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単独運用指定金銭信託とは?仕組みや合同運用との違いをわかりやすく解説
単独運用指定金銭信託とは?仕組みや合同運用との違いをわかりやすく解説

単独運用指定金銭信託とは?仕組みや合同運用との違いをわかりやすく解説

2024/09/18に公開
提供元:マネフィット

単独運用指定金銭信託は、運用の範囲を指定し、具体的な運用判断は信託銀行等に任せる「指定金銭信託」の一つです。
指定金銭信託のうち、ほかの委託者の信託財産とは区別して単独で運用するものを指します。

本記事では、金銭信託の基本的な仕組みや、単独運用指定金銭信託の概要を解説します。
合同運用指定金銭信託との違いや具体的な商品例も紹介するので、単独運用指定金銭信託について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。


金銭信託とは?

金銭信託とは、利用者(個人や法人)が信託銀行等にお金を預け、信託銀行等が預かったお金を運用・管理する金融商品です。

預けたお金は、一般的に貸付金や公債、社債、株式、預金等比較的値動きの少ない資産で運用されます。
得られた収益が利用者に配分され、信託が終了したときは現金に換えて交付されます。

金銭信託の関係者は、「委託者」、「受託者」、「受益者」の三者です。金銭を預ける人を「委託者」、信託財産を管理・運用する人を「受託者」、信託財産から得た利益を受け取る人を「受益者」といいます。

金銭信託は、運用指図の方法によって、さらに「特定金銭信託」と「指定金銭信託」の2つに分類されます。


  • 特定金銭信託:運用方法を個別具体的に指定する
  • 指定金銭信託:運用の範囲を大まかに指定する

金銭信託と投資信託の違い

投資信託も、財産の管理や運用を信頼できる人に任せる信託の一つです。

投資信託は、多くの投資家から集めたお金を一つにまとめて専門家が運用し、その収益を投資家が受け取る信託商品です。

運用会社(投資信託委託会社)が「委託者」、信託銀行等が「受託者」、投資家が「受益者」にあたります。販売会社を通じてお金を預け、信託銀行等が管理を行う仕組みです。
信託銀行等は、運用会社の指図にもとづいて運用を行います。

国内外の株式や債券等で運用される投資信託に対し、金銭信託は原則値動きのない資産で運用されるのが特徴です。


単独運用指定金銭信託とは、指定金銭信託の一つ

単独運用指定金銭信託は、指定金銭信託の一つです。

指定金銭信託とは、運用方法をある程度指定し、具体的な運用判断は信託銀行等に任せる金銭信託です。
運用方法によって、さらに2つに分類されます。


  • 合同運用指定金銭信託
  • 単独運用指定金銭信託

指定金銭信託の一つである単独運用指定金銭信託は、信託されたお金をほかの投資家と区別し、委託者ごとに管理・運用する信託商品です。
合同運用指定金銭信託との違いを以下で確認しましょう。


単独運用指定金銭信託と合同運用指定金銭信託の違い

合同運用指定金銭信託も指定金銭信託の一つで、委託者から信託されたお金をほかの委託者から信託されたお金と合同して運用する信託商品です。

単独運用指定金銭信託は、委託者ごとに運用を行いますが、合同運用指定金銭信託は運用方法が同じ複数の信託財産を合わせて運用します。
ただし、指定された運用方法が同一でなければ、合同運用はされません。

なお、多くの合同運用指定金銭信託には、元本補てん契約が付されています。
元本補てん契約とは、信託した金銭(元本)に損失が生じた場合に、信託銀行等が元本を補てんする契約です。
したがって、運用がうまくいかず元本を下回っても、どの差額を信託銀行が補てんしてくれます。

また、元本補てん契約が付された合同運用指定金銭信託には預金保険制度*が適用され、元本1,000万円とその利息等が保証されます。

元本補てん契約が付されているかどうかは信託銀行等によって異なるので、事前に確認が必要です。

*預金保険制度とは、信託銀行等が破たんしたときに、預金保険機構によって元本1,000万円までとその利息等が保護される制度です。


単独運用指定金銭信託の商品例

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次に、単独運用指定金銭信託の具体的な商品例を紹介します。


