logo
Money Canvas(マネーキャンバス)
back icon
clear
back icon
住宅ローン控除はなくなるの?必要な要件といつもらえるのかといった運用をあわせて詳しく解説
住宅ローン控除はなくなるの?必要な要件といつもらえるのかといった運用をあわせて詳しく解説

住宅ローン控除はなくなるの?必要な要件といつもらえるのかといった運用をあわせて詳しく解説

20時間前に公開
提供元:横内美保子

現行の住宅ローン減税(控除)の適用期限は2025年末をもって終了することになっていましたが、適用期限が5年間延長され、その内容が変更されることになりました。

2026年度の改正では、省エネ性能の高い住宅や中古住宅への優遇が強化されるのに加え、床面積要件の緩和など、より幅広い層が利用しやすい制度へと見直されました。

本記事では住宅ローン控除について、最新の税制改正を踏まえ、住宅ローン控除の基本的な仕組み、適用条件、実際にいつ・どのように減税を受けられるのかについて整理し、これから住宅購入を検討する方にとって有益なポイントを解説します。


住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に税負担を軽減する制度です。
正式には「住宅借入金等特別控除」といい、この制度を利用すれば、住宅の新築・購入・増改築の際に住宅ローンを利用した場合、年末時点のローン残高の0.7%を最長13年間、所得税から控除することができます。*1

ただし、同じ制度がそのまま続くわけではありません。
定期的に税制改正が行われているため、住宅ローンの借り入れを検討する場合には、最新の税制を確認する必要があります。


2026年の住宅ローン控除

2026年度住宅税制改正の大綱は、2025年12月に閣議決定され、2026年3月に国会で成立しました。*2
この大綱では、住宅ローン減税をはじめとする住宅関連税制の適用期限が5年間延長され、さらに拡充も盛り込まれました。

今回の税制改正で適用が可能となったのは、2026年1月1日から2030年12月31日に入居した場合です。

2026年度住宅税制改正概要は、下の表1のとおりです。*3

0 表1 2026年度住宅税制改正の概要

出典)国土交通省 「住宅ローン減税等の住宅取得等促進策に係る所要の措置」p.1


2026年の住宅税制改正のポイント

2026年の住宅ローン控除のポイントをみていきましょう。


省エネ性能の高い既存住宅の借入限度額引き上げ

これまでも、新築・買取・再販住宅の場合には、環境性能の高い住宅の借入限度額が高く設定されていました。*1
環境性能の高い住宅とは、以下に該当するものです。

  • 長期優良住宅・低炭素住宅
  • ZEH水準省エネ住宅
  • 省エネ基準適合住宅

一方、既存住宅(以下、「中古住宅」)の場合には、環境性能の高い住宅であっても、新築や買取・再販住宅(不動産会社が取得した既存住宅をリフォームして販売する住宅)に比べて、限度額が低く、これまでは一律3,000万円に設定されていました。

今回の改正では、その優遇措置が中古住宅にまで拡充され、環境性能の高い住宅の場合、中古住宅の借入限度額が引き上げられました。*3
また、中古住宅は控除期間が10年でしたが、今回の改正で、新築と同じように、13年間に延長されました。

このように、環境性能の良い中古住宅を買えば税制面でメリットがあるため、中古住宅購入の魅力が増したといえるでしょう。

なお、優遇措置の対象となる住宅については、以下の資料に詳しい説明が載っています。*4

国税庁「令和8年度税制改正における住宅ローン減税の制度変更 Q&A


子育て世帯・若者夫婦世帯に対する優遇措置

2024年度に改正された「子育て世帯や若者夫婦世帯に対する控除の拡充」が、2025年に引き続き、2026年も継続されました。*1

対象となるのは、19歳未満の子どもがいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯で、それぞれ他の世帯よりも借入限度額が高く設定されています。*3

