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ご存じですか?介護のこと
ご存じですか?介護のこと

ご存じですか?介護のこと

2024/10/17に公開
提供元:Money Canvas

最近、テレビや新聞などで「介護」について耳にする機会はありませんか?周りで介護を経験された方はいませんか?

「人生100年時代」、介護に対して漠然とした不安を抱いている方は多いでしょう。
「どれくらいの人が介護を必要としているのか」「介護になったらお金がいくらかかるのか」など、介護の現状について理解し、必要な時に適切なサポートを受けられるようにしましょう。


超高齢社会における介護の現状

高齢社会から超高齢社会へ

WHO(世界保健機関)と国連の定義によると、高齢社会は65歳以上の高齢者の割合が人口の14%を超えた社会を表しています。
超高齢社会は高齢社会が進行し、65歳以上の高齢者の割合が人口の21%を超えた社会を表しています。

日本では、1994 年に高齢社会、2007年に超高齢社会となりました。 *1


要介護・要支援認定者は年々増加

要介護とは、自分一人で日常生活を送ることが難しく誰かの介護が必要な状態を表し、要支援とは日常生活は自分一人で送ることができるが、多少の支援が必要な状態を表します。

厚生労働省によると2020年度の要介護・要支援認定者は約682万人です。

2000年度に公的介護保険制度が導入され、介護が必要な場合には一部の費用を自己負担することで介護サービスを受けられるようになりました。

この制度導入から20年で要介護・要支援認定者は2.5倍以上に増加しています。


令和3年度介護保険事業状況報告

出典)厚生労働省「令和3年度介護保険事業状況報告(年報)」をもとに作成


年代別に見てみると65歳以上は約5.3人に1人、75歳以上は約3.2人に1人、85歳以上は約1.7人に1人が要介護・要支援の認定を受けています。


介護保険事業状況報告

出典)厚生労働省「介護保険事業状況報告(暫定)」2022年10月分版、総務省統計局「人口推計」2023年3月報(2022年10月1日現在の確定値)をもとに作成


介護レベルごとの状況

介護レベルにおいて、要支援は1から2の2段階に分けられ、要介護は1から5の5段階に分けられます。
要支援1から要介護5にかけて介護レベルは重度になっていきます。


介護レベルごとの状況

出典)公益財団法人生命保険文化センター「公的介護保険で受けられるサービスの内容は?」をもとに筆者作成


2020年度の要介護・要支援認定者約682万人のうち、半数以上が要介護2以上の介護認定を受けています。


令和3年度介護保険事業状況報告

出典)厚生労働省「令和3年度介護保険事業状況報告(年報)」をもとに作成


要介護2以上の状態にある場合、介護人のサポートなしでは食事や歩行に支障が出ることがあります。

たとえば、要介護2の状態にある人のうち、約50%は1日2~3時間程度の介護が必要です。また、要介護5の状態にある人のうち、約56%はほぼ終日の介護を要します。*2

家族が介護を担う場合、多くの時間を要することから仕事との両立が難しい場合もあります。


要介護・要支援になる原因

要介護・要支援になる原因は、第1位「認知症」、第2位「脳血管疾患(脳卒中)」、第3位「高齢による衰弱」、第4位「骨折・転倒」と言われています。 *3

特に第1位の「認知症」と第3位の「高齢による衰弱」は、2つの要因が合わさって介護が必要になるケースもあります。

また、第4位の「骨折・転倒」は、心身ともに健康であっても事故などで突然介護が必要になる可能性があります。


利用できる介護サービスについて

介護が必要になった場合、利用できる介護サービスは多岐に渡ります。
自分に適した介護サービスを選択できるように、サービス内容を把握しておくと良いでしょう。


在宅サービス

要介護・要支援の方が自宅に住み続けながら受けることができるサービスです。
具体的には、ヘルパーが自宅まで来てくれる訪問サービスや、短期的に特定の場所に通うデイサービスがあります。


施設サービス

介護保険施設に入居して受けることができる介護サービスで、必要とする介護の内容により入居できる施設が異なります。

介護保険施設は「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「介護医療院」の4つがあります。 *4
これらの施設は建設時に補助金が出ることや、法人税の優遇を受けられるため、有料老人ホームと比べて費用が安いと言われています。

しかし、2022年における特別養護老人ホームの入所申込者数(申し込んでいるものの入所していない数)は27万人にものぼります。*5


地域密着型サービス

市区町村が地域の特性に合わせて行う介護サービスで、その地域に住民票がある人が対象です。
介護が必要になった場合でも、住み慣れた地域で生活を継続することができるように、地域全体で支援を行っています。


〇介護サービスや公的介護保険についてくわしくはこちら!

介護にかかる費用と期間はどのくらい?

月々の介護費用

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、介護に要した費用のうち、住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的な費用の合計は平均74万円、月々の介護費用は平均8万3千円という結果が出ています。これは介護保険サービスを利用したうえでの平均額です。

介護保険サービスの自己負担額は1割ですが、要介護・要支援の認定状況によって1ヵ月あたりの利用上限額が定められています。

在宅介護の場合、介護保険サービスの自己負担額とそれ以外の費用(おむつ代など)がかかります。月々の介護費用は平均4万8千円と、全体平均より負担は少なくなります。

施設介護の場合、介護保険サービスの自己負担額に加えて、家賃や食費などのサービス費用がかかります。月々の介護費用は平均12万2千円と全体平均より高くなり、経済的負担が大きくなります。しかし、家族の負担が軽減されるというメリットもあります。*6


介護期間と介護費用の総額

同調査によると介護の平均期間は61.1ヵ月(5年1ヵ月)という結果が出ています。


介護期間と介護費用の総額

出典)公益財団法人生命保険文化センター「2021年度生命保険に関する全国実態調査」をもとに作成


調査結果をもとに、月々の介護費用を平均額8万3千円として、介護が5年続いた場合の介護費用は総額498万円です。
さらに住宅改造や介護用ベッドの購入など一時費用の平均額74万円を加算すると総額572万円となります。

介護期間が10年以上の割合は17.6%を占めており、介護が長期に亘る可能性も視野に入れておく必要があります。また、家族による介護を続ける場合、費用だけでなく家族の心身のケアも必要です。


まとめ

年齢に限らず、病気や怪我により急な介護が必要になることもあります。
健康な時から自分に適した介護について、サポートしてくれる家族と話し合ってはいかがでしょうか。
また、事前にどのような準備ができるのか考えてみましょう。


〇介護費用を抑える方法はこちら!

本コラムは執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。

出典
*1 統計局「人口統計」(平成21年10月1日現在)
*2 厚生労働省「令和3年度介護保険事業状況報告(年報)」
*3 内閣府「令和元年版高齢社会白書(全体版)」
*4 公益財団法人生命保険文化センター「公的介護保険で受けられるサービスの内容は?」
*5 厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」
*6 公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」

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