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オリンピックやFIFAワールドカップ スポーツイベントはどれくらいの投資効果がある?
オリンピックやFIFAワールドカップ スポーツイベントはどれくらいの投資効果がある?

オリンピックやFIFAワールドカップ スポーツイベントはどれくらいの投資効果がある?

22時間前に公開
提供元:清水沙矢香

オリンピックやワールドカップ、WBCなどの国際的なスポーツイベントの裏では大きなお金が動いています。
国や自治体、様々な企業が関わり、人が集まることで大きな利益を得るわけですので、関係する企業に投資すれば株価の大幅な値上がりも期待されます。

ここでは、最近の国際大会がどれほどの経済効果を得てきたか、個人としてはどのくらいの投資効果があるのかなどをご紹介していきます。



ミラノ五輪では1兆円の経済効果

現地時間2026年2月6日に開会したミラノ・コルティナ冬季五輪では、総額53億ユーロ(63億ドル、約9,670億円)に達する見込みです。*1
大会に先立って政府が投資したのは、交通の不便な北イタリア全域に41億ドルです。大きなリターンを得た大会だったといえるでしょう。

伝統ある既存の施設をアップグレードや仮設構造物で運営するという手法が光ったともいえます。鉄道施設の改善も実現しました。

もちろん五輪のような巨大イベントでは、チケット代をはじめグッズの売り上げ、周辺あるいは国内の観光、建設物の利用、放映権といった収入が発生します。一方で建設業者への支払い、人件費などが発生しますが、ほとんどのケースで、やはり利益の方が大きくなるものです。


W杯、WBCは?

そして2026年のサッカーFIFA男子ワールドカップ(W杯)については、アメリカに6.9兆円の経済効果、さらには29万人の雇用をもたらすとの推計をFIFAが発表しています。*2

さらに先日閉幕したWBCについては、日本代表が再び優勝すればという仮定のもと、国内の経済効果が約931億6,783万円にのぼるとの試算も公表されていました。*3
なお、優勝した2023年の大会前の試算は約596億4,847万円でしたが、今回は米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手、山本由伸選手など「日本の多くの一流選手が出場することで、ファンの関心が非常に高まっている」と分析されています。


スポーツ国際大会と私たちの経済的関係は?

とはいえ、わたしたち個人では直接スポンサーになるわけにもいきませんし、大会そのものが株式化されているわけでもありません。

ただ、間接的に投資をすることはできます。「関連銘柄」に目をつけることです。
特に今年はミラノ五輪、W杯、WBCと3大スポーツイベントが重なる年です。

影響を受けそうな銘柄を挙げていきましょう。


1)旅行業界

海外でのイベントは、旅行会社にとって特需といえます。
例えば近畿日本ツーリストを傘下に持つKNT-CTホールディングスは、日本オリンピック委員会(JOC)とTEAM JAPAN公式代理店契約を結んでいます。*4
業界全体が盛り上がる傾向にあると言えるでしょう。


2)スポーツ用品メーカー

スポーツイベントで必ず取り上げられるのがスポーツ用品メーカーです。
好きな選手と同じメーカーの道具が欲しくなったり、競技を見て自分も始めてみようといった心理がはたらくのでしょう。
例えばミズノは、フィギュアスケート日本代表着用のオフィシャルウェアの製作を手掛けています。
業績は好調で、2026年3月期中間決算では、中間期としては過去最高益を達成しています。

アシックスは、ミラノ五輪ではTEAM JAPANが着用するオフィシャルスポーツウェア、シューズ、バッグなどを作製しています。一般向けにもライセンス商品を販売しています。*5*6


3)ゼネコン

これは国内でのイベント開催時がメインの話になりますが、大スポーツイベントにあたっては、競技施設に加え、選手村など周辺の建設物も必要になります。これらを請け負うゼネコンにとっては特需になります。


4)選手とのスポンサー契約

また、有名選手とのアンバサダー契約や広告出演も、印象に残りやすいイベントです。
例えば大谷翔平選手で考えてみましょう。*7

寝具メーカー大手の西川株式会社は、同社の製品「エアー」を実際に大谷選手が愛用していたこともあり2017年から契約を結んでいます。その効果もあるのでしょう、エアーの2025年の売り上げは2017年の契約時から2倍近くに増えています。また、客層も中高年層が中心だったものから若者が増えている、ということです。

