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投資信託はどう選ぶ?選び方のポイント
投資信託はどう選ぶ?選び方のポイント

投資信託はどう選ぶ?選び方のポイント

2021/05/12・提供元:アップユー

投資では、利益をあげることもあれば、損失を出すこともあるもの。投資初心者にぴったりと言われる「投資信託」も、残念ながら"確実に"これから上がるという商品はありません。その一方で商品を選ぶときのポイントを押さえるなど、利益をあげるためのアクションは可能なはず。
この記事では、投資信託を選ぶときの3つのポイントを解説します。



投資信託を選ぶ時のポイントとは?

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(画像提供:Choat/stock.adobe.com)

投資信託とは、個人の投資家から集めたお金を大きな資金としてまとめ、運用の専門家が国内外の株式や債券に投資する商品のことです。運用を投資のプロ(運用会社)に任せられることから、投資初心者も取り組みやすいのが魅力です。


とはいえ「どの投資信託を購入するか」は、個人投資家自身が決める必要があります。投資信託を選ぶとき、はじめに意識したいポイントは次の3つです。


  • コスト
  • 投資対象
  • 運用実績、運用方針、運用の中身

この記事では、これらのポイントをわかりやすく解説していきます。


ポイント1. コストはできるだけ抑えて

投資信託では、運用を専門家に一任することから一般的に手数料がかかります。そのほか、利益が出た場合の税金も、投資にかかるコストとして把握しておかなければなりません。


それぞれコストの種類と、コストを抑えるための工夫をまとめました。


購入時手数料

投資信託の運用コストには、おもに「購入時手数料」と「信託報酬」があります。


購入時手数料は、購入時に販売会社に支払うものです。申込価額の数%といった形で設定されています。ファンドや販売会社によって、購入時手数料がない「ノーロード」と呼ばれる商品があります。しっかりコストを抑えたいときは、ノーロードの商品を選ぶのも1つの方法です。


信託報酬

信託報酬は「運営管理費用」とも呼ばれ、投資信託を保有している間は継続的に支払う費用です。年率でいくら支払うのかが、目論見書等に記載されています。信託報酬は継続的に発生することから、初めて投資するときは、できるだけ信託報酬の低い商品を選びましょう。


税金というコスト

投資信託で得られる利益は「分配金」と「譲渡益」の2つで、それぞれに約20%の税金がかかります。これもひとつのコストと言えるでしょう。せっかく利益が出ても、税金で利益が目減りしてしまうのは残念です。税金は意外と大きな負担になるため、「つみたてNISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」といった税制優遇制度を積極的に活用しましょう。


このように1つ目のポイントとしては、かかるコストをできるだけ抑えられる商品や制度を利用することが大切です。


ポイント2. 投資対象を見極めよう

投資信託の投資対象は「債券」や「株式」「REIT(リート)」などさまざまで、商品によって異なります。自分の投資の目的やリスク許容度、期待するリターンに応じて投資対象を決め投資信託を選ぶことが大切です。


では、どのような視点で投資対象を見極めればいいのでしょうか。ここでは、有名な3つの視点「虫の目」「鳥の目」「魚の目」を用いて紹介しましょう。


  • 虫の目:多角的でミクロな視点
  • 鳥の目:俯瞰するマクロな視点
  • 魚の目:流れの変化を読む視点

「虫の目」とは

虫のように、近づいて細部を見つめること(いわゆるミクロ視点)を「虫の目」と言います。


投資にあてはめるとき、市場の最前線や現場レベルではどんなことが起きているのか、細部まで目を行き渡らせると同時に、さまざまな角度から物ごとを見つめることが虫の目と言えるでしょう。


投資信託の商品を選ぶときは、最新のニュースで関連する業績動向やカントリーリスクを調べるとともに、複数の情報を参考にしましょう。


「鳥の目」とは

物ごとを近くで見ることは大切ですが、全体を俯瞰してマクロな視点から見る「鳥の目」も忘れてはいけません。


これは「世界の中のトレンド」「大きな技術トレンド」「各国の財政状況や政策」など、一歩引いて業界や世界を俯瞰し"何が起きているのか"大局を見ることです。


たとえば現在、5GやIoT、EVといった技術トレンドが生まれています。これに加え、新型コロナウイルスの影響を踏まえて、非接触のコミュニケーションやサービスはさらに伸びていくと予測できる、といった具合です。

