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【弁護士が解説】住宅ローンの連帯保証人|どんな契約?どんなときに返済を求められる?
【弁護士が解説】住宅ローンの連帯保証人|どんな契約?どんなときに返済を求められる?

【弁護士が解説】住宅ローンの連帯保証人|どんな契約?どんなときに返済を求められる?

20時間前に公開
提供元:大西 勝士

住宅ローンは原則として、連帯保証人なしでも借りることができます。ただし、収入合算による審査を受ける場合やペアローンの場合など、連帯保証人が必要となることもあります。

連帯保証人は、主たる債務者が住宅ローンを返済できなくなった場合、代わりにローンを返済しなければなりません。
連帯保証人になってもいいかどうかは、契約前に慎重に検討してください。

本記事では住宅ローンの連帯保証人について、返済を求められるのはどのような場合か、連帯保証人から外れることはできるのかなどを弁護士が解説します。


住宅ローンの連帯保証人とは?

住宅ローンの連帯保証人は、ローンの返済が滞った場合に、主たる債務者に代わって返済する義務を負います。
住宅ローンは連帯保証人なしでも借りられますが、プランによっては連帯保証人が必要となることもあります。


連帯保証人とは

「連帯保証人」とは、債務の支払いが滞った場合に、主たる債務者と連帯して支払義務を負う者です。

たとえばAが銀行でローンを組む際、Bが連帯保証人になったとします。
基本的にはAがローンを返済しますが、Aが返済を延滞した場合には、銀行はBに対しても返済を請求します。Bはその請求に応じて、Aが延滞したローンを返済しなければなりません。


住宅ローンは、連帯保証人なしでも借りられる

住宅ローンを組む際に、連帯保証人が必須というわけではありません。住宅ローンのプランには、連帯保証人を不要とするものが多く含まれています。

仮に住宅ローンの返済が滞っても、債権者(銀行など)は住宅の土地と建物を担保に取っているので、担保物を競売することである程度回収できます。
そのため、連帯保証人なしでもローンの審査を通してもらえるケースが多いのです。


住宅ローンの連帯保証人が必要となるケース

しかし、一部の住宅ローンのプランにおいては、連帯保証人を付けることが求められます。

住宅ローンの連帯保証人が必要となるケースの代表例は、夫婦でペアローンを組む場合です。
ペアローンでは、夫婦それぞれが銀行などからローンを借りたうえで、互いに相手が借りたローンの連帯保証人になります。

また、いわゆる「連帯保証型」の住宅ローンを組む場合も、連帯保証人が必要となります。
契約が2本であるペアローンとは異なり、連帯保証型の住宅ローンは1本の契約です。
すなわち、夫婦のいずれか一方がローンを借り、もう一方がその連帯保証人となります。

ペアローンと連帯保証型の住宅ローンのメリットは、夫婦の経済力を合わせてローンを借りられる点です。
一人では組めない金額のローンも、二人の経済力を合わせれば組めることがあります。


住宅ローンの返済が延滞した場合は、連帯保証人が返済義務を負う

住宅ローンの連帯保証人は、主たる債務者が返済を延滞した場合には、延滞分について連帯責任を負います。
債権者に返済を請求されたら、それに応じて支払わなければなりません。

延滞が続くと、まだ返済期日が来ていなかった分まで、一括で返済を請求されることもあります(=期限の利益の喪失)。この場合、連帯保証人も一括返済の義務を負うので注意が必要です。


連帯保証人が住宅ローンを返せないとどうなる?

主たる債務者も連帯保証人も住宅ローンを返済しないと、債権者は法的な手続きを通じて、強制的にローンの回収を図ります。具体的には、次の流れで回収の手続きが進んでいきます。


抵当権の実行

債権者はまず、住宅の土地と建物に設定された抵当権を実行します。

抵当権の実行は競売によって行われます。競売の手続きが進んで落札されると、住んでいる住宅を退去しなければなりません。


訴訟

抵当権の実行と併せて、債権者は裁判所に訴訟を提起します。
訴訟は主に裁判所の法廷で行われ、返済義務の有無が審理されます。


裁判所が原告(債権者)の請求を認めた場合は、被告である主たる債務者や連帯保証人に対して返済を命じる判決を言い渡します。


強制執行

判決が確定すると、債権者は強制執行の申立てができるようになります。

「強制執行」とは、債務者の財産を差し押さえて、強制的に債務の弁済(支払い)に充てる手続きです。たとえば預貯金や給与、不動産などの財産が差し押さえられます。


最終的には自己破産などを検討せざるを得ないことも

持っている財産を返済に充てても、住宅ローンを完済することができない場合は、最終的に自己破産などの債務整理を検討せざるを得ません。

自己破産をすると、住宅ローンの返済義務を免れることができます。ただし、高価な財産が処分される、ローンやクレジットカードを数年間利用できなくなるなど、生活に大きな影響が生じます。

住宅ローンの連帯保証人になる際には、返済できないとこのようなリスクが生じることに十分注意しなければなりません。


住宅ローンの連帯保証人から外れることはできるのか?

住宅ローンの連帯保証人から外れるためには、ローンを完済するか、または債権者の同意を得る必要があります。

ローンを完済する方法としては、まず手元の現金を充てることが考えられますが、多額のローンを一括返済するのは難しいケースが大半でしょう。

そのほかには、別の住宅ローンに借り換える方法があります。連帯保証人が不要の住宅ローンに借り換えれば、それまで借りていたローンの完済によって連帯保証人から外れることができます。
ただし、ペアローンや連帯保証型の住宅ローンと比べると、連帯保証なしの住宅ローンは審査が厳しい傾向にあります。
前の住宅ローンを借りた時よりも収入が増えていなければ、連帯保証なしの住宅ローンに借り換えるのは難しいかもしれません。

住宅ローンを完済しない状態で、債権者の同意を得て連帯保証だけ外してもらうのは、現実的には困難です。
仮に夫婦が離婚するとしても、連帯保証を外してもらえる理由にはなりません。


住宅ローンの連帯保証人になったら、簡単に外れることはできないので十分ご注意ください。


住宅ローンの連帯保証人はリスク大|契約前に慎重に検討すべき

住宅ローンに連帯保証人を付けると、一人でローンを組む場合よりも多くの金額を借りることができます。

特に最近では不動産価格が上昇しているため、物件を買うために必要なお金が高額となる傾向にあります。
欲しい物件を手に入れるためには、ペアローンや連帯保証型の住宅ローンを組むことが有力な選択肢となるでしょう。

その一方で、住宅ローンの返済が延滞ときは、連帯保証人が代わりに返済しなければなりません。
離婚するなど、夫婦の関係性が変化した場合でも、連帯保証人としての返済義務は残ります。

連帯保証人から外れるためには、元の住宅ローンを完済しなければなりませんが、簡単なことではないでしょう。

もし連帯保証人が住宅ローンを返済できなければ、最終的に自己破産などに追い込まれてしまうこともあり得ます。
住宅ローンの連帯保証人になってもいいかどうかは、契約する前の段階で十分慎重に検討してください。



本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。


阿部 由羅

ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。

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