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現役証券マンに聞いてみた!「毎朝必ずチェックすべき経済指標ってなに?」
現役証券マンに聞いてみた!「毎朝必ずチェックすべき経済指標ってなに?」

現役証券マンに聞いてみた!「毎朝必ずチェックすべき経済指標ってなに?」

2023/05/28・提供元:Money Canvas

Money Canvas掲載コラム

「現役証券マンに聞いてみた!『二度と経験したくない…過去最大の損失』もおすすめ!



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これから資産運用を始めようと思っている人、資産運用を始めてみたもののどうしたらいいのか悩んでいる人、必見!



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株や投資信託を購入してみたいけれど、値動きってよく分からないな~相場って難しい。

―運用を初めてみたものの、相場をどう見たらいいのか分からないという声はよく聞きます。

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あ!証券の高木さん!高木さんはどうやって相場について勉強されたんですか?

― 相場を理解するには、毎日経済指標をチェックすることですね。


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毎日のチェックが大切なんですね。
ずばり!高木さんが毎日朝一番に確認している経済指標ってありますか?

―見ている指標やニュースは色々ありますが、毎朝起きてすぐに米国株3指数、米国長期金利、米ドルの為替相場は必ずチェックしています。


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アメリカの指標を確認しているんですね。為替はニュースで聞くことがありますが、米国株3指数、米国長期金利…、なんだか聞きなれない言葉です。教えてください!!

―アメリカの指標を朝一番に確認しているのは、自分が寝ている間に相場はどう動いているんだろうか、と午前9時から開く日本市場の取引を予想するためです。それぞれの経済指標について見ていきましょう!


米国株3指数

NYダウ工業30種平均

(Dow Jones Industral Average)
ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している合計30銘柄(除く、鉄道や公共事業)を対象に、ウォール・ストリート・ジャーナルが発行する米ダウ・ジョーンズ社が算出している世界で最も歴史の古い株価指数。


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よく『ダウ平均』や『NYダウ』などと呼ばれている指標のことですね。

―そうです。構成銘柄が日経平均(225銘柄)に比べて少ないことから、アメリカを代表する厳選された企業が選ばれています。選ばれる銘柄は、時代の産業構造を反映していて、ウォール・ストリート・ジャーナルの編集陣が入れ替えています。構成企業はアメリカで設立され、アメリカに本店を構えていることが条件となっています。有名な企業だと、マクドナルド(MCD)、ナイキ(NKE)、ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)、ウォルトディズニー(DIS)、アップル(AAPL)が選出されています。(2023年3月現在)IT企業から製薬会社までバランスよく構成されています。



S&P500種指数

(Standard & Poor‘s 500 Stock Index)
ニューヨーク証券取引所やナスダック等に上場している企業から、一定の基準を満たした代表的な500銘柄をSPダウ・ジョーンズ社が1日に1回、その数値を算出。S&P500は、米国株式市場全体に対し約75%時価総額比率を占め、アメリカの株式市場の状態を偏りなく判断できるのが特徴。S&P500の採用される銘柄の条件として、主に『時価総額が53億ドル以上・四半期連続で黒字利益を確保・浮動株が発行済株式指数の50%以上で流動性が高い』などが挙げられる。



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厳しい条件なんですね。

―構成銘柄が多いから、NYダウよりもS&P500の方が、米国株式市場全体の大型株の動向を把握することができるんですよ。



ナスダック総合指数

(NASDAQ Composite Index)
ナスダック市場に上場する全銘柄で構成する時価総額荷重平均型の指数。ナスダック市場とは、NASD(全米証券業協会)が開設、運用している新興企業向け電子株価市場を指す。上場企業数は、3,000社以上、時価総額は世界の取引所の内、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に次いで二番目に大きい証券取引所。



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株価指数は上昇しているんですね?

―米国株3指数の中でも、ここ数年のナスダック市場の成長が著しいです。算出は1971年2月5日からで当時の水準を100としています。
構成企業には、GAFAMと呼ばれるGoogle(アルファベット)(GOOGL)、アマゾンドットコム(AMZN)、フェイスブック(META)、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)や、ネットフリックス(NFLX)、テスラ(TSLA)などが入っています。またアメリカ企業だけでなく任天堂(NTDOY)や日産自動車(NSANY)などがADR(米国預託証券)として上場しています。(2023年3月現在)



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米国3指数を1つずつ比べると、動きが全く違いますね。
株を買うときの目安にもなりますね。

ー米国株3指数は、年ごとの変動率や下落率は異なっています。2022年は、ハイテク企業比率の高いナスダック市場は、先行きが不透明な状態のときにNYダウ上場銘柄以上に売られやすくなっていました。


米国長期金利

長期金利とは、資金の貸し借りの期間が1年超の金利であり、期間が1年以下は短期金利とされる。長期金利の中で代表的なものは、10年ものの国債利回りである。


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高木さんは、アメリカの金利も毎日チェックしているんですね。

―長期金利は主に長期資金の需給関係によって決まるもので、物価の変動や金融政策などから変動しています。
「長期金利は経済の基礎体温」とも言われていて、景気が良ければ高くなり、景気が悪くなれば低くなるという傾向があります。
ここ数年のアメリカ金利動向は、政策金利が動くことを予想し、長期金利を含めた市場金利が先に動いている傾向があります。


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※FF金利(フェデラル・ファンドレート)
アメリカの金融政策の方針を決定する会合(FOMC)においてこの金利の誘導目標を決める政策金利


アメリカの雇用統計や金融政策の発表を受け、政策金利が変動しています。
もちろん、市場が読み違えて先に動くこともあるけれど、10年国債の長期金利はアメリカ経済の先行きを見定めることができると言われています。


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今後を見通しする判断のひとつとして、金利の動きは大切なんですね。


米ドルの為替相場

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最後は為替ですね。
確かに、ここ数年は円安が続くニュースを目にします。毎日為替もチェックしているんですか?

―はい、しています。でも為替の動きは、金利変動に影響するので、先に金利の動きを見てみましょう。
下の表は、先程も出てきたアメリカ10年国債利回りと日本10年国債利回りの推移です。


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日本は低金利と言われていますが、日米の10年国債の金利差が開いていますね。

―そうですね。


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左縦軸が為替(円)、右縦軸が日米10年国債の金利差


こちらは、日米の10年国債利回りの金利差と為替のグラフです。


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日米の10年国債利回りの金利差が拡大すると円安の傾向が見られますね。金利差が縮小しているときは円高になっていますね。

―よく気づきましたね!仰るとおり、為替相場を予想するために金利はとても重要な指標なんです。


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こうやって経済の動きを見てみると面白いですね。情勢を見極めるためにも、私も毎日見てみようと思います!

―毎朝、アメリカの経済指標をチェックする理由として、『アメリカの株価指数が下がっているときは、日本の株価指数が下がるのではないか』『株価は上がっているときには、金利は下がるのではないか』『為替が円安傾向にあるときの金利はどう動いているのか』など、日々考えています。


日本市場のマーケット予想をたてるうえで、アメリカの経済指標の確認は欠かせないものです。みなさんも是非毎朝チェックしてみてくださいね!


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