back icon
当座預金とは?普通預金との違いや口座開設のメリットをわかりやすく解説
当座預金とは?普通預金との違いや口座開設のメリットをわかりやすく解説

当座預金とは?普通預金との違いや口座開設のメリットをわかりやすく解説

2024/09/11に公開
提供元:マネフィット

金融機関の預金口座には種類があり、普通預金のほかに当座預金という区分も存在します。
当座預金は普通預金と異なる特徴を持つ、おもに事業用の支払いで使用する口座です。

本記事では、当座預金と普通預金との違いや、口座開設するメリット・デメリットを解説します。当座預金の特徴を知りたい方は参考にしてください。


当座預金は事業用の支払いに使う口座

当座預金とは、主に手形や小切手の決済用に企業や個人事業主が使用する預金です。
普通預金とは性質の異なる事業用の口座です。

当座預金は事業用決済に適しており、普通預金とくらべると不便な点も存在します。

事業で使う予定がない方は開設する必要があまりないとされる口座ですが、大きな金額を預けたり、決済したりするために事業用口座が必要な場合は、開設を検討しましょう。


当座預金と普通預金の違いをわかりやすく解説

1

当座預金と普通預金の違いは以下のとおりです。

  • 普通預金の口座では手形や小切手の支払いができない
  • 普通預金が預金保護制度で保護される金額は1,000万円まで(無利息型を除く)
  • 普通預金には利息が付くが、当座預金には付かない
  • 当座預金より普通預金のほうが入出金を容易にできる
  • 普通預金からの引出し・振込みの金額には限度額がある
  • 当座預金には口座開設時に審査があるが、普通預金にはない
  • 当座預金と普通預金とでは発生する手数料が異なる

以下でくわしく解説します。


普通預金の口座では手形や小切手の支払いができない

手形や小切手で支払いを行いたい場合、当座預金の口座開設が必須です。
普通預金の口座では、手形や小切手の支払いに利用できないため注意しましょう。

代金の支払いに手形や小切手を使うならば、当座預金の口座を開設したうえで、当座勘定契約を結びましょう。


普通預金が預金保護制度で保護される金額は1,000万円まで(無利息型を除く)

お金を預けていた金融機関が破たんした場合、預金保護制度で定められた範囲までの金額は保護されます。

当座預金に預けていたお金は全額保護されますが、利息の付く普通預金に預けていたお金は無利息型普通預金を除いて、全額保護されません。

普通預金で保護される範囲は預金者1人あたり1金融機関で元本1,000万円までに加え、破たんした日までの利息等です。

元本1,000万円を超えた部分は保護されず、破たんした金融機関の状況次第では戻ってこない可能性もあります。


普通預金には利息が付くが、当座預金には付かない

銀行ごとに利率は異なりますが、普通預金には利息が付きます。
お金を預入れる銀行を選ぶ際、金利に注目する人も多いのではないでしょうか。

しかし、当座預金は臨時金利調整法で利息が禁じられているため、いくらお金を預けても利息は付きません。貯蓄目的で使う口座には不向きです。


当座預金より普通預金のほうが入出金を容易にできる

普通預金で預けたお金は、銀行の窓口だけでなくATMでも入出金できます。
キャッシュカードと暗証番号さえあれば、ATMからの入出金も簡単に行えます。

一方、当座預金への入出金は、普通預金とくらべて手間がかかります。

入金時は基本的に口座を開設した店舗の窓口で手続きし、出金時は原則、手形・小切手の払戻や払戻請求書を使用します。
手軽さの面では、個人のお金を預けるには向いていないでしょう。


普通預金からの引出し・振込みの金額には限度額がある

普通預金はATMからでも簡単にお金を引出せますが、ATMでの1日の引出し金額や振込み金額には限度額が設定されています。
1日の限度額を超えてお金を引出すには、日をあらためる必要があります。

当座預金はATMからの出金はできませんが、1日の出金額に制限もありません。
金額の大きな事業用の取引きにおいても、限度額を気にせず利用できます。


当座預金には口座開設時に審査があるが、普通預金にはない

当座預金は口座を開設する際に審査があり、審査に通らないと口座を開設できません。
一方、一般的な個人向け普通預金の口座は、金融機関の定める取引規定をクリアし、本人確認書類等を提示すれば審査なしで口座開設が可能です。
最短当日で開設できる場合もあり、審査の有無に加えて口座開設までにかかる時間にも違いがあるといえるでしょう。


当座預金と普通預金とでは発生する手数料が異なる

当座預金と普通預金とでは、発生する手数料の内容や金額にも異なる点があります。

当座預金を使う際は、口座開設手数料や小切手発行手数料、代金取立手数料(小切手を現金化する際に発生する手数料)が発生する可能性があります。

普通預金で発生する手数料は、預入・引出や振り込み時に発生する利用手数料です。
また、普通預金では所定の時間内や回数まで、ATM利用手数料や同行宛て振込の際に手数料が無料になる金融機関も存在します。


