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医療保険はなぜ必要?仕組みと加入すべき人の特徴を知り病気やケガに備えよう
医療保険はなぜ必要?仕組みと加入すべき人の特徴を知り病気やケガに備えよう

医療保険はなぜ必要?仕組みと加入すべき人の特徴を知り病気やケガに備えよう

2022/11/08・提供元:Money Canvas

就職や結婚、出産といったライフイベントを迎えると、医療保険を検討するという人も多いのではないでしょうか。

民間の医療保険は病気やケガの医療費に備えられますが、公的保険でカバーできる部分もあります。


では医療保険の必要性と切り分けは、どのように判断すればよいのでしょう。


そこで今回は、医療保険の仕組みやメリット・デメリット、加入すべき人の特徴を解説します。ぜひ、保険選びの参考にしてください。




医療保険とは

医療保険とは、加入者全員が保険料を負担して、医療費がかかった人の経済的負担を軽減するための仕組みです。

民間の保険会社が取り扱っており、加入者が支払った保険料を原資に、医療費の負担が生じた人に対して一定の給付金が支払われます。


医療保険は、商品によって保障内容が異なります。入院や手術、通院への保障のほか、三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)や先進医療などに関する特約を付けることも可能です。


また、保障内容によって保険料は変動します。医療保険に加入する際は、健康状態について告知を行い、保険会社の審査を受ける必要があります。*1


公的保険制度の内容

民間の医療保険のほかに、公的機関が運営する「公的医療保険(以下公的保険)」もあります。
日本は「国民皆保険制度」を採用しているため、国民全員が何らかの公的保険に加入しています。公的保険によって、医療費の自己負担は1〜3割となります。*1


一定の条件を満たすと「高額療養費制度」や「傷病手当金」を利用することも可能です。


高額療養費制度

高額療養費制度とは、同じ月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合に、限度額を超える分が払い戻される制度です。
限度額は収入や年齢によって変動します。


70歳未満で標準報酬月額が28~50万円の場合、医療費の自己負担限度額の計算式は「80,100円+(総医療費(10割)-267,000円)×1%」です。仮に総医療費が100万円であれば、自己負担限度額は87,430円となります。*2


高額療養費制度を利用すれば、まとまった医療費がかかっても、同じ月の出費は限度額までに抑えられます。


傷病手当金

傷病手当金とは、病気やケガで会社を休み、十分な報酬を得られない場合に支給される給付金です。
会社を3日間連続で休んだ上で、4日目以降休んだ日に対して支給されます。


支給期間は、支給開始日から通算して1年6ヵ月です。支給額は、標準報酬月額の3分の2が目安となります。*3


傷病手当金は健康保険に加入する会社員・公務員などが対象で、国民健康保険に加入する自営業者には支給されない点に注意が必要です。


医療保険の仕組みとポイント

民間の医療保険は、どのような仕組みになっているのでしょうか。ここでは、加入を検討する際に確認しておきたいポイントを紹介します。


保障期間

医療保険は、保障が一生涯続く「終身型」と保障期間が決まっている「定期型」の2つに分けられます。*4
終身型は、基本的に保険料が一生涯変わりません。一方、定期型は更新時に毎回保険料が上がります。*5
一生涯の保障を確保したい場合は終身型、「子どもが独立するまで」など一定期間の保障を確保したい場合は定期型を選択するといいでしょう。


解約返戻金の有無

解約返戻金とは、保険解約時に保険会社から契約者に支払われるお金のことです。
医療保険は、解約返戻金の有無によって「貯蓄型」と「掛け捨て型」の2つに分けられます。貯蓄型は、中途解約時や満期時に解約返戻金が支払われます。掛け捨て型は解約返戻金がなく、あっても少額です。保険料は、貯蓄型のほうが高い傾向にあります。*5
支払った保険料の一部を手元に戻したい場合は貯蓄型、保険料の負担を抑えたい場合は掛け捨て型を検討しましょう。


入院給付金の日数と日額

医療保険では、入院日数に応じて入院給付金が支払われます。保険ごとに保障日数が定められているため、長期入院になると規定の入院日数分しか給付金を受け取れません。また、入院給付金の日額も保険ごとに異なります。*4


