
米国債は、米国が発行している債券です。足元のマーケット動向においては、日本国債に比べて高い利回りが期待できることから、投資家からの注目度が高まっています。実際に投資する場合は、「金利水準はどの程度か」「どのように購入するのか」「どんなリスクがあるのか」といった基本を整理しておくことが大切です。
本コラムでは、米国債の金利水準や種類、買い方、メリット、リスクまでをわかりやすく解説します。
米国債とは、米国政府(米国財務省)が発行する債券のことです。*1
期間2〜7年の中期債、10年の長期債、20年、30年の超長期債、物価変動に応じて元本が調整される物価連動債などがあります。*2
投資家は米国債を購入することで、米国政府に資金を貸し付け、その見返りとして利子を受け取ります。
米国は世界最大の経済規模を持ち、国際的な信用力も高い国です。そのため、米国債は流動性(売買のしやすさ)が高く、世界中の投資家に広く取引されています。*3
また、米国債は「安全資産」と呼ばれることがあります。
発行体が信用力の高い米国政府であることに加え、市場規模が大きく、必要なときに売却しやすいという特徴があるからです。
ただし、元本保証の商品ではない点には注意が必要です。
米国債の金利は、債券の種類や満期によって異なります。一般的に注目されるのは、長期金利の指標とされている「10年国債利回り」です。
以下は、米国と日本の10年国債利回りの推移です。
出典)三菱UFJアセットマネジメント 「投資環境ウィークリー(2026年4月20日)」P2
近年、米国の10年国債利回りは4%前後で推移しており、2026年4月17日時点の利回りは4.25%となっています。*4
一方、日本の10年国債利回りも上昇傾向にあり、近年は2%を超える水準で推移しています。2026年4月17日時点の利回りは2.42%です。しかし、米国債のほうが金利は高い水準にあります。
米国債には、大きく「利付債」と「割引債」の2種類があります。
それぞれ利子の受け取り方が異なるため、特徴を理解して自分に合ったタイプを選ぶことが大切です。
利付債とは、定期的に利子(クーポン)を受け取れる債券です。通常、半年ごとに利子が支払われ、満期時には元本が戻ってきます。*5
出典)三菱UFJモルガン・スタンレー証券 「債券投資のはじめ方」
たとえば、「額面金額1万米ドル、利率年4%、満期10年」の米国債(利付債)を購入すると、保有中は年400米ドル(1万米ドル×4%)の利子を受け取れます。そして、10年後の満期時には1万米ドルが戻ってきます(税金、手数料などは考慮外)。*3
利付債は、安定的なインカムゲイン(定期収入)を得たい人に向いているでしょう。
割引債は、利子の支払いがない代わりに額面金額より安い金額で発行され、満期時に額面金額で償還される債券です。差額が実質的な利子となります。*5
出典)三菱UFJモルガン・スタンレー証券 「債券投資のはじめ方」
たとえば、「額面金額1万米ドル、満期10年」の米国債(割引債)を7,000米ドルで購入し、満期まで保有すると、10年後に1万米ドルが戻ります。額面金額と購入金額の差額である3,000米ドルが、実質的な利子(利益)となります(税金、手数料などは考慮外)。*3
割引債は途中の利払いがなく、複利運用効果も期待できるため、長期の資産形成に向いているでしょう。
米国債は、証券会社などの取扱金融機関を通じて購入できます。口座開設をして、購入資金を入金すると注文が可能になります。
一般的な注文の流れは以下の通りです。*6
米国債への投資には、次のような魅力があります。
米国債は、日本国債と比べて金利水準が高い傾向にあります。
前述のとおり、直近では10年国債利回りが4%前後で推移しており、定期的な利子収入を重視する投資家にとっては魅力的な投資先といえるでしょう。*4
米国債は、満期まで保有すれば原則として額面金額で償還されます。利付債なら定期的に利子が支払われ、割引債なら購入金額と額面金額の差額が利益となります。
そのため、短期的な価格変動や金利動向などを過度に気にする必要がありません。*3
投資に時間や手間をかけず、安定的な運用を目指す場合、米国債への投資は選択肢の一つとなるでしょう。
一方で、米国債にはいくつかのリスクも存在します。理解したうえで投資を行うことが大切です。
米国債は米ドル建ての資産であるため、円と米ドルの為替レートの影響を受けます。
満期時に、購入時より円安であれば為替差益を得られます。しかし、円高の場合は為替差損が発生し、円換算後の受取額が減少する可能性があります。*5
たとえば、1米ドル=100円のとき、額面1万米ドル(期間1年)の米国債を購入するために必要な資金は100万円です。1年後に1米ドル=120円(円安)になった場合、20万円の為替差益が発生し、120万円を受け取れます。一方、1米ドル=80円(円高)になった場合は、20万円の為替差損が発生するため、受取額は80万円となります(利子、税金、手数料などは考慮外)。
出典)三菱UFJモルガン・スタンレー証券 「債券投資のはじめ方」
米国債を購入する際は、米ドルベースでの利回りだけでなく、為替の動きも考慮する必要があります。
米国債は、満期を迎える前に途中売却することも可能です。その場合、売却時点での市場価格で取引されます。
一般的には、発行時より金利が上昇すると債券価格は下落します。そのため、金利動向によっては外貨ベースで元本割れするかもしれません。*3
購入時より円安になっていても、債券価格の値下がりで円換算後の受取額では損失が生じる可能性もあるため注意しましょう。
債券は発行体の財政悪化や経営破たんにより、投資した元本が戻らない可能性があります。これを「債務不履行(デフォルト)リスク」といいます。*5
米国債は米国政府が発行しているため、信用度は高いといえます。とはいえ、デフォルトが発生して元本が戻らない可能性はゼロではありません。
米国債を購入するなら、米国の財政状況や政治情勢を定期的に確認する必要があるでしょう。*3
米国債は信用力の高い米国政府が発行する債券で、足元のマーケット動向においては、日本国債よりも高い利回りが期待できるのが魅力です。大きく利付債と割引債の2種類があり、取扱金融機関を通じて購入できます。
一方で、為替変動リスクや価格変動リスクなどにより、元本割れの可能性もあります。満期まで保有できる期間のものを選んだり、分散投資先の一つとして活用したりすることが重要です。運用計画に合わせて、無理のない範囲で米国債を取り入れることを検討しましょう。
本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
本コラムの内容は、特定の金融商品やサービスを推奨あるいは勧誘を目的とするものではありません。
最終的な投資判断、金融商品のご選択に際しては、お客さまご自身の判断でお取り組みをお願いいたします。
出典
*1 日本経済新聞 「米国債とは 安全資産、売買は世界最大」
*2 財務省 「債務管理リポート2025」
*3 mattoco Life 「米国債の買い方や金利動向は?投資の魅力やリスクとあわせて詳しく解説」
*4 三菱UFJアセットマネジメント 「投資環境ウィークリー(2026年4月20日)」
*5 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 「債券投資のはじめ方」
*6 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 「債券投資のはじめ方(ご注文の流れ)」
