新型コロナウイルスの影響は私たちの暮らしを大きく変えました。
仕事を退職したり、あるいは休職せざるを得なくなった方がいらっしゃるかもしれません。
そのような方のために様々な支援策が用意されているのですが、その内容は意外と知られてないのが実情です。
また、新型コロナウイルスによる影響でなくても、給付などを受けることができる支援策もあります。
そこで今回は、いざという時に役立つ支援制度や、給付金についてご紹介します。
新型コロナウイルスの影響にのみ限った支援策は、縮小傾向にあります。
しかし、全てが終了したわけではありません。
そこでここでは、代表的な2つの支援策について解説します。
新型コロナウイルス感染症の影響により休業を余儀なくされた労働者のうち、休業手当の支払いを受けることができなかった方が給付の対象となる制度です。
例えば、下記のような場合が対象です。
中小企業に勤めているか、大企業に勤めているのかで若干の差はあるものの、対象となる休業期間や給付金額の計算方法は同じです。
対象となる休業期間は、令和4年7月1日から令和5年3月31日までです。
申請期限もあるため、対象となる方はできるだけ早めに申請をしましょう。
申請期限は下記のとおりです。
引用)厚生労働省「労働者・事業主の皆さまへ 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」のご案内」p3.5
対象者は勤め先の企業規模によって多少異なりますが、正社員だけでなくアルバイトやパートタイマーなどの、日々雇用・シフト制の方でも対象になる場合があります。
「労働条件通知書に具体的な勤務日の記載がある」「申請対象月のシフト表が出ている」「6か月以上の間、原則として月4日以上の勤務」などの場合は、対象になるかもしれません。
(3)給付金額 *3
1日当たりの給付額8,355円(令和4年7月分は8,265円)を上限に、給付金を受け取ることができます。
下記が給付金の計算方法です。
申請開始日は、休業した期間の翌月初日からとなります。11月に休業した場合、申請開始は12月1日以降の申請となるため、申請時には注意してください。
期限内に申請できなかった場合は、例え休業の事実があっても給付を受けることは出来ません。
なお申請方法は下記リンクから確認することができます。
厚生労働省HP特設サイト小学校等の臨時休業等に伴い、子どもの世話を行うために、契約した仕事ができなくなった個人で仕事をする保護者へ支援金を支給する制度です。
あくまで個人への支援策にはなりますが、経済的打撃を緩和することができるでしょう。
(1)対象となる期間と申請期限
対象となる期間は、令和4年10月1日から令和5年3月31日までです。
申請期限もあるため、対象となる方はできるだけ早めに申請をしましょう。
申請期限は下記のとおりです。
1日あたり4,177円を定額で受け取ることができます。
小学校に通う子どもの世話をする以外の理由で、仕事が出来なくなった場合は対象にならないため、注意が必要です。
また、申請方法については下記リンクをご確認ください。
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)
ここでは、新型コロナウイルスの影響に関係なく、支援を受けることができる制度を紹介します。
一定の条件を満たした場合に、市区町村が求める額を上限に家賃を原則3ヶ月支給してもらえる制度です。
延長は2回まで行うことができ、最大9か月間支給されます。
対象者は下記4つのいずれにも該当する方に限ります。
要件は以下の通りと定められています。
(2)支給額
支給額はお住まいの市区町村や世帯の人数によって異なります。
例えば、世帯収入額が基準額以下の場合は、住宅扶助額を上限に家賃額が支給されます。
引用)厚生労働省「生活支援特設ホームページ 住居確保給付金 支給額について ○世帯収入額が基準額以下の場合」
世帯収入額が基準額を超える場合は、住宅扶助額を上限に、基準額と家賃を足した金額に世帯収入を引いた額が支給されます。
但し、令和2年7月以降は新たな算定方法で支給されるようになりました。
引用)厚生労働省「生活支援特設ホームページ 住居確保給付金 支給額について ○世帯収入額が基準額を超える場合」
また東京都特別区の場合の上限支給額は、世帯人数が1人で月額53,700円、2人で64,000円、3人で69,800円です。
ただし、支給された給付金は賃貸住宅の賃貸人や、不動産媒介業者に直接振り込まれます。個人に直接支給されるわけではないので、注意してください。
なお、住居確保給付金の申請や相談は、最寄りの自立相談支援機関で受け付けています。
下記リンクでは、市区町村ごとの相談機関や、上限支給額が検索できるので、ぜひ確認してみてください。
厚生労働省 生活支援特設ホームページ 住居確保給付金 申請・相談窓口求職者支援制度は、再就職、転職、スキルアップを目指す方が月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講できる制度です。
訓練開始前から、訓練期間中、訓練終了後まで、ハローワークが求職活動をサポートしてくれます。
離職して雇用保険を受給できない方、収入が一定額以下の在職者の方などが、給付金を受給しながら訓練を受講できる、大変便利な制度です。
給付金の支給要件を満たさない場合であっても、無料の職業訓練を受講できます。
「就職活動がなかなか上手くいかない」
「生計を立てるためにアルバイト三昧で、就職活動ができない」
「手に職をつけたい」
という方は、ぜひ利用してみてください。
対象者は、離職者と在職者で異なります。
要件は下記のとおりです。
■離職者
■在職者
一定額以下の収入のパートタイムで働きながら、正社員への転職や社内で正社員転換を目指す方など
本制度は、職業訓練を受けることを前提としています。
そのため、訓練受講の要件と、給付金支給の要件と大きく2つの要件があります。
各要件は下記のとおりです。
■訓練受講の要件
■給付金の支給要件
(*)の要件は、令和5年3月31日までの特例措置です。
ハローワークでの職業訓練は、ビジネスの基礎からWEBアプリの開発、医療事務や介護実務研修など、様々な種類があります。
引用)厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「再就職、転職、スキルアップを目指す皆さまへ 求職者支援制度のご案内」p2
訓練期間は2ヶ月〜6ヶ月程度ですが、令和5年3月末までの特例として、シフト制の在職者などを対象とするコースは2週間から用意されているものもあります。
また、上記訓練のほかに最長2年の、訓練期間がより長い公共職業訓練もあるなど、目指す方向性に合わせて訓練内容を選べるのもメリットの一つです。
求職者支援制度の申し込みは、ハローワークで常時受け付けています。
まずは、お住まいの地域を管轄するハローワークで相談してみてください。
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新型コロナウイルス関係の支援策は、縮小傾向にあります。
とはいえ、制度自体は残っていることが多いので、継続して支援を受けられることもあるでしょう。
もしかしたら、「支援の対象だったのに、知らないうちに期限が切れて支援を受けることが出来なかった」ということもあるかもしれません。
本稿が、そのような状況を回避するための参考となりましたら幸いです。
本稿執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
出所)
*1-3 厚生労働省「労働者・事業主の皆さまへ 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」のご案内」
*4 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)について」
*5 厚生労働省「生活支援特設ホームページ 住居確保給付金」
*6 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
*7 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「再就職、転職、スキルアップを目指す皆さまへ 求職者支援制度のご案内」