このように、俯瞰的に世の中を見渡し、商品選びに活かしていくことが大切です。


「魚の目」とは

そして、最後の「魚の目」で大きな"流れ"を読み取ります。投資においては「相場のパターン」を見て、さらにその先の流れを読むことと言えるでしょう。


こういった流れを読むことは「テクニカル分析」とも呼ばれ、株価の動向から買い時や売り時を知るときなどにも用いられます。投資信託では、株価指数などのベンチマークに目を向け、流れを感じる経験を積みましょう。

このような幅広い視点をもって、投資対象や投資先を見極めることが大切です。


ポイント3. 運用の中身をチェック!

投資信託の"運用"はプロの投資家が行いますが、投資信託の商品を選ぶ上で運用について知ることはとても大切です。主に「運用実績」や「運用方針」「運用の中身」を調べましょう。


ファンドマネージャーの運用方針と中身の整合性

まず、ファンドマネージャーの運用方針と運用の中身に整合性があるかどうかを確認します。ファンドマネージャーとは、投資信託を運用する専門家のことです。


運用方針や運用の中身は、投資信託の「目論見書(もくろみしょ)」でチェックしましょう。投資信託には投資対象となる資産によって次のようなタイプがあり、その投資対象の性質によってリスクとリターンの大きさが異なります。


↑ローリスク・ローリターン

  • 国内債券型
  • 外国債券型
  • 国内株式型
  • 外国株式型
↓ハイリスク・ハイリターン

※一般的なイメージであり、すべての商品に当てはまるわけではありません。


おもな運用方針として、指数との連動を目指す「インデックス型(パッシブ型)」と、指数を上回る運用成果を目指す「アクティブ型」があります。


たとえば、インデックス型の運用方針にもかかわらず、ハイリスク・ハイリターンの投資対象を選んでいないかなど運用方針と投資対象をチェックし整合性がとれているかを確認しましょう。


過去の運用実績

投資信託を選ぶときは、過去の運用実績を知ることも大切です。単純に実績がプラスだったか、マイナスだったかという点だけでなく、ベンチマークと比較してチェックしましょう。ベンチマークは投資信託の目論見書に書かれています。


運用レポートに目を通すことも大事

投資信託を購入するときは、目論見書だけでなく「運用レポート」にも目を通しましょう。運用レポートには、次のような情報が記載されています。


  • 基準価格の推移
  • 運用成績
  • 累積リターン
  • ベンチマークとの比較
  • 組み入れ上位銘柄や業種
  • コメント

これらをチェックするときは、類似する商品の運用レポートと比較してみるのも面白いでしょう。

このように投資信託の運用の中身をチェックして、納得した商品を選ぶことが大切です。


投資信託選びのポイントまとめ

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(画像提供:taa22/stock.adobe.com)
ここまでの内容をおさらいしましょう。投資信託を選ぶ上で大切なポイントは「コスト」「投資対象」「運用実績、運用方針と運用の中身」の3つです。これらのポイントを踏まえて、投資信託を選ぶときのコツをまとめました。


コストコントロールを意識する

運用効率を高めるためには、投資信託のコストにしっかり注目しましょう。最初は購入時手数料のない「ノーロード」の商品を検討するとともに、信託報酬はできるだけ低い商品を選ぶと安心です。税金を減らすため、税制優遇制度も積極的に活用してみてください。


投資信託の商品だけを見ていても、上がるどうかはわからない

投資対象を選ぶために、さまざまな角度から予測する目を養いましょう。視野を広げるためには、ミクロ、マクロ両方の視点から世の中のトレンドや情報にアンテナを張って流れをつかむことが大切です。


お金を託す投資信託の方針に共感できるか

投資信託の内容や詳細な情報を知るには目論見書が適していますが、新しい情報を得るには運用レポートが適しています。どちらもチェックすることで、バランスよく情報収集ができるでしょう。


投資信託を探すのは楽しい!

投資の醍醐味は、自分が収集した情報を組み立てて分析し、上がる商品を予測することにもあります。仮説を立てて未来予測をし、実際の値動きをウォッチしていく中で、自分なりの見極めポイントを見出せるようになるでしょう。


水瀬 理子
みずせ・りこ

ファイナンシャル・プランナー

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途HP等でご確認ください 。

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