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アメリカFRBの利下げ・利上げは日本にどう影響する?
アメリカFRBの利下げ・利上げは日本にどう影響する?

アメリカFRBの利下げ・利上げは日本にどう影響する?

2023/08/01に公開(最終更新:2024/03/13)
提供元:Money Canvas

「FRBによる利上げ・利下げ」というフレーズを、ニュースで耳にしたことはありますか?

FRBとは「Federal Reserve Board」(連邦準備制度理事会)の略で、アメリカの中央銀行制度における最高意思決定機関です。
日本での日本銀行にあたる存在で、利上げや利下げなどを決定します。

アメリカの利上げや利下げの話題が、なぜ日本のニュースで取り上げられるのでしょうか?
アメリカの金利が日本の経済や株価に与える影響について解説します。


FRBと利上げ・利下げ

FRBが金融政策の意思決定のために開く会合が「FOMC」です。日本語では「連邦公開市場委員会」と呼ばれます。年8回実施され、現在の景況判断や政策金利の利上げ・利下げの方針をこの会合で決定します。
その決定には、米国の雇用情勢を調査した経済指標である米国雇用統計などが大いに影響を与えています。FOMC会合終了後に発表される声明文や議事録は、金融政策の方向性を判断する材料になることから、投資家に重要視されています。
まず、「利上げ」「利下げ」と株価の関係について確認しましょう。


金利と株価の関係

政策金利とは、景気や物価の安定などを目的に中央銀行が設定する短期金利のことで、金融機関の預金金利や貸出金利などに影響を与えます。
この政策金利が利上げ、または利下げすることで、一般的には下記のような現象が起きやすくなります。


FRBと利上げ・利下げ

金利と株価の関係
(出所:「会社の株価の決まり方」東京証券取引所)


中央銀行は、景気が悪い時には金利を引き下げて企業の資金調達を円滑にし、景気回復を狙います。逆に景気が過熱しているときは金利を上げて経済活動を抑制する、というさじ加減で金融政策を決めています。

この仕組みは日本もアメリカも同じです。


アメリカの利上げ・利下げと景気

さて、現在のアメリカの金利と景気の様子を見てみましょう。

2022年3月以降、FRBは景気が過熱してきたとの判断から政策金利を引き上げ続けてきました。
2023年7月のFOMCでの金利引き上げを最後に、それ以降(9月・10月・12月)のFOMCでは金利の据え置きを決定しています。
その理由としては、物価上昇を招いているインフレが落ち着く傾向が続いていること、失業率の低下、労働市場環境の安定などを挙げています。*2
過去2年にわたって実施された歴史的な金融引き締めは終わりを告げ、2024年には金利が低下し始める可能性が示唆されています。


アメリカの利上げ・利下げは日本経済にどう影響する?

アメリカの利上げ・利下げについては、日本経済にも影響を与えます。 大きく2つのポイントをご紹介します。


日本の株価への影響

まず1つ目は、株価です。
一般的に、アメリカの株価と日本の株価は連動する傾向があります。 2008年のリーマン・ショックがその典型で、このときは日本だけでなく世界中で株価が大きく下落しました。
アメリカの経済活動が活発で株価が上昇すれば日本の株価も上昇する傾向があり、一方で株価が大幅に下落すれば、同じく日本の株価も下落する傾向があります。


株価が決まる株式市場は世界中で取引時間が異なります。詳しくは別記事で解説しています。
世界の株式市場の取引時間は?


為替相場への影響

2つ目は為替相場です。

アメリカで金利の引き上げが続くと、投資家は円よりも金利が高いドル建ての運用に切り替える傾向が強まります。その場合、ドルを買って円を売る動きになるので、円安ドル高が進行します。
逆に、アメリカの金利が引き下げとなると、円高ドル安が進行します。
今後日米の金利差が縮小する可能性もありますが、利下げの時期は不透明です。
また、日銀も金融緩和の政策スタンスを維持しているため、金利差の縮小ペースは緩やかであるとみられています。

※円安についてはこちらの記事で解説しています。


政策金利の決定は国内外の経済に影響

アメリカの利上げ・利下げが及ぼす影響は、日米間だけのものではありません。

FRBや日銀だけでなく、イギリスやEUなど他の国や地域にも中央銀行と意思決定のための会合があり、それぞれの景気や経済状況に応じて政策金利などを決定しています。
イギリスではイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会(MPC)、EUでは欧州中央銀行(ECB)の政策理事会(ECB理事会)が、中央銀行と意思決定の会合に相当します。
中央銀行による政策金利の決定は、その国だけでなく他国の経済にも影響を及ぼす可能性があるため、重要かつ難しいものなのです。

また、外貨預金や外貨建ての資産運用をしているという人は、それぞれの国の中央銀行や政策金利について調べてみるのも良いでしょう。日本円と他の通貨とを比較してみることで、知識がさらに深まります。
今日学んだ内容を振り返って、皆さんの今後の資産形成に活かしてください。


本稿執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。



出典
*1日本銀行「米国や欧州の金融政策決定会合の枠組みや政策金利の推移を教えてください。」
*2時事エクイティ「FF金利はピークかその近くにある=パウエル議長FOMC記者会見スピーチ」

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