上の表1のカッコ内がそれにあたり、新築・中古にかかわらず、他の世帯に比べて500万円から1,000万円、控除額が高くなっています。

なにかと出費の多い子育て中の世帯や、住宅購入を検討しつつも出費を抑えたい若者夫婦世帯にとって嬉しい措置といえるでしょう。


中古住宅も対象に、床面積要件を40㎡以上へ引き下げ

住宅ローン控除の適用条件の一つに「床面積が50㎡以上であること」があります。*1
ただし、合計所得金額1,000万円以下の世帯が新築住宅の借り入れを行う場合は、住宅ローン控除を受けるための床面積要件が「40㎡以上」に緩和される措置が2025年も継続されていました。

今回の改正では、40㎡以上に緩和する措置が中古住宅にも適用されました。
*3
一方で、合計所得金額1,000万円超の人や、子育て世帯などへの上乗せ措置の利用者は50㎡以上なので、注意が必要です。


その他の改正

2026年の住宅税制改正には、これまでみてきたポイント以外にもさまざまな改正が行われました(表2・表3)。*3

なかには、リフォームや、買い替えに関する優遇措置もありますので、検討中の方はチェックしてみるといいでしょう。

1 表2 その他の改正(1)

出典)国土交通省 「住宅ローン減税等の住宅取得等促進策に係る所要の措置」p.2


2

表3 その他の改正(2)

出典)国土交通省 「住宅ローン減税等の住宅取得等促進策に係る所要の措置」p.3


適用対象外となる場合

住宅ローン控除については、適用対象外についても押さえておく必要があります。
適用対象外となるのは、以下のような場合です。*2

  • 2028年以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅は適用対象外となる。
    * 登記簿上の建築日付が2028年6月30日までのものは適用対象
  • 2028年以降に入居する場合、土砂災害などの災害レッドゾーンの新築住宅は適用対象外となる。
    * 建替え・既存住宅・リフォームは適用対象

災害レッドゾーンとは、以下のような区域を指します。

  • 土砂災害特別警戒区域
  • 地すべり防止区域
  • 急傾斜地崩壊危険区域
  • 浸水被害防止区域
  • 災害危険区域(都市再生特別措置法に基づく勧告に従わないものとして公表の対象となった場合に限る)

住宅ローン控除の手続き

住宅ローン控除は、「自動的に適用される制度」ではありません。所定の手続きを行うことで初めて利用できます。

住宅ローン控除をはじめて受ける場合は、住宅の区分に応じた提出書類を添付して確定申告をする必要があります。*5

まず、以下のリンク先に載っている説明を読んで、区分に応じた書類を確認します。


書類の準備ができたら国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して確定申告を行います。
準備した書類上の数値を案内に沿って入力することで、控除額が自動計算されます。

会社員の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で住宅ローン控除が適用されるため、2年目以降の確定申告は不要です。*1

源泉徴収などの前払所得税のほうが多い場合は、年末調整や確定申告で差額が還付されます。


おわりに

住宅ローン控除は延長されたものの、その内容は大きく変化しています。
特に環境に配慮した性能をもつ住宅や中古住宅への対応などには変更点が多いため、注意が必要です。

これから住宅購入を検討する際には、単に「使える制度があるかどうか」だけでなく、「どのような条件で、どの程度活用できるのか」を具体的に把握することが重要です。
制度の仕組みを正しく理解することが、無理のない資金計画と納得のいく住まい選びにつながるのではないでしょうか。



本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。


出典
*1 三菱UFJ銀行 「【2025年版】住宅ローン控除(減税)とは?変更点や確定申告の流れを解説!」
*2 国土交通省 「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!~既存住宅、コンパクトな住宅への支援が拡充されます~」
*3 国土交通省 「住宅ローン減税等の住宅取得等促進策に係る所要の措置」
*4 国税庁 「令和8年度税制改正における住宅ローン減税の制度変更 Q&A」
*5 国税庁 「令和7年分確定申告特集 住宅ローン控除を受ける方へ」


横内美保子

博士(文学)。総合政策学部などで准教授、教授を歴任。専門は日本語学、日本語教育。
高等教育の他、文部科学省、外務省、厚生労働省などのプログラムに関わり、日本語教師育成、教材開発、リカレント教育、外国人就労支援、ボランティアのサポートなどに携わる。
パラレルワーカーでもあり、ウェブライター、編集者、ディレクターとして分野横断的な取り組みを続けている。

関連コラム
もっとみる >
scroll-back-btn