の取引所情報」
*3、ジェトロ「米国で2023年の夏時間が開始、ルビオ上院議員は夏時間恒常化の法案を議会に提出」
*4、ジェトロ「祝祭日 | 中国」
*5、ジェトロ「祝祭日 | 米国」
*6、ジェトロ「祝祭日 | 英国」