logo
Money Canvas(マネーキャンバス)
back icon
clear
back icon
【弁護士が解説】初めての銀行口座開設 必要なものは?何に気をつけて銀行を選ぶ?
【弁護士が解説】初めての銀行口座開設 必要なものは?何に気をつけて銀行を選ぶ?

【弁護士が解説】初めての銀行口座開設 必要なものは?何に気をつけて銀行を選ぶ?

2025/08/24に公開
提供元:阿部由羅

初めて銀行口座を開設する際には、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を提示する必要があります。また、店舗数や金利などは銀行によって異なるので、複数の銀行を比較して口座開設先を選びましょう。

本記事では、初めて銀行口座を開設しようとする方のために、必要なものや銀行の選び方などを解説します。


銀行口座の開設に必要なものは?

銀行口座を開設する際には、本人確認書類を提出する必要があります。印鑑(銀行印)は、従来は必要とされるのが一般的でしたが、最近では印鑑が不要の「印鑑レス口座」が普及しています。


本人確認書類が必要|運転免許証やマイナンバーカードなど

銀行口座の開設に当たっては、銀行側に本人確認が義務付けられています。

本人確認の目的は、犯罪組織によるマネー・ローンダリング(=犯罪によって得た収益の獲得方法や真の所有者が分からないようにして、捜査機関による発見や検挙を逃れようとする行為)や、テロ組織への資金供与などに口座が利用される事態を防ぐことです。
口座開設時に本人確認が行われていれば、不正行為がなされた際には口座開設者を速やかに特定し、そこから犯罪組織やテロ組織の素性を辿ることができます。

本人確認書類は、顔写真付きのものは1点、顔写真が付いていないものは他の書類と併せて2点の提出を要するのが一般的です。

三菱UFJ銀行では、以下の書類によって口座開設時の本人確認を行っています。*1


0

出典)三菱UFJ銀行「口座をひらく(口座開設) よくあるご質問 Q. 法令にもとづく本人確認に必要な「本人確認書類」には何があるかを知りたい。」


銀行印は必要か?

銀行口座を開設する際には、従来は銀行印の登録を要するのが一般的でした。現在でも、銀行印の登録が必要な口座は運用されています。

その一方で、近年では銀行印の登録が不要の「印鑑レス口座」が普及してきました。

三菱UFJ銀行でも、印鑑レス口座の開設を受け付けています。印鑑レス口座開設後の取引に当たっては、銀行印の代わりにICキャッシュカードで本人確認を行います。*2


銀行口座の開設手続きは、どこでできる?

銀行口座の開設手続きは、各銀行の店舗か、または銀行のウェブサイト・アプリを通じて行うのが一般的です。


各銀行の店舗

各銀行の店舗では、口座開設の手続きを受け付けています。基本的には、どこの店舗でも口座開設の手続きができます。

三菱UFJ銀行でも、店舗での口座開設を受け付けています。手続きの際には、本人確認書類と銀行印が必要です。事前に予約をすると、スムーズに案内を受けられます。*3


銀行のウェブサイト・アプリ

各銀行のウェブサイトまたはアプリでも、口座開設の手続きを受け付けています。来店せずに自宅から手続きを行うことができるので便利です。

三菱UFJ銀行では、「スマート口座開設」というアプリを用いて口座を開設できます。*4
本人確認書類は提出する必要がありますが、銀行印の登録は不要です(印鑑レス口座になります)。開設手続きが完了すると、当日中に口座番号を確認できます。キャッシュカードは、1週間~10日程度が経つと到着します。


口座開設先の銀行を選ぶ際のポイントは?

口座を開設する銀行を選ぶ際には、以下のようなポイントを比較するとよいでしょう。


  • 普通預金や定期預金の金利
  • 店舗やATMの数
  • インターネットバンキングの利便性とセキュリティ
  • 資産運用に関する相談窓口の充実度

普通預金や定期預金の金利

銀行にお金を預けていると、その期間に応じて利息が付与されます。

元本に対する利息の割合を「金利」といいます。日本では長らく低金利が続いていましたが、近年では若干金利が上昇する傾向にあります。

預金の金利は、銀行によって少しずつ異なります。特に定期預金を利用する場合は、銀行間で金利の差が大きく出やすいので、金利の高い銀行を口座開設先の候補に入れるとよいでしょう。


店舗やATMの数

口座に現金を預けたり、出金したりする機会が多い場合は、自分の住んでいる地域において、店舗やATMが多い銀行を選ぶと便利です。

「都市銀行」と呼ばれる大手の銀行(三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行・りそな銀行・埼玉りそな銀行)は、主に大都市圏に多くの店舗やATMを有しています。
一方、「地方銀行」や「第二地方銀行」と呼ばれる地域密着型の銀行は、特定の地域に多くの多くの店舗やATMを有しています。

ネット銀行は店舗や独自のATMを有していませんが、コンビニなどに設置されたATMを通じて入出金ができます。店舗がないので、きめ細かいサービスを受けたい人には向いていないかもしれません。


インターネットバンキングの利便性とセキュリティ

銀行口座の入出金は、インターネットバンキングを通じて行うケースが多くなると思われます。そのため、インターネットバンキングの機能や使いやすさは、口座開設先の銀行を選ぶに当たって重要なポイントの一つです。

他方で、インターネットバンキングは不正出金などに悪用されやすいため、セキュリティ対策も重要になります。
二段階認証や生体認証など、強固なセキュリティ対策を講じている銀行を選びましょう。


資産運用に関する相談サービスの充実度

銀行に預けるお金を用いて資産運用をしたいと考えているなら、その方法を相談できるサービスが充実しているかどうかも、口座開設先の銀行を選ぶに当たって考慮するとよいでしょう。

銀行担当者からきめ細かい助言を受けたいなら、店舗のある都市銀行・地方銀行・第二地方銀行が口座開設先の候補となります。
銀行によって投資商品の品揃えや運用サービスの内容などが異なるので、よく説明を聞いたうえで口座開設先を選びましょう。


他人に銀行口座を売却するのは厳禁|刑事罰の対象になる

最近では、インターネット上で「闇バイト」が盛んに募集されています。闇バイトとは、犯罪行為を手助けすることを条件に報酬を得る行為です。

闇バイトの一つとして「銀行口座を売る」というものがあります。応募した人は銀行で新たに口座を開設し、その口座を犯罪グループに売却します。犯罪グループは、買い取った口座を特殊詐欺などの犯罪に用います。

他人に対して銀行口座を売却することは違法行為であり、刑事罰の対象となります。また、口座の不正売却が行われた事実は各銀行間で共有されるため、将来的に銀行口座を開設することも難しくなります。

少々高額の報酬が得られるとしても、それと引き換えに負うデメリットやリスクは甚大なので、銀行口座の売却は絶対に行ってはなりません。


まとめ

銀行口座を開設する際には、本人確認書類の提出が必要となります。
印鑑は、店舗で手続きを行う場合は必要、インターネット上で手続きを行う場合は不要としている銀行が多いです。

銀行口座に関するサービスの内容は、銀行によって異なります。複数の銀行を比較したうえで、自分のニーズに合っているところで口座を開設しましょう。



本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。

出典
*1 三菱UFJ銀行「口座をひらく(口座開設) よくあるご質問 Q. 法令にもとづく本人確認に必要な「本人確認書類」には何があるかを知りたい。」
*2 三菱UFJ銀行「印鑑レス口座について」
*3 三菱UFJ銀行「店舗での口座開設」
*4 三菱UFJ銀行「アプリで口座開設」


阿部 由羅
あべ ゆら

ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。

関連コラム
もっとみる >
scroll-back-btn