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銀行ローンは厳しい?審査で不利になるポイントを弁護士が解説
銀行ローンは厳しい?審査で不利になるポイントを弁護士が解説

銀行ローンは厳しい?審査で不利になるポイントを弁護士が解説

2025/05/06に公開
提供元:阿部由羅

銀行ローンの審査は、消費者金融などに比べると厳しい傾向にあります。特に、過去に借金の返済などを滞納したことがある場合は、銀行ローンの審査に通りにくくなるのでご注意ください。

本記事では、銀行ローンの審査でチェックされる主なポイントや、ローン審査に通りやすくするための方法などを解説します。


銀行ローンの審査の目的は?

銀行ローンを申し込むと、銀行側が審査を行います。銀行ローンの審査の目的は、借りたお金をきちんと返せるかどうかをチェックすることです。

ローンの返済が滞ると、銀行側には債権を回収できなくなる「貸し倒れ」のリスクが生じます。貸し倒れが極力発生しないように、ローンの申込みを受けた銀行側は、申込者の返済能力を慎重にチェックします。

返済能力が十分あると思われる人は、銀行から多くの金額を借りることができ、さらに低金利などの優遇を受けられることが多いです。
これに対して、返済能力が不十分と思われる人は、借入額や金利などの条件が不利になりやすく、場合によっては全くお金を借りられないこともあります。


銀行ローンの審査でチェックされる主なポイント

銀行ローンの審査では、主に以下のような項目についてチェックが行われています。


  • 年収
  • 職業の安定性
  • 勤続年数
  • 健康状態
  • 年齢
  • 他の借入れの状況
  • 信用情報

など


年収

年収が多ければ多いほど、有利な条件でローンを利用しやすい傾向にあります。

貸金業者(消費者金融など)においては、年収の3分の1を超える借入れが原則として認められません(=総量規制)。
銀行ローンには総量規制が適用されませんが、年収に対して大きすぎる割合のローンを借りようとしても、審査に通りにくいのは同様です。


職業の安定性

安定した収入が期待できる職業に就いていれば、有利な条件でローンを利用しやすい傾向にあります。

たとえば一般的には、同じ年収であれば、個人事業主よりも公務員や会社員の方が有利です。また、契約社員よりも正社員の方が有利になります。

個人事業主については、毎年の収入にどの程度の波があるかも考慮されます。収入に大きな波がある場合は、最低ラインの金額が参照され、ローンの条件が悪くなってしまうことがあるのでご注意ください。


勤続年数

給与所得者の場合は、同じ会社に長く勤めている人の方が、転職を繰り返している人よりも有利な条件でローンを利用しやすい傾向にあります。

個人事業主の場合は、開業以来の年数が考慮されます。何年も続けて確定申告を行っており、その間安定した収入が得られていれば、個人事業主でも好条件でローンを利用できる可能性があります。


健康状態

ローンの返済に充てる安定した収入が得られるかどうかという観点からは、健康状態も重要な審査項目の一つです。

健康状態が良好なら、今後も継続的に収入を得られる見込みがあるため、ローン審査に通りやすくなります。
これに対して、重大な健康リスクを抱えている場合は、ローン審査に通りにくいです。


年齢

年齢が高くなってくると、近い将来に健康を害するリスクが高まるため、ローン審査に通りにくくなる傾向にあります。
特に住宅ローンのように返済期間が長い場合は、高齢の人は若い人に比べて借りにくくなる傾向が顕著です。


他の借入れの状況

銀行は「総額でいくら返済できるか」という観点からローン審査を行っています。
したがって、別の金融機関から借り入れをしている場合は、その分新たに借りられる金額が少なくなります。


信用情報

銀行がローン審査を行う際には、個人信用情報機関のデータベースをチェックしています。個人信用情報機関には「これまできちんと債務を支払ってきたかどうか」が分かる情報が登録されています。

たとえば、過去に借金の返済を滞納した場合や、クレジットカードの料金を滞納した場合は、その情報が個人信用情報機関に登録されてしまいます。
また、任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理をしたことがある場合も、その情報が個人信用情報機関に登録されます。

これらのネガティブな情報は「異動情報」と呼ばれています。
個人信用情報機関に異動情報が登録されていると、その人は返済を滞らせるリスクが高いと判断され、銀行ローンの審査に通りにくくなります。


銀行ローンの審査に通りやすくするための方法

銀行ローンの審査に通りやすくするためには、以下の方法を検討しましょう。


  • 借入額を抑える
  • 有担保型のローンを申し込む
  • 勤続年数が増えてから改めて申し込む
  • 家族と共同でローンを申し込む

借入額を抑える

借りようとする金額を抑えれば、ローン審査に通りやすくなります。また、低金利などの優遇を受けられる可能性も高くなります。

頭金を用意するなどして、借入額を抑えることができるかどうか検討しましょう。


有担保型のローンを申し込む

無担保型のローンと有担保型のローンでは、有担保型の方がローン審査に通りやすく、金利などの条件も優遇されやすい傾向にあります。
もし返済が滞っても、銀行側は担保物を処分することでローンを回収できるからです。

特に不動産を所有している場合は、不動産担保ローンの利用を検討してみましょう。


勤続年数が増えてから改めて申し込む

勤続年数が浅いうちは、ローン審査に通りにくい傾向が強く見られます。
特に就職・転職をしてから間もない人や、個人事業主として開業して間もない人は、良い条件でローンを借りるのが難しいです。

現在はローン審査に通らなくても、2~3年程度経過してから改めてローンを申し込めば、勤続年数の評価が高くなって審査を通過できる可能性があります。

今すぐにローンを借りる必要がなければ、時間を置いてからローン審査を申し込んでみましょう。


家族と共同でローンを申し込む

自分だけでは希望する金額のローンを借りられなくても、夫や妻などの家族と共同でローンを申し込めば、審査を通過できる可能性があります。

たとえば住宅ローンについては、「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」などのプランが用意されています。
その他の銀行ローンについても、連帯保証人を付すことで借入額を増やせる場合があります。

家族の協力を得られる場合は、共同でローンを組むことを検討してみましょう。


まとめ

銀行ローンの審査においては、きちんと返済できるかどうかを確かめるため、さまざまな項目のチェックが行われています。
年収だけでなく、職業の安定性や健康状態、過去の返済履歴などもチェックされています。

銀行ローンの審査に通りやすくするには、借入額を抑える、有担保型のローンに申し込む、勤続年数が増えてから申し込む、家族と共同で申し込むなどの方法が考えられます。
本当に借りる必要があるかどうかも十分に検討したうえで、無理のない範囲でローンをご利用ください。



本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
本コラムの内容は、特定の金融商品やサービスを推奨あるいは勧誘を目的とするものではありません。
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