新型コロナウイルスは社会構造を大きく変化させました。
コロナ禍で業績を伸ばした企業もあれば、そうはならなかった企業もあります。そして、図らずも業績低迷を余儀なくされた企業も少なくありません。
とりわけ、化粧品業界は厳しい冬が続くことになりました。多くの人がマスクを着用するようになったことで、メイクをする機会が急減してしまったのです。
化粧品業界で一頭地を抜いた存在、それは資生堂<4911>です。
同社は2019年12月期に売上高、営業利益でいずれも過去最高を記録。ところが、翌2020年12月期は大幅な減収減益を余儀なくされました。
言うまでもなく、新型コロナの影響が直撃したことによるものです。その後は経営努力によってさらなる業績の悪化は避けられましたが、コロナ禍前の水準にはいまだ届いていません。
資生堂をはじめとする化粧品メーカーはコロナ禍という強い北風にさらされましたが、ここにきてようやく風向きが変わってきました。
政府が3月13日からマスク着用を個人の判断に任せる方針を決めたのです。今後マスクを外す動きが強まり、口紅などの化粧品のニーズが回復してくると予想されます。
加えて、水際対策の緩和に伴うインバウンド(訪日観光客)の急増が需要回復を後押しすることになりそうです。日本製の化粧品はクオリティーが高く、安全で安心なことから外国人の間で人気が高いようです。
関連銘柄には、みなさんがよくご存じの有名企業が多くあります。
先ほどの資生堂をはじめ、コーセー<4922>、ポーラ・オルビスホールディングス<4927>、ファンケル<4921>などです。
「カネボウ化粧品」を傘下に持つ日用品大手の花王<4452>も見逃せません。“マスク解除”と“訪日客人気”で、化粧品業界には今まさに春風が吹き始めています。
見た目を美しくしたり、若く見えたりする化粧品は、種類も豊富で多くの企業が参入しています。比較的、景気の良い時期に売り上げが伸びる面もあります。
日本の化粧品は品質の高さなどから中国などアジア市場で人気があります。関連企業には、化粧品メーカーや化粧品販売会社、口コミサイトなどがあります。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けましたが、マスクを外す機会が増えたことで化粧品需要も回復に向かっています。2023年3月13日にマスク着用が個人の判断になることでそれが加速するとみられ、需要回復に弾みが付きそうです。
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