「美容や健康、お金の管理に頭を悩ませている。
どれも大切だけど、どれに力を入れればいいのかわからない」
そんな悩みを抱えていませんか。
どうしようかと調べてみると、
「美容に投資しないと、年を重ねてから絶対に後悔する」
「真の豊かさを手に入れるためには、自身の健康などへ自己投資したほうがいい」
「いや、資産運用を進めるべき」
などなど、さまざまな主張が聞こえてきて、余計に迷うところかもしれません。
結論からいえば、そんなときにおすすめの考え方として挙げられるのが「分散投資」です。この記事では、分散投資で全部をバランスよく手に入れる方法をご紹介します。
最初に、基本的な意味から確認しておきましょう。
まず、金融用語としての「分散投資」は、投資先を1つに集中させずに複数に分けることです。
例えば以下の通り、分散の仕方には、投資対象の資産種類や分類、地域、時期など、さまざまな軸があります。
出所)金融庁「投資の基本」
分散投資の大きなメリットは、投資に伴う変動を軽減しやすいことです。
1つの投資先へ絞ることで陥るリスクに対する、最大の防御策が分散投資といえます。
自分の時間やエネルギーを、大切な“リソース”として考えた場合、ライフスタイルや人間関係にも、分散投資の概念を適用できます。
たとえば、恋愛体質で、1人の恋人に全時間・全エネルギーを注ぎ込むタイプのAさんは、恋人と別れたあとに大きな痛手を負ってダメージを受けてしまいます。
一方、恋人だけでなく、友人・家族・仕事・趣味にも、時間とエネルギーを分散するタイプのBさんは、どうでしょうか。恋人と別れたあと、辛くて悲しい気持ちは同じでしょうが、Aさんほどの大きなダメージは負いません。
1つだけのことに投資するのではなく、「分散」しておくことで、自分が将来受ける可能性があるリスクを、小さくできることがわかります。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざがあるように、“同時に2つのことをすれば、結局どちらも成功しない”という観念を、強く持っている人は多いでしょう。
一方で、「三兎、四兎……と分散しておけば、すべてを失う失敗は避けられる」というのが、分散投資の考え方です。これは欲張りではなく、安全に人生を生きる智恵といえます。
ここで冒頭の話に戻りますが、
「どれも大切だけど、どれに力を入れればいいのかわからない」
と迷ったなら、大切なものすべてに分散すればよいのです。
自己投資も資産運用も、“二兎を追う者は……”という観念はいったん捨てて、「全部やっていい」と切り替えてみましょう。
続いて、分散投資をどのように進めていけばよいのか、見ていきましょう。
ここでは、分散の仕方を3つに分けてご紹介します。
1. 投資する分野を分散する
まずは、自分にとって大切にしたいライフスタイルの「分野」を、洗い出してみましょう。
【投資する分野の洗い出しの例】
これらの優先順位を考えて、割合を数字で分けてみます。以下は一例ですが、このように割合を出しながら、リソース(資金・時間・エネルギーなど)を分散してみましょう。
「割合をどう分けていいか、わからない(思い付かない)」という場合は、現時点では優先順位に差がないと解釈できるため、ひとまず均等の割合で、スタートしましょう。
2. 投資する分野の種類を分散する
次に「種類」を分散します。
各分野のなかでも、1つだけに投資するのではなく、種類を分散させることで、より安定した結果が期待できます。一つのことが上手くいかなくても、その他のことでリスクをカバーできるからです。
【投資する分野の種類を分散した例】
3. 投資する時期を分散する
一時期に集中せずに投資の「時期」を分けることも、分散投資では重要です。
たとえば、美容皮膚科で最新の美肌治療を受けるとしましょう。
「自分の肌にも合っていて、この治療は最高!」と思ったとしても、分散投資の考え方では一度に契約はしません。将来発生する可能性があるリスクに備えるためです。
【想定されるリスクの例】
このようなリスクは、現時点ではあくまで可能性に過ぎず、起きるかどうかはわかりません。
「起きるかどうかわからないのに、対処するのは無駄では?」
と感じるかもしれませんが、
「起きるかどうかわからないからこそ、分散しておく」
というのが、分散投資の基本スタンスです。
この考え方を、さまざまなシーンで活用してみてはいかがでしょうか。
最後に、自己投資や資産運用を通じて「全部をバランスよく手に入れるコツ」として、3つのポイントをお伝えします。
1. フレキシビリティを持つ
フレキシビリティとは“柔軟性”という意味ですが、「未来のリスクに備え、多様な選択肢を用意すること」といえます。
1つの価値観だけに固執したり、変化を排除したりする姿勢が強すぎると、将来発生する可能性があるリスクに備えることが難しくなります。
「コレもあり、アレもあり」と受け入れる、柔軟で大局的な視点が、豊かさを引き寄せるカギです。
加えて、金融の世界では、「見切り千両、損切り万両」という格言があります。
「このまま続けていても、意味がない」と悟ったら、早期に見切りをつけ、フレキシブルに撤退することも大切です。
2. 優先順位を定期的に確認する
優先順位は、自分自身の内面や外部環境に応じて変わります。
たとえばライフスタイルにおいて、30代ではキャリアを重視していた人が、40代では家庭や健康を優先したくなるかもしれません。
人生の各フェーズで、大切にしたいものは変わっていくのも自然です。
定期的に分散投資の内容を確認して、「今の自分」にフィットするように調整していきましょう。
金融資産への投資は長期的に、継続的にと言われていますが、定期的に値動きを確認しておくことで商品への理解も深まります。
具体的には、「年に1回」というように頻度を決め、自分の目標や気持ちとじっくり向き合い、投資先や配分を調整します。
特にライフスタイルにおいては、このプロセスを通じて、自分が何に価値を見いだし、どのように成長していきたいのか、明確にできます。
3. 長期的に継続していく
短期的な成功は魅力的に思えるものですが、分散投資は、長期的な視点で考えることが重要です。
短期的には「二兎を追う者は一兎をも得ず」だったとしても、長期的に継続すれば「継続は力なり」の効力が上回り、何兎も得られるケースは少なくありません。
金融用語でいわれる「複利効果」は、自己投資でも、発揮されるからです。
また、一般に分散投資における資産運用は、期間が長くなるほど、効率的にリターンを得られやすいとされています。
どちらも「一生、分散投資という観点を取り入れ続ける」くらいのつもりで生活していくと、リスクが少なく物事が安定しやすいことが期待できるでしょう。
分散投資の概念は、金融資産への投資はもちろん、人生のあらゆるシーンに適用できます。
賢く自己投資と資産運用を行うことで、バランスの取れた豊かな人生を作っていきましょう。
<関連コラム>
分散投資ってなに?安定した資産形成のために投資の基本を押さえよう!
本稿執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
最終的な投資判断、金融商品のご選択に際しては、お客様自身の判断でお取り組みをお願いいたします。