前回は主な金融資産(を構成する金融商品)の種類を確認しました。
金融資産を形成する“資産形成”にあたっては、収益性が期待できる商品が魅力に映ることも多いと思いますが、どのようなリスクがあるかも気になりますよね。
自分がどの点を重視し、どの点なら許容できるかを整理するため、投資のリスクについてもサクッと学び、資産形成につなげていきましょう。
既にご存じの方もいるかと思いますが、投資にはリスクが伴い、一般にリターンが大きいほどリスクも大きく、リターンが小さいほどリスクも小さくなります。
ここでいうリスクは、必ずしも一つの要素のことを示しているものではありません。
これから、リスクにはどういった種類があるのか代表例を確認していきましょう。また、これらのリスクはあくまで“こういう可能性もあるよ”という観点だと踏まえて学びましょう。
株式などの金融商品の価格が上下するリスクのことをいいます。これはみなさんイメージしやすいのではないでしょうか?
各国の景気や政治情勢の他、株式を発行している企業の業績などが要因となります。
株式や債券などを発行する企業や国などが破綻したり、元利金の支払いができなくなることで商品価値を損ねてしまうリスクのことをいいます。財政難や経営不振などが要因となります。
コラム①でも説明していますが、すぐに現金化できなくなるリスクのことをいいます。
投資先の破綻もありますが、商品価格が大きく変動して売買価格がつかなくなるときや、海外投資などで換金までの手続に日数がかかることなども要因となります。
金利が上昇すると、債券価格は下落するという相関関係に伴うリスクのことをいいます。例えば、市場に高い金利付きの債券が発行されたら、既発の低い金利付きのものを売って買い直す人が増えた場合、既存の債券価格は下がりますね・・。政策金利の動きなどが要因となります。
投資先通貨の価値が高くなると円貨は相対的に安くなる相関関係に伴うリスクのことをいいます。これもイメージしやすいのではないでしょうか?自国や投資先の国の景気や政治情勢などが要因となります。
海外への投資において、商品の発行拠点となる国の状況で、金融商品の価値を損ねるリスクのことをいいます。投資先の国の景気や政治情勢の悪化などが要因となります。
さて、ここまでで主なリスクはどのようなものがあるのかを確認しました。
次はコラム①でも取り上げた四つの金融商品を、リスクとリターンの関係性からさくっと見ていきましょう。
違法な資産運用業者についてやファナンシャルプランナーの資格について、あわせて確認しておきましょう。
冒頭でもご説明の通り、一般にリスクが高いほどリターンも高い傾向にあります。
このことを、今まで取り上げてきた4つの金融商品で当てはめると上の図のようになります。
まず、「流動性」と「安全性」が高い預貯金ですが「収益性」が低く、ローリスク・ローリターンの金融商品です。
以降、リスク・リターンの関係は、債券→投資信託→株式の順に大きくなります。
このコラムでは、投資に伴う主なリスクの種類と、今まで取り上げてきた4つの金融商品のリターンとの関係性をさくっと確認しました。
投資をする際、どのような点に気をつける必要があるか、視点が増えましたね!
次のコラムでは、「長期・積立・分散」をキーワードに、投資のリスクを軽減する方法について説明します。
資産形成スタートまであと少し!次のコラムも確認していきましょう。
本稿執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
最終的な投資判断、金融商品のご選択に際しては、お客様自身の判断でお取り組みをお願いいたします。
【参考文献】
*1金融庁:「NISA特設ウェブサイト:投資の基本」
*2一般社団法人全国銀行協会:教えて!くらしと銀行
*3金融広報中央委員会 知るぽると
*4日本証券業協会 投資の時間
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