デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉はすでに浸透していますが、アナログ時代からデジタル時代への移行が鮮明となるなかで、ひとつ忘れてはならない大事なことがあります。
それは社会のデジタル化が進むとともに、サイバー攻撃やコンピューターウイルスに晒される可能性も格段に高まるということです。
企業活動や個人の生活において、サイバー犯罪に対する恐怖は実社会の身近なリスクとなっており、決して対応を怠ることはできません。
情報通信研究機構(NICT)の調査によると、2015年から2020年までの5年間でサイバー攻撃の件数は約8.5倍に増加したことが分かっています。
トヨタ自動車 <7203> に部品を供給する企業へのサイバー攻撃によって、トヨタの管理システム全体に影響が及び、国内全工場の稼働停止に至ったというニュースは記憶に新しいところでしょう。
また、国際レベルでもサイバー攻撃に対する警戒感は高まる一方であり、国家安全保障の一環としてコンピューター空間のセキュリティー、つまりサイバーセキュリティーは最重要項目のひとつといっても過言ではありません。
中国やロシアなどからのサイバー攻撃が増加傾向にあるなか、岸田政権では防衛産業の機密漏洩対策に対応する方針を示しています。
具体的には、情報システムにサイバーセキュリティー対策をした防衛関連企業への税制優遇などが検討されています。
セキュリティーソフトの提供や専門人材の派遣、Web監視やネットワーク遮断、サイバー攻撃を受けた際の初動対応や復旧支援などの役割を担う企業群には、株式市場でも投資家の熱い視線が注がれているようです。
対象銘柄は非常に数多いですが、トレンドマイクロ<4704>、FFRIセキュリティ<3692>、イー・ガーディアン<6050>、サイバーセキュリティクラウド<4493>、ラック<3857>などが挙げられます。
公的機関の個人情報大量流出問題などを受け、サイバー犯罪に対する懸念が改めて高まっています。
サイバーセキュリティーの重要性は一般国民レベルにも広く浸透するなか、政府・民間を問わず、国を挙げて対策に本腰を入れることが焦眉の急です。
つれてセキュリティー関連企業の株価も、変貌を遂げるものが相次ぐ状況にあります。