当座預金のメリット

2

当座預金には、事業用の取引きに適したメリットが存在します。

  • 小切手や手形で取引きできるようになる
  • 金融機関の破たん時に預入れた全額が保証される
  • 1日の出金額に限度がない

以下でくわしく解説します。


小切手や手形で取引きできるようになる

当座預金の口座を開設すれば、小切手や手形での支払いが可能です。

取引相手との契約や支払いの際、現金を持ち歩く必要がなくなります。
大きな金額の支払いも、小切手や手形を使えば商談の場ですぐに対応できます。


金融機関の破たん時に預入れた全額が保証される

もしもお金を預けていた金融機関が破たんした場合、普通預金では1,000万円までしか保護されません。
破たんした金融機関の状況次第では、預けていたお金を全額取り戻せない可能性もあります。

しかし、当座預金は預けている全額が預金保護制度の保護対象です。
預けていた金融機関が破たんしても、大切な事業資金を失わずに済みます。


1日の出金額に限度がない

当座預金は小切手や手形の支払い等にも使われる性質があるため、普通預金に設定されているような1日の出金限度額がありません。

ただし、当座預金の口座残高が不足していると小切手や手形の決済ができず、不渡りが発生します。
不渡りとは、所定期日までに小切手や手形を現金化できないことです。

小切手や手形の不渡りが発生すると、取引相手からの信用を失います。
資金繰りに問題があると判断され、今後の取引に影響を与える要因です。

なお、金融機関と当座借越の契約を結んでいれば、所定の範囲までは不足した残高分を金融機関が立替えてくれるため、不渡りの心配はありません。


当座預金のデメリット

事業用の決済に適したメリットのある当座預金ですが、デメリットも存在します。

  • 手軽に入出金できない
  • 口座開設時に審査がある
  • 利息が付かない

以上のデメリットから、普段使うお金の出し入れや貯蓄目的には向いていない口座といえます。


手軽に入出金できない

当座預金は事業用の決済目的で使う口座であるため、普通預金とは違ってATMから手軽に入出金できないというデメリットもあります。

自分が使う目的で現金を引出したいときでも小切手で払い出す必要が出てくるなど、普通預金とくらべると手間がかかってしまうでしょう。

こまめに少額を出し入れする際は、普通預金を利用しましょう。


口座開設時に審査がある

当座預金は口座開設時に審査があり、すぐに開設できるわけではありません。

事業の決済で使う予定がないなら、個人が開設する必要性はあまりないかもしれません。


利息が付かない

当座預金の口座へ預けるお金には、利息が付きません。
臨時金利調整法で利息を付けてはならないと決まっているためです。

そのため、当座預金の口座は貯蓄目的で使うには向いていません。


資産形成を考えるなら、金銭信託のマネフィットがおすすめ

資産形成を考えるなら、普通預金・定期預金よりも金銭信託がおすすめです。

三菱UFJ信託銀行では、金銭信託サービス「マネフィット」を運営しています。
アカウント登録から商品申込まで手続きはすべてスマートフォンで完結するため、手軽に始められます※。

マネフィットでは、三菱UFJ信託銀行がお客さまからお預かりしたお金をプロが管理・運用し、得た収益を配当として還元します。

実績配当型信託商品であるため元本保証はされませんが、安全性に配慮した金銭信託で、事前に予定配当率が表示され、定期預金よりも高い金利を期待できる点が特徴です。
株式や投資信託のような日々の値動きがなく、為替変動の影響も受けないため、安全に運用できます。

また、預入期間があらかじめ決まっていることから資産形成の計画を立てやすく、投資の経験がある方はもちろん、今から資産形成を考える方にもおすすめの金融商品です。

公式サイトでは、現在募集中の金融商品一覧を公開しています。
アカウント登録なしで閲覧できるので、資産形成を考えている方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

マネフィットについてくわしくはこちら

※預金ではありません。元本および利益の保証はなく、預金保険および投資者保護基金の対象ではありません。


まとめ

当座預金は事業用の支払いに使われる口座で、普通預金とは異なる点が多く存在します。
小切手や手形の支払いに必要となり、事業用の決済に適したメリットを持つのが当座預金です。

その反面、利息は付かず、普通預金と比較すると入出金や口座開設の手軽さがないため、貯蓄や普段使うお金の管理には向きません。

本記事を参考に当座預金の特徴を知った上で、必要に応じて開設するようにしましょう。


新井 智美
あらい ともみ

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用等、上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。
現在年間300本以上の執筆および監修をこなしており、これまでの執筆および監修実績 は2,500本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
HP:https://marron-financial.com/

関連コラム
もっとみる >
Loading...
scroll-back-btn