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利益を出すよりまずマイナスを削れ!節約の第一歩
利益を出すよりまずマイナスを削れ!節約の第一歩

利益を出すよりまずマイナスを削れ!節約の第一歩

2024/05/29に公開(最終更新:2024/05/29)
提供元:雨宮紫苑

よし、今日から節約をはじめるぞ!
まずは家計簿アプリをダウンロードして、キャッシュレス決済サービスを登録してポイ活だ! ついでに投資用の口座も開設して、セミナーなんかにも行っちゃおうかな!

高いモチベーションとともに、鼻息荒く資産形成をはじめる人はたくさんいる。

しかし残念なことに、3か月後も同じモチベーションを維持している人はそれほど多くない。いや、1か月後ですらどれだけの人が継続しているか……。

だからこそ、改めてお伝えしたい。
「新しいことをはじめるよりも、日常的な悪習慣を減らすほうがプラスになるぞ」と。


新しいことを継続するのはとても大変

「継続は力なり」「三日坊主」という言葉があるように、新しいことを始めてそれを続けるのは至難の業だ。

最初はやる気に満ち溢れているけれど、数日したら適当になり、1週間もすれば無関心になっている。

自慢ではないが、わたしは熱しやすく冷めやすい性格なので、いままで数えきれないほどの「三日坊主」を経験している。

そのうちのひとつが、家計簿。
小さい頃から文房具が好きでかわいいノートを集めていて、一目ぼれしたデザインのお小遣い帳をよく両親に買ってもらっていた。

お気に入りのデザインのお小遣い帳。見るだけでワクワクするわたしは、意気揚々と現在のお小遣い総額と、最近買ったペンの120円を記入する。

……そう、最初はちゃんとやるのだ。最初は。

それでもすぐに飽きてしまって、結局お小遣い帳は「かわいい表紙だけど使わないノート」になってしまう。

みなさんも、節約のために決済アプリやポイントアプリ、家計簿アプリなどいろいろとダウンロードはしたものの、まともに起動したことがないなんて経験、お持ちではないだろうか。

日記を書き始めたけど2日でやめてしまった。英語を勉強するために参考書を買ったけど3日で飽きた。早起きすると決めたものの1週間ももたなかった、などなど……。

もちろん、継続できるならそっちのほうがいい。しかしたいていの人間にとって、新しいものを継続し続けることは大変で、ストレスになる。だから続かない。

ではどうするか?
簡単だ、新しいことを始めなければいい。


いくらプラスを作ってもマイナスが大きければ結果的に損

新しいことを始めないというのは、「何もしない」ということではない。

継続するハードルが高い新しい挑戦よりも、現実的に達成しやすい悪習慣の見直しを優先するということだ。

そう考えるきっかけとなったのは、スーパーで買い物したときのこと。
物価上昇を受け、最近ではビオではない安い卵を選び、鶏ももよりもリーズナブルな鶏むね肉にし、少し遠いディスカウントスーパーに行くことにした。

そうやって買い物への出費を抑えようと気をつけつつ食材を買い、家に買ってきて我に返る。

冷蔵庫の中には賞味期限切れのヨーグルト! 芽が出たじゃがいも!
せっかくわざわざ遠いスーパーで安い食材を買ってきたのに、結局食材を捨てるなら意味がないよ!

しかも結局、不慣れなスーパーだと買い物に時間がかかるし、遠いと通うのが面倒くさいから、いつものスーパーに行くようになっちゃったし……。

新しいことを始めてプラスを作り出しても、それを続けるには高いモチベーションが必要になるので、なかなか難しい。そのうえ、マイナス要因である悪習慣を続けていれば、せっかく作ったプラスも無駄になってしまう。

