有名人の名を騙った投資詐欺が横行していますが、そのほかにもさまざまな方法で投資詐欺が行われています。
特に投資初心者をターゲットにした詐欺事案が多いので、最近投資を始めたばかりの方は注意が必要です。
本記事では、 投資詐欺のよくある手口・見分け方・詐欺的な勧誘を受けた場合の相談先など、投資初心者が詐欺被害から身を守るために知っておくべきポイントを解説します。
投資詐欺は、手を変え品を変え、さまざまな手口によって行われています。投資詐欺に引っかからないように、よくある勧誘方法と仕組み(スキーム)を理解しておきましょう。
投資詐欺のよくある勧誘方法としては、以下の例が挙げられます。
投資詐欺の勧誘に共通して見られるのは、 対象者の知識不足や欲望、心の弱さに付け込もうとする点です。
投資についての知識が十分でなく、かつ「早くお金を稼ぎたい」「たくさん儲けたい」「損を取り返したい」という気持ちが強い方ほど、投資詐欺に引っかかりやすくなります。
投資詐欺に引っかからないようにするためには、投資に関する正しい知識を身につけるとともに、短期間で確実に儲かるような投資話はないと認識することが大切です。
投資詐欺の仕組み(スキーム)は、詐欺業者が儲かり、参加者(投資家)が損をするように作られています。
よくある投資詐欺スキームとしては、以下のような例が挙げられます。
投資にはリスクがつきものですが、健全な方法によって投資を行えば、中長期的には利益を得られる可能性が高いです。
健全な投資と投資詐欺を見分けるには、主に以下のポイントに注目するとよいでしょう。
業として株式などの有価証券への投資を勧誘する際には、自社株を発行する場合など一部の例外を除き、「第一種金融商品取引業」または「第二種金融商品取引業」の登録を受けなければなりません。
また、業として投資に関するアドバイス(助言)を行う場合は「投資助言・代理業」、資産を預かって代わりに運用する場合は「投資運用業」の登録が必要です。
必要な登録を受けないで、有価証券に関する投資勧誘・助言・運用を行うことは、金融商品取引法に違反する犯罪に当たります。
投資詐欺業者は、ほぼ例外なく無登録業者です。金融庁の登録を受けていない業者から投資の勧誘を受けたら、投資詐欺であると考えましょう。
金融庁の登録事業者は、金融庁のウェブサイト上で確認できます*1。
投資詐欺スキームにおいて、投資の対象として掲げられることが多いのが「未公開株式」「私募債」「暗号資産(仮想通貨)」などです。
未公開株式や私募債、上場されていない暗号資産(仮想通貨)は、上場有価証券とは異なり、市場において誰でも買えるわけではありません。
そのため、 「あなただけに」「ここだけの話」などの勧誘文句になじみやすく、特に投資初心者に対して特別感を演出しやすい特徴があります。
しかし投資対象として見れば、未公開株式や私募債、上場されていない暗号資産(仮想通貨)などは、上場有価証券と比べて粗悪なものが多いと考えるべきです。
事業等の実態が全くなく、詐欺業者が投資詐欺を行うためにでっち上げただけであるものも少なくありません。これらの資産への投資を勧誘されたら、投資詐欺ではないかと真っ先に疑いましょう。
SNSを通じて投資を勧誘されたら、その時点で投資詐欺の可能性を疑うべきでしょう。
会ったこともない人に「絶対儲かる投資話」を教えるなど、普通は考えられません。SNSのメッセージなどで甘い投資話をもちかけられたら、その裏にはお金をだまし取る目的がある可能性が高いでしょう。
SNSなどで投資の勧誘を受けたら、返信せずに無視することをおすすめします。
投資詐欺と思われる勧誘を受けた場合や、実際に投資詐欺の被害に遭ってしまった場合には、警察・金融機関・弁護士などに相談しましょう。
投資を始めたばかりの方は、投資詐欺のターゲットになりやすい傾向にあります。
投資詐欺から身を守るためには、よくある投資詐欺の手口や見分け方を知っておくことや、投資に臨む際の適切な心構えを整えることが大切です。
特に、短期間で大きな利益を出したいという気持ちがあると、詐欺グループに付け込まれやすくなります。
反対に、長期間にわたってコツコツと資産を積み立てる姿勢を意識すれば、投資詐欺の被害に遭いにくくなるでしょう。
今回の記事が、投資詐欺に騙されず、健全な投資を行うための助けとなれば幸いです。
*1参考)金融庁「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」