  • 厚生年金基金信託
  • 確定給付企業年金信託
  • 公益信託
  • 特定贈与信託

厚生年金基金信託

厚生年金基金信託とは、企業等が従業員の退職後の生活を保障するために導入する年金信託の一つです。

厚生年金基金が国に代わって厚生年金の老齢給付の一部を行うとともに、独自の年金を上乗せする仕組みです。

厚生年金基金信託は単独運用指定金銭信託の一つですが、ほかの企業年金制度への移行を促進するため、2014年4月1日以降、新設が認められなくなりました。
現在、厚生年金基金信託の多くは確定給付企業年金信託等に移行しています。


確定給付企業年金信託

確定給付企業年金信託とは、年金信託の一つで、事業主と従業員が給付内容をあらかじめ約束し、従業員が将来その内容にもとづく給付を受けられる信託商品です。

将来受け取れる給付額があらかじめ決まっていること、企業が運用リスクを負うことが大きな特徴です。
運用の結果、給付額に達しなかった場合は、企業が年金給付に必要な額を補てんします。

確定給付企業年金は、約930万人(2022年3月末時点)と加入者数が最も多い企業年金制度です。
しかし、近年は、運用リスクを回避するために企業型確定拠出年金信託に移行する企業も少なくありません。
実際に、企業型確定拠出年金信託を導入する企業は右肩上がりに増加しています。

厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、退職年金制度がある企業の支払準備形態は以下のとおりでした(複数回答)。


退職年金制度 支払準備形態別の企業割合
厚生年金基金 20.0%
確定給付企業年金 43.3%
企業型確定拠出年金 47.6%
企業独自の年金 3.8%

出典:厚生労働省『平成30年就労条件総合調査』


公益信託

公益信託とは、個人や法人が公益目的で預けたお金を信託銀行等が管理・運用し、公益的活動を行う制度です。
以下のようなものが「公益活動」に該当します。


  • 奨学金支給
  • 学術研究への助成
  • 教育振興活動への助成
  • 国際交流活動への助成
  • 社会福祉事業への助成
  • 芸術・文化振興
  • 街づくりへの助成
  • 自然環境保全への助成

公益財団法人と同様の機能を持ちますが、公益信託では信託銀行等が許可申請を行うため、よりスムーズに公益活動を始められるのが特徴です。
なお、公益財団法人の場合は、法人の設立や、事務所費用・人件費・物件費等が必要となります。

また、公益信託では、一定の要件を満たすと寄附金控除等の税法上の優遇措置も受けられます。


特定贈与信託

特定贈与信託とは、障がいを持つ方の生活の安定のために、親族等が信託銀行等に財産を預ける信託商品です。

信託銀行等が預かった財産を、障がいを持つ方が亡くなるまで管理・運用し、生活のために必要な資金(生活費や医療費等)を定期的に交付します。

通常、1年間に贈与を受けた額が110万円を超えると、贈与税を払わなくてはなりません。
しかし、特定贈与信託を利用すると、一定の金額まで贈与税が非課税となります。
また、預けた財産は信託銀行等によって安全に管理され、確実に財産を贈与できるのもメリットです。

なお、特定贈与信託で預けられるのは、金銭や有価証券、不動産等の収益性のある財産や換金性の高い財産に限定されます。


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まとめ

単独運用指定金銭信託は、運用方法をおおまかに指定する指定金銭信託の一つで、信託されたお金をほかの投資家と区別し、委託者ごとに管理・運用する信託商品です。

具体的な商品には、年金信託(厚生年金基金信託・確定給付企業年金信託)や公益信託、特定贈与信託等があります。

単独運用指定金銭信託に対して、複数の信託財産を合わせて運用する指定金銭信託を合同運用指定金銭信託といいます。

単独運用指定金銭信託の仕組みや、ほかの信託商品との違いを正しく理解しましょう。



松崎 観月
まつざき みづき

大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当。資産運用の相談・保険販売などを経験する。退社後CFP認定を取得し、フリーのFPライターとして活動を行う。資格情報CFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、日商簿記検定2級

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