急速に進行する円安を追い風に「越境EC」市場が活況に沸いています。
越境ECとは、インターネットを介して海外向けに商品の販売を行うことです。
手軽に海外製品を購入できるメリットの大きさから関連市場は年々拡大を続けており、コロナ禍の巣ごもり消費を背景に一段と成長を遂げました。
日本製品は品質や性能が良く、海外からは高い人気があります。
家電や化粧品、ベビーケア製品などが越境ECを通じて売れ行きを伸ばしており、そこへ春先以降の急激な円安という強力な追い風が吹いているのです。
海外の消費者にとって、円安で割安になった日本製品をインターネットで購入できることは大きな魅力となります。
実際、越境ECを手掛ける企業の業績は拡大基調となっています。
例えば、カメラや時計などの買い取り販売を手掛けるシュッピン<3179>の今年4~6月の越境EC売り上げは、前年同期に比べて2倍強と急増。
また、越境EC支援の最大手であるBEENOS<3328>の4~6月の連結流通総額は過去最高を記録しています。
越境ECを有効活用している日本企業にとっては、大きな飛躍のチャンスが生まれており、株式市場からも熱い視線が注がれています。
関連銘柄は先ほどの2社のほか、資生堂<4911>やユニ・チャーム<8113>といった消費関連企業、越境ECビジネスに関わるトランス・コスモス<9715>やラクーンホールディングス<3031>、Hamee<3134>、コマースOneホールディングス<4496>などが挙げられます。
越境EC (EC=エレクトロニック・コマース=電子商取引)とは、自国向けではなく海外へ向けたインターネット通信販売事業を指しています。
企業は海外向けのオンラインショップを開設することで、海外に直接出店するコストが削減されるというメリットがあります。近年では国内向けEコマース市場やインバウンド市場とともに急成長しています。