銀行印をなくしてしまうと、誰かに銀行印を悪用されるリスクが生じます。銀行に対して速やかに連絡し、銀行印の利用停止手続きを行いましょう。
本記事では、銀行印をなくした場合のリスクや、なくした銀行印の利用を停止する手続きなどを解説します。
銀行印をなくした場合に最も懸念されるのは、その銀行印が他人に悪用されてしまうことです。
銀行印は、銀行における取引時の本人確認に用いられます。銀行印が他人に悪用されると、自分の口座から勝手に出金されるなどのトラブルが生じてしまいかねません。
銀行印をなくしたことに気づいたら、速やかに銀行へ連絡して必要な手続きを行いましょう。
銀行印をなくさないようにするためには、普段から適切に管理することが大切です。
銀行印をなくすパターンには、主に自分の不注意でなくしてしまう場合と、他人が勝手に持ち去ってしまう場合の2通りがあります。それぞれの紛失リスクを、以下の対策によって予防しましょう。
自分の不注意で銀行印をなくすことを防ぐには、 いつも決まった場所に銀行印を保管するよう習慣付けることが効果的です。そうすれば、どこに銀行印を置いたか分からなくなってしまうことを防げます。
また、実際に使う予定がない限りは、銀行印を外で持ち歩かないようにしましょう。何かの拍子に銀行印を落としてしまったり、鞄ごとどこかに置き忘れたりすることがなくなります。
他人が勝手に銀行印を持ち去ってしまうことを防ぐには、自分しか触れられないところに銀行印を保管することが大切です。たとえば、鍵のかかる引き出しやキャビネットなどに保管することが考えられます。
これに対して、職場の机などに銀行印を放置することなどは避けましょう。他人が簡単に銀行印を持ち出せてしまいますし、誰が持ち出したかを特定することも難しいケースが多いです。
また、家族に銀行印を預けておくことも避けた方が無難です。自分が思いもよらない形で銀行印が使われてしまったり、家族の不注意で銀行印を紛失してしまったりするリスクがあります。
銀行印は、自分だけが使うことのできる大切な印鑑なので、自分で責任を持って保管しましょう。
銀行印をなくしてしまったことが分かったら、直ちに銀行へ連絡することが大切です。
「新しい印鑑を作らなくては……」などと考えるのは後にしましょう。他人に銀行印を悪用されてからでは手遅れになりかねないので、すぐに銀行へ連絡して利用停止の手続きをとるべきです。
なくした銀行印の利用を停止した後、新しい銀行印を登録する必要があるかどうかは、手続きの方法によって異なります。
次の項目で三菱UFJ銀行の手続きを紹介しますが、口座のある銀行のウェブサイトを確認するか、または店舗の窓口で問い合わせたうえで、新しい印鑑を作るかどうかを決めましょう。
銀行印を紛失した際の利用停止申請は、緊急を要するため、多くの銀行が常時受け付けています。
三菱UFJ銀行の場合は、「かんたん手続アプリ」または電話によって、紛失した銀行印の利用停止を申請することができます。*1
三菱UFJ銀行の「かんたん手続アプリ」は、24時間365日(毎月第2土曜日21:00~翌朝7:00は利用不可)、銀行口座に関する各種手続きを行うことができるスマートフォンアプリです。*2
「かんたん手続アプリ」による銀行印の利用停止申請は、以下の手順で行うことができます。*3
(1)スマートフォンで「かんたん手続アプリ」をダウンロードし、メニューから「印鑑-なくした(印鑑レス口座へ切替する)」を選択します。
(2)「利用停止選択」の画面で、なくした印鑑を選択します。キャッシュカードや通帳もなくした場合は、それも一緒に選択します。
(3)即時に銀行印の利用停止が完了します。
(4)印鑑レス口座への切り替え手続きを行います。画面の指示に従い、必要事項の入力などを行います。
(5)手続きが完了した後、メールでその旨のお知らせが届きます。なくしたキャッシュカードを再発行した場合などには、後日簡易書留でICキャッシュカードが郵送されます。
「かんたん手続アプリ」で銀行印の利用を停止した場合は、必ず印鑑レス口座に切り替える必要があります。
印鑑レス口座のメリットは、銀行の窓口へ印鑑を持参する必要がない点や、銀行印の盗難・紛失のリスクがない点などです。
印鑑レス口座の本人確認は、銀行印の代わりにICキャッシュカードによって行います。
また、紙の通帳は使えなくなる点にご留意ください。口座の入出金履歴は、インターネット上で確認することができます。
三菱UFJ銀行では、電話でも以下の番号で24時間365日、紛失した銀行印の利用停止申請を受け付けています(毎月第2土曜日21:00~翌朝6:40を除く)。
喪失受付センター
0120-544-565
または03-5637-0875(通話料有料)
オペレーターに対して銀行印を紛失した旨を伝えれば、その場で利用停止の手続きをとってもらえます。
電話で銀行印の利用停止を申請した場合は、後日銀行店舗の窓口に行って、新しい銀行印を登録する必要があります。予約は不要で、原則として来店順に案内されます。
新しい銀行印を登録する際に必要となる持ち物は、以下のとおりです。
印鑑登録の手続きは、10日~2週間ほどで完了します。
完了後、届け出ている住所に「手続完了通知状」が届きます。原則として通知状を受け取った時点から、新しい銀行印によって各種手続きができるようになります。
銀行印を紛失すると、その銀行印を他人に悪用されてしまうおそれがあります。自分の口座から勝手に出金されるなどのトラブルが発生しては大変です。
銀行印をなくすことがないように、常に決まった場所で保管する、鍵のかかる場所に保管するなどの対策を行いましょう。
また、万が一銀行印をなくしてしまったら、速やかに銀行へ連絡して利用停止の手続きをとることが大切です。銀行印が悪用される前に、迅速な対応を行いましょう。
本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
出典
*1 三菱UFJ銀行「印鑑紛失・盗難時、印鑑変更のお手続き」
*2 三菱UFJ銀行「スマートフォンアプリ「かんたん手続アプリ」」
*3 三菱UFJ銀行「スマートフォンアプリ「かんたん手続アプリ」印鑑をなくした場合の印鑑レス口座切替手続」