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エンディングノートに書くべき項目は?書き方のポイントを弁護士が解説
エンディングノートに書くべき項目は?書き方のポイントを弁護士が解説

エンディングノートに書くべき項目は?書き方のポイントを弁護士が解説

22時間前に公開
提供元:阿部由羅

自分が事故や急病によって意識を失ったり、突然亡くなったりする事態に備えるためには「エンディングノート」を作成することが有益です。

本記事ではエンディングノートについて、遺言書との違いや主な記載事項、作成に当たって注意すべきポイントなどを弁護士が解説します。


エンディングノートとは?

「エンディングノート」とは、自分にもしものことがあった場合に、家族などに対して伝えたいことを記したノートです。


エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートは「遺言書」とは異なるものです。

遺言書は法律上の効力を有する書面で、主に自分が亡くなった際の遺産の分け方を記載します。有効な遺言書の内容は相続人等を拘束し、原則としてその内容のとおりに遺産を分けなければなりません。

これに対してエンディングノートには、法的な拘束力はありません。たとえば葬儀の方法に関する希望をエンディングノートに記しても、家族はその内容に従う義務を負いません。

エンディングノートはあくまでも、家族などに対して伝えたい情報を記すものです。法的拘束力がない反面、自由に書きたいことを書き記すことができます。


エンディングノートを作成するメリット

エンディングノートを作成しておくと、自分にもしものことがあっても、自分の希望やメッセージなどを家族に伝えられます。

たとえば急病によって入院や介護を要することになった場合、エンディングノートに医療や介護についての希望が記されていれば、家族はその内容に従って入院や入所などを手配することができます。
自分が亡くなってしまった場合にも、エンディングノートに遺言書の有無や家族関係、財産に関する情報などを記しておけば、家族は戸惑うことなく相続手続きを進めることができます。

すでに健康状態が悪化している方に限らず、元気に過ごしている方でも、人間である以上は突然健康を害してしまう可能性もあります。万が一のケースに備えて、エンディングノートの作成を検討してみましょう。


エンディングノートの書式は自由

エンディングノートの書式は決まっておらず、自由です。

手書きでもよいですし、PCを用いて作成することもできます。PCで作成する場合は、印刷したうえで保管しても、データのまま保管しても構いません。

エンディングノートは手軽に作成できるので、思い立ったら書き始めてみましょう。


エンディングノートに記載すべき主な事項

エンディングノートには、以下に挙げるような事項を記載します。


  • 自分に関する情報
  • 連絡してほしい人
  • 医療や介護についての情報や希望
  • 葬儀や墓地についての希望
  • 遺言書の有無、保管場所
  • 家族関係
  • 財産に関する情報
  • デジタルデータのアクセス方法、処分方法
  • 家族などへのメッセージ

自分に関する情報

まずは、自分自身に関する情報を記載します。家族なら当然知っていると思われる情報も、念のため記載しておきましょう。

(例)

  • 名前、ふりがな
  • 生年月日
  • 住所
  • 本籍
  • 電話番号
  • メールアドレス

など


連絡してほしい人

自分に何かが起こったときに、連絡してほしい人についての情報(名前・関係・連絡先など)を記載します。
親族や関わりの深い友人、遺言書の作成に関与した専門家(弁護士や行政書士など)などを記載しておくとよいでしょう。


医療や介護についての情報や希望

エンディングノートには、自分が急病にかかった場合に備えた情報も記載しておくことが望ましいです。医療や介護についての希望を記載しておけば、その内容に沿った医療や介護をスムーズに受けられる可能性が高まります。

たとえば、以下のような事項を記載しておきましょう。

(例)

  • 身長、体重
  • かかりつけ医
  • 血液型
  • 持病、既往歴
  • 常用している薬
  • アレルギー
  • 健康保険証、介護保険証の情報
  • 判断能力が低下した場合に、医療や介護に関する判断を任せたい人
  • 延命措置に関する希望
  • 入所したい医療施設や介護施設
  • 終末期の介護や医療に関する希望

など


葬儀や墓地についての希望

自分が亡くなった場合に備えて、葬儀や墓地についての希望も記載しておきましょう。

(例)

  • 信仰している宗教や宗派
  • 菩提寺がある場合は、その情報
  • 葬儀の形式や規模
  • 葬儀に呼んでほしい人(呼んでほしくない人)
  • 遺影に用いる写真
  • 納骨の方法、埋葬を希望する墓地

など


遺言書の有無、保管場所

エンディングノートとは別に遺言書を作成している場合は、その旨と保管場所を記載しましょう。遺言書の内容を実現するには、家族が確実に見つけられるようにすることが大切です。

遺言書がない場合は、その旨を記載しておきましょう。家族は遺言書を探す手間や時間が省け、スムーズに遺産分割を行うことができます。


家族関係

自分が亡くなった場合の相続手続きに備えて、家族関係についての情報を記載しておきましょう。自分と以下の続柄にある人は、漏れなく記載することをおすすめします。


  • 配偶者
  • 孫、ひ孫
  • 直系尊属(両親、祖父母など)
  • 兄弟姉妹
  • 甥、姪

財産に関する情報

相続手続きに備える観点からは、財産に関する情報も記載しておくべきです。自分が所有している財産を洗い出し、家族がスムーズに把握できるように情報を記載しましょう。

主な財産としては以下の例が挙げられますが、これらに限らず漏れなくリストアップすることが大切です。


  • 現金(保管場所、金額など)
  • 預貯金(口座の情報、金額など)
  • 不動産(種類、所在地など)
  • 株式、投資信託(証券口座の情報、金額など)
  • 生命保険(保険会社、保険の種類、金額など)

など


デジタルデータのアクセス方法・処分方法

デジタルデータのアクセス方法や処分方法について、以下の事項などを記載しておくとよいでしょう。残された家族がスムーズにデジタルデータの処分を進められるようになります。

(例)

  • 携帯電話やPCのログイン情報
  • メールやSNSアカウントのログイン情報
  • 有料サブスクリプションの契約状況

など


家族などへのメッセージ

上記のほか、家族などへのメッセージとして伝えたいことを書いておきましょう。
感謝や負担をかけることについての謝罪、相続手続きについて揉めてほしくないことなど、書きたいことを自分の言葉で伝えることが大切です。


エンディングノートの適切な保管方法

エンディングノートを保管するに当たっては、紛失を防ぎつつ、家族に見つけてもらえる方法を選ぶことが望ましいです。

たとえば、いつも持ち歩いているかばんや財布の中に入れておくと、遺品整理などの際に家族に見つけてもらいやすいでしょう。紛失を防ぐ観点から、念のためコピーを取っておくと安心です。

紛失防止の観点からは、銀行の貸金庫に保管しておくことも考えられます。その場合は家族に見つけてもらえるように、貸金庫の存在を何人かの家族に伝えておくとよいでしょう。


エンディングノートを作成する際には、家族と相談や情報共有を

エンディングノートを作成するに当たっては、特に関係の深い家族との間で相談や情報共有をすることが望ましいです。
自分にもしものことがあっても、事前に相談していた家族がすぐにエンディングノートを見つけて、スムーズに適切な対応をとってもらえます。

エンディングノートは、死期が迫っている人だけが作成するものではありません。元気な段階でも、もしもの事態に備えてエンディングノートを作成しておくのが安心です。
エンディングノートをきっかけに、人生の「終わり」について家族と話し合う機会を持ってみてはいかがでしょうか。



本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。


阿部 由羅
あべ ゆら

ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。

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