「投資に挑戦したいけれど、どうすればいいのかわからない。成功する人たちは何をしているの?」
さまざまなメディアで、投資が取り上げられるようになりました。一方で、置いてけぼりになったようで、不安な気持ちを抱く方も多いようです。
「コツをつかんだら簡単で、ダイエットと同じです」
……と聞いたら、どう思うでしょうか。
じつはこの言葉、ダイエットに成功した後、同じやり方を投資や副業に適用した、ある女性の言葉です。
この記事では、“投資の成功には、意外にも「ダイエット」で培った「良い習慣」が通じる” というお話を、していきたいと思います。
ダイエットの成功と投資の成功は、一見無関係に見えるかもしれません。しかし、両者に共通する成功法則が存在します。
冒頭で紹介した女性を、Aさんとしましょう。
Aさんは、メーカーの営業として働いていた35歳のとき、半年間で10キロのダイエットに成功しました。
それまで、「ダイエットするする詐欺」といわれるくらい、ダイエットの宣言と挫折を繰り返していたので、周囲はあっと驚きました。
どれだけ過酷で大変な思いをしたのかと、皆が質問します。しかし、答えはあっけらかんとしたものでした。
——「水を飲んでたら、食べないのが癖になって、勝手に痩せた」
「えっ、そんなことある?」
「ムリ、ムリ!」
と皆は盛り上がりましたが、Aさんは、いたって真剣です。
じつはAさんは、何度もダイエットの挫折を繰り返すうち、強い不安を覚えるようになっていました。
それは、
「このままでは私は、自分のことが嫌いになってしまう」
という恐れです。
決めたことを実行できず、失敗を繰り返すたびに、自分をののしる口汚い言葉が、頭の中に浮かぶようになってしまったのです。
ダイエットの成功以前に、「これ以上、自分のことを嫌いになったら心が壊れてしまう」と思ったAさんは、絶対に失敗しない方法を探すことにしました。
それが、「食べる前に、水を飲む」ことの実践です。
最初は意識して行っていた水を飲む行動も、やがて自然と身につけていきました。
失敗したことのある食事制限や運動は行わず、「水を飲む」というシンプルな行動だけを、習慣化しました。
すると、食事の量が自然に減り、やがて体を動かしたい気分が出てきて、無理なくダイエットを成功させたのです。
「これ以上、自分のことを嫌いになりたくない」
という切実な思いで始めた“水を飲むダイエット”ですが、Aさんにとって、非常にインパクトがありました。
“叶えたいことほど、絶対に挫折しない範囲でコツコツ始める”、というAさんなりの成功法則が、手に入ったからです。
Aさんは、「お金持ちになりたい!」という気持ちも強かったので、次の2つを実践するようになりました。
結果として、Aさんは投資にも副業にも成功して、自分の会社を起業しました。今では、社長として活躍しています。
Aさんの例からもわかるように、習慣化は何でも応用できる、パワフルなテクニックです。
大きく分けて3つのポイントがあります。
まず、習慣になるとがんばる必要がありません。
習慣化された行動は、意識的な努力を必要とせず、まるで自動操縦のように継続できます。これは非常に重要なポイントです。
たとえば、歯磨きは多くの人々にとって習慣化されています。子どもの頃から毎日のルーティンとして行うことで、特別な努力を必要とせず、自然に行えるようになります。
習慣化のメカニズムを理解すると、人生のさまざまな側面で利用できます。
良い習慣を身につけることは、自信につながります。
身近に、好ましい習慣を何年も継続している人がいれば、その人の様子を思い浮かべてみましょう。
たとえば、筋トレしている人、ランニングしている人、語学を学んでいる人など、どこか自信があるように見えるのではないでしょうか。
理由のひとつとして、
「習慣は、単なる行動の範疇を超え、その人の “自分自身の一部” として存在するから」
と考えられます。
習慣は自分にとっての「強み」となり、自己肯定感を高めて人生を豊かにするために、助けとなります。
そして、習慣があると、人生がラクになります。
毎日の選択肢を減らし、迷いをなくすからです。何をするべきかを考える時間が減り、その分、ほかの重要なことに集中できるようになります。
たとえば、毎月一定額を投資する習慣がある人は、投資のタイミングや金額について、悩む必要がありません。
忙しい生活の中で「やるべきことが決まっていて、しかもそれが習慣によって自動化されている」というのは、大きなメリットといえます。
最後に、良い習慣を自分のモノにするポイントを、見ていきましょう。
良い習慣を身につける際、最初は小さな目標から始めることが重要です。大きな目標を立てると挫折しやすくなり、途中で諦めてしまうことが多いからです。
小さな目標を達成することで、自信がつき、次のステップへと進む勇気が湧いてきます。
たとえば投資を始めたい場合、最初から大金を投じるのではなく、“少額と自分が感じられる金額”から始めます。
最初は毎月1,000円から始め、慣れてきたら2,000円、3,000円……と増やしていくイメージです。
少しずつ増やすことで、スタート時に多くの人が感じやすい“投資に対する怖さ”を減らすことができます。自分に合った投資のペースを、見つけていきましょう。
習慣を身につける初期段階では、意志の力が必要です。しかし、“ちょっとの”意志で続けることが大切です。無理にやりすぎると疲れてしまい、挫折の原因になることがあるからです。
“ちょっとの”意志で続けられるラインは、人それぞれで異なります。
先にご紹介したAさんの場合、「食べる前に水を飲む」というのが、そのラインでした。
自分にとって無理のない、挫折するリスクのない範囲を見極めて、スタートしましょう。
レベルを上げるのはいつでもできます。最初から高いレベルを求めないことが、重要なコツです。
良い習慣が身につくと、それが自然な行動となります。最初の努力が実を結び、習慣が自動化されると、意識せずとも続けられるようになります。
この段階になると、習慣はもはや意識する必要がなく、忘れているくらいがちょうどよいのです。
たとえば、積立投資をしている人は、意識しなくても資産形成を自動的に行えます。
市場の変動に対しても動じず、自分の投資戦略を堅持できます。
難しそうに思えるかもしれませんが、「食べる前に水を飲む」のような小さな一歩が、習慣を作ってくれるのです。
良い習慣を身につけた経験は、副業であれ投資であれ、さまざまな要素に展開可能です。
ひとつ付け加えるなら、「習慣を楽しむ」ことも、忘れないでください。
楽しいと感じる習慣は継続しやすくなり、人生を豊かにしてくれます。自分の望む未来を、小さな一歩から手に入れていきましょう。
<あわせて読んでみよう!>
副業を始めるときの注意点とは?
本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。