子どもが親戚や知人から受け取ったお年玉・お祝い金、児童手当など、どのように管理していますか?
子ども名義の銀行口座にとりあえずためている、という方が多いのではないでしょうか。
「子どものお金として、家計と分けてためたいけれど、金利の低い銀行に子どものお金を眠らせておいていいのかな?」
「子どもの名義で資産運用ってできるの?」
そんな不安や疑問を持つ方へ、未成年でも投資ができる「未成年口座」について説明します。
「未成年口座」は親権者が主体となり、子どもの代わりに資産運用ができる証券口座です。
子どもの未来のためにできる選択肢の一つとして、ぜひ参考にしてください。
未成年口座は0歳~17歳の未成年かつ未婚の方を対象とした証券総合口座です。
未成年でもお金の入出金ができる銀行口座とは異なり、原則親権者が取引の主体となり、資産運用・管理を行います。
そのため、子どもが0歳のときから口座開設が可能です。
一般的に、未成年口座で取引できる商品は、金融機関によって異なりますが、国内外の株式・投資信託・債券などに限られています。
未成年口座は、各証券会社の店舗やインターネットから口座開設の申し込みが可能です。
必要な書類の例をご紹介します。
※各証券会社によって提出書類は異なるため、事前に提出先の証券会社あてにご確認ください。
親権者の口座が必要な証券会社が多いため、利用する証券会社に親権者の口座を作っておくことも必要です。
未成年口座を活用することのメリットをご紹介します。
未成年口座を利用することで、子どもがもらったお年玉やお祝い金など、「子どものお金」として運用できます。
また、家計と分けることによって、資金の目的を明確に管理することが可能です。
仮に0歳からつみたて投資を始める場合、成人になるまで、18年の運用が可能です。
時間をかけて運用することで、利益を元本に組み込み資産を成長させる、複利の効果を長く享受できます。
資産形成は短期間で利益を狙うのではなく、長期的に取り組むことが大切です。
2022年4月から高校での金融教育がスタートしました。
金融リテラシーとは、経済的に自立し、より良い生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力のことです。
金融庁の掲げる最低限身に付けるべき金融リテラシーのなかに「金融経済の基礎知識と、金融商品を選ぶスキル」があります。
お子さんがある程度大きくなったら、未成年口座について認識させ、一緒に管理することが大切です。
これにより、早いうちから自分のお金を「ためる」「増やす」経験をさせることができます。
また、金融商品の特性やリスク、世界の経済社会情勢などの知識を学ぶきっかけにもなります。*1
未成年口座にはいくつか注意点もあります。
投資である以上、預貯金とは異なり元本割れの可能性があります。
投資金額は無理のない範囲で、預貯金や保険などと組み合わせて利用するのが良いでしょう。
2023年に廃止となったジュニアNISAとは違い、未成年口座は課税口座です。
そのため投資信託や株式の売却益には20.315%の税金が発生します。
ただし、源泉徴収ありの特定口座を開設すれば、証券会社がかわりに納税するので、確定申告の必要はありません。
子どもが成人になると、お金の管理はすべて子ども自身が行うことになります。
つまり、親が代わりに運用商品の売買や資金の引き出しをすることはできなくなります。
一般的に成人を迎えると、成人用の総合口座へ切り替わりますが、手続きは証券会社によって異なるため、事前に確認してください。
成人後も資産運用を続ける場合、子どもと口座の管理方法について話し合いをしましょう。
未成年口座の口座開設方法や、活用することのメリットと注意点について説明しました。
子どものお金を預金に眠らせておくだけでは、インフレに対応できず、お金を使うときに価値が目減りしている可能性があります。
未成年口座を利用してお年玉やお祝い金を少しずつ運用していくことで、自己啓発や趣味に充てる資金など将来子どもが夢や目標に向かうための選択肢を多く持つことができるかもしれません。
子どもの未来をまもるため、今から資産運用を始めてみませんか?
本コラムは執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
最終的な投資判断、金融商品のご選択に際しては、お客様自身の判断でお取り組みをお願いいたします。
出典
*1政府広報オンライン「『金融リテラシー』って何?最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力」