わたしの例でいえば、継続的に遠いスーパーに行くのは大変だから結局行かなくなってしまうし、いくら安いスーパーに行っても食材を捨てるならまったく節約にならない。

それならば、ストレスを感じてまで安いスーパーに行くよりも、まずはマイナスを作る「無駄な買い物」を減らすほうが現実的だ。

マイナスを削るのであれば、「今日から新たにこれをやるぞ!」と意気込まなくても、「これに気をつけよう」と、少し意識するだけでいいのだから。


少し気を付けるだけで節約できる場面は多い

では具体的に、「出費が増える悪習慣」とはどういうものを指すのか。
身近な例として、電気代や水道代を見てみよう。

まずは冷蔵庫。エアコンを使う時期でなければ、照明に次いで多くの電力を使う家電であり、なおかつほとんどの家にあるものだ。*1

さてみなさんの家の冷蔵庫には、どれくらい食材が入っているだろうか。きちんと整理整頓され、どこになにがあるか把握できているだろうか。

実は、冷蔵庫に食材を詰め込むと、冷蔵庫内が均一に冷えず消費電力が大きくなってしまう。冷蔵庫に食材を詰め込んだ場合と食材を半分にした場合を比較すると、年間で約1,360円の差が出る。*2

そのうえ、冷蔵庫をしっかりと整理していれば、「どこにあるんだろう?」と開けっ放しにすることも減るし、無駄な買い物で食材を捨てることも防げるので、さらなる節約につながる。

さらに、洗濯・脱水容量が6kgの洗濯機に4割入れて洗う場合と8割入れて半分の回数洗う場合を比べると、電気代と水道代を合わせて、年間で約4,510円安くなる。*3

また、シャワーで45℃の湯を流す時間を1分間短縮するだけで、年間で約3,210円の節約になるといわれている。*4

つまり、パンパンだった冷蔵庫を整理して食材を半分程度にし、シャワーを1分短くしたうえで、まとめ洗いを心がけて洗濯の回数を半分にするだけで、年間9,000円ほど安く済むわけだ。

いくら「ポイ活をするぞ!」と頑張って5,000円ぶん貯めたとしても、冷蔵庫がいっぱいでシャワーは出しっぱなし、やたらと洗濯回数が多ければ、結局はマイナス4,000円。

それならば、いつまで続くかわからないポイ活に希望を抱くより、まず冷蔵庫を整理整頓したほうがいいと思わないだろうか。


新しいことを始める前に、まずは悪習慣の見直しから

最近ダイエットを本格的にやりはじめて痛感したが、毎日1時間ウォーキングするのって、とても大変だ。「今日は良いかな」とサボってしまったり、時間が取れなくてできないこともあったり。

新しい習慣をやり続けるのは、本当にハードルが高い。

そのハードルを乗り越えてウォーキングし、「よし今日はちゃんとやったぞ!」と満ち足りた気持ちになっても、「頑張ったから」と板チョコ1枚でも食べてしまえば、ダイエットとしては即マイナス。

いくら有酸素運動や筋トレをしたところで、毎日スナック菓子を食べていたらいつまで経っても痩せられない。

お菓子を好きなだけ食べながら毎日1時間ウォーキングするのと、運動せずにとりあえず間食を減らすのであれば、どちらがダイエットとして現実的で効果が出そうだろうか。

ほとんどの人が、後者だと答えると思う。
いくら運動をしても、それを帳消しにするだけのカロリーを摂取していたら意味がない。

節約も、根本的には同じだ。

マイナスを増やす習慣を続けながら、新しいことをやってそれを上回るプラスを出すのは、とても大変だ。しかも新しいことを続けるのは、それだけでハードルが高い。

だったらまず、新しいことでプラスを増やすより、今やっているマイナスを作る行動を減らしていこう。

車に不要な重いものを乗せてはいないか? 余計なガソリン代がかかるぞ。
ゲームをつけっぱなしでPCを放置していないか? 無駄に電気を消費するぞ。
飲み物を買うために立ち寄ったコンビニで、お腹が空いていないのに毎回唐揚げを買ってはいないか? 塵も積もれば……だぞ。

そういった悪習慣をやめるだけで、少なくともマイナスは減る。
マイナスが減れば、そのぶんプラスを出しやすくなる。

あれこれ新しいことを始める前に、やれることはたくさんあるはずだ。
新しいことを試すのは、そういった悪い習慣を減らしてからでも遅くはない。



出典
*1 政府広報オンライン「節電をして電気代を節約しよう!手軽にできる節電方法とは?」
*2 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約 冷蔵庫」
*3 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約 洗濯機」
*4 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約 風呂給湯器」


雨宮紫苑

ドイツ在住フリーライター。Yahoo!ニュースや東洋経済オンライン、現代ビジネス、ハフィントンポストなどに寄稿。著書に『日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち』(新潮新書)がある。


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