医療費の負担を減らしたい場合は、入院給付金の保障日数を長めに、日額を高めにしておくと安心です。ただし、保障を手厚くするほど保険料も高くなる点に注意しましょう。


特約

多くの医療保険では、主契約に特約を付加することが可能です。
「三大疾病特約」「入院一時金特約」「先進医療特約」など、さまざまな種類があります。*5


特約を付加した場合、所定の状態になると一時金の支給や給付金の上乗せなどを受けられます。ただし、特約を付加すると保険料も高くなるので、保障内容と保険料負担のバランスを検討することが大切です。


医療保険のメリット

医療保険に加入するメリットは以下の通りです。


入院や手術などの医療費に備えられる

医療保険は、入院や手術などでかかる医療費に備えられます。
病気やケガで働けなくなると、収入が下がる上に、医療費の負担が生じます。
医療保険に加入すれば給付金が支払われるため、経済的負担の軽減が期待できるでしょう。


公的保険ではカバーできない出費に備えられる

医療保険は、公的保険ではカバーできない出費に備えられるのもメリットです。
公的保険によって医療費の負担は1〜3割に抑えられ、一定の要件を満たせば高額療養費制度や傷病手当金も利用できます。ただし、公的保険だけでは、入院や通院が長期化した場合に医療費の負担が大きくなる可能性があります。
医療保険に加入することによって、公的保険だけでは不足する保障を確保できます。


医療保険のデメリット

一方で、医療保険には以下のようなデメリットもあります。


保険料がかかる

医療保険は、保障内容に応じた保険料がかかります。
保険料の金額によっては、家計を圧迫するかもしれません。医療保険に加入するなら、保険料は無理なく払える金額に抑えましょう。


途中で保障内容が合わなくなる可能性がある

医療保険は出産や住宅購入、子どもの独立といったライフスタイルの変化により、途中で保障内容が合わなくなるかもしれません。
その場合、別の商品に乗り換えることも可能です。ただし、健康状態によっては新しい保険に加入できない可能性もあります。


医療保険に加入すべき人の特徴

医療保険は、どのような場合に検討すればよいのでしょうか。ここでは、医療保険に加入すべき人の特徴を紹介します。


貯蓄が少ない人

貯蓄が少なく、病気やケガの医療費を支払うのが難しい人は、医療保険の必要性が高いといえます。
医療保険に加入しておけば、万が一まとまった医療費がかかっても給付金でカバーできます。まとまった貯蓄ができるまでは、医療保険で一定の保障を確保しておくと安心です。


家計を支えている人

家計を支えている人が病気やケガで働けなくなると、家計に大きな負担を与えます。
医療費の負担だけでなく、収入も減少するため、医療保険の必要性は高いでしょう。収入や貯蓄額などを考慮して、入院給付金の日数や日額、特約などを検討することが大切です。


自営業者やフリーランスの人

国民健康保険に加入する自営業者やフリーランスは、会社員に比べて公的保険の保障内容が手薄です。
高額療養費制度は利用できますが、傷病手当金は支給されません。そのため、医療保険で長期間働けなくなった場合に備えておくと安心です。


医療保険の必要性について別コラムで解説しています。
現役保険会社社員が語る医療保険の必要性


まとめ

医療保険は、病気やケガの医療費を保障してくれる民間の保険です。公的保険でカバーできる部分もあるため、必要性を見極める必要があります。
仕組みやメリット・デメリットを理解した上で、医療保険への加入を検討しましょう。




*1出所)三菱UFJ銀行「医療保険とは?仕組みと必要性をわかりやすく解説していきます(医療保険とは)」

*2出所)全国健康保険協会(協会けんぽ)「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」

*3出所)全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」

*4出所)三菱UFJ銀行「無駄なく賢く! 20代の医療保険選び、そのポイントは?(医療保険の選び方ポイント)」

*5出所)三菱UFJ銀行「医療保険とは?仕組みと必要性をわかりやすく解説していきます(医療保険の種類を押さえよう)」

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