他には「お〜いお茶」の伊藤園です。大谷選手をラベルに起用して以降「お〜いお茶」の緑茶飲料でのマインドシェア(認知度)が上昇したといいます。
米国内でも順次販売を開始したところ、米国事業は2025年5月から2026年1月までで28%の増収、46%の営業増益と好調です。

またファミリーマートが取り組んだ「おむすび二刀流、解禁。」キャンペーンでは、おむすびの店舗当たり売上は前年比120%超、2025年の事業利益を18%押し上げました。

大谷選手との契約には1社あたり10億円以上が相場と言われていますが、それを補ってあまりある利益を出したのです。


5)その他

他にもスポーツイベントで経済効果を得られる企業は色々と考えられます。

例えばパブリックビューイングを実施する飲食店、関連する大企業に部品や素材を提供するサプライチェーン企業、大量のアルバイトを確保しなければならない人材派遣企業など、波及する範囲は多岐にわたるでしょう。


関連銘柄への投資も一つの考え方!

ここまで、スポーツイベントがもたらす企業業績への影響をご紹介してきました。企業の業績が上がれば、一般的には株価も上昇しますので、関連銘柄への投資も一つの選択肢になるでしょう。

また、もうひとつスポーツの国際大会で注目したいのは「レガシー効果」と呼ばれるものです。例えばそのために建てた建設物が残り、観光名所になれば、観光資源として残り続けます。
もちろんその後の運用次第ということになりますが、スポーツ大会の経済効果はその後も続く可能性があります。
東京五輪では選手村を住宅に改築し「晴海フラッグ」が建設されました。大手不動産にとっては大きな商機になり、今は競争倍率の高い投資用物件となっています。*8

国際的スポーツイベントが決定したら、そこからどんな銘柄が関係していそうか想像力を働かせ、それらの銘柄が開催のどれくらい前から動き始めるのかをチェックするのも良いでしょう。



本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
本コラムの内容は、特定の金融商品やサービスを推奨あるいは勧誘を目的とするものではありません。
最終的な投資判断、金融商品のご選択に際しては、お客さまご自身の判断でお取り組みをお願いいたします。

※FIFAワールドカップは、国際サッカー連盟(FIFA)の登録商標です。
※ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、World Baseball Classic, Inc. の商標または登録商標です。
※TEAM JAPANは、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の商標です。
※「お〜いお茶」は、株式会社伊藤園の登録商標です。
※「エアー(AiR)」は、西川株式会社の登録商標です。


出典
*1 Forbes JAPAN 「ミラノ・コルティナ冬季五輪、経済効果は1兆円」
*2 産経新聞 「2026年サッカーW杯などで米国に7兆円経済効果 FIFA発表、29万人の雇用創出も」
*3 日本経済新聞 「侍ジャパンがWBC連覇なら…経済効果930億円に上昇 大学教授試算」
*4 財経新聞 「近づくミラノ冬季五輪 関連株の値動きは?」
*5 アシックス 「ミラノ・コルティナ2026オリンピック・パラリンピック冬季競技大会TEAM JAPANオフィシャルスポーツウェアについて」
*6 アシックス 「TEAM JAPANミラノ・コルティナ2026公式ライセンス商品(10)」
*7 集英社オンライン 「WBCだけじゃない大谷翔平効果「158億円」のスポンサー収入に見合う驚異的な訴求力…西川、伊藤園、ファミマ、売上急伸、売上が2倍になった例も」
*8 集英社オンライン 「「最悪の場所」「呪われている」から一変…晴海フラッグが競争倍率1000倍の“転売ヤーの戦場”になったワケ」


清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後TBSに入社、主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として国内外の各種市場、産業など幅広く担当し、アジア、欧米でも取材活動にあたる。その後人材開発などにも携わりフリー。取材経験や各種統計の分析を元に各種メディア、経済誌・専門紙に寄稿。

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