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特定金銭信託の仕組みは?投資信託や指定金銭信託との違いをわかりやすく解説
特定金銭信託の仕組みは?投資信託や指定金銭信託との違いをわかりやすく解説

特定金銭信託の仕組みは?投資信託や指定金銭信託との違いをわかりやすく解説

2024/08/21に公開
提供元:マネフィット

特定金銭信託は、個人や法人が信託銀行等にお金を預け、信託銀行等が管理・運用する「金銭信託」の一つです。預けたお金は、主に株式等の有価証券で運用されます。

運用対象について個別具体的に指定する仕組みの商品で、投資判断の裁量を持ったまま決済・管理事務を任せられるのがメリットです。

本記事では、特定金銭信託の仕組みや、投資信託および指定金銭信託との違いを解説します。メリット・デメリットや商品例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。


金銭信託とは?仕組みをわかりやすく解説

金銭信託とは、信託銀行等が利用者(個人や法人)から預かったお金を運用・管理し、得られた収益を利用者に配分する金融商品です。

預けたお金は、一般的に貸付金や公債、社債、株式、預金等、比較的値動きの少ない資産で運用され、信託が終了したときは現金として交付されます。

信託に関わるのは、「委託者」、「受託者」、「受益者」の三者です。


  • 委託者:金銭を預ける人
  • 受託者:信託財産を管理・運用する人
  • 受益者:信託財産から得た利益を受け取る人

委託者・受託者・受益者がそれぞれ異なる場合もあれば、委託者と受益者が同じ場合もあります。
大切な誰かのためだけでなく、自分のために財産を運用・管理してもらうことも可能です。

なお、金銭信託は、運用指図の仕方によってさらに「特定金銭信託」と「指定金銭信託」の2つに分類されます。


金銭信託と投資信託の違い

信託の一つに、投資信託があります。多くの投資家から集めたお金を一つにまとめて専門家が運用し、その収益を投資家が受け取る信託商品です。

投資信託では、信託財産の管理を行うのは「信託銀行」ですが、運用指図を行うのは「運用会社」です。
信託銀行は運用会社の指図を受けて、株式や債券等の売買を行います。


  • 販売会社:投資信託の販売や換金、分配金の支払いなどを行う
  • 運用会社:信託銀行に運用を指図する
  • 信託銀行:株式や債券等の売買や管理を行う

日々基準価額が変動する投資信託に対して、金銭信託は原則値動きのない低リスク資産で運用されます。
また、運用開始前に予定配当率が示されるのも金銭信託の特徴です。


特定金銭信託とは、金銭信託の一つ

特定金銭信託は金銭信託の一つで、企業等の比較的大口の資金を信託銀行等が預かり、株式等の有価証券で運用する商品です。
「トッキン」と呼ばれます。

企業等(委託者兼受益者)または企業等から委任を受けた投資顧問会社が信託銀行等(受託者)に運用を個別具体的に指定する仕組みです。
「個別具体的な指図」とは、銘柄や数量、価額、売買時期等を指定することを指します。

受託者である信託銀行等は、個別具体的な運用指図にもとづき、有価証券の管理や売買、配当金の収受、取引報告等を行います。


特定金銭信託と指定金銭信託の違い

特定金銭信託と指定金銭信託は、いずれも信託が終了した際にその財産を現金として交付する金銭信託です。
ただし、両者は運用指図の方法に違いがあります。

特定金銭信託が運用方法を具体的に指定するのに対し、指定金銭信託は運用の目的物の種類を指定し、具体的な運用判断は信託銀行等に任せる信託商品です。
運用の範囲を大まかに指示する点で、特定金銭信託とは異なります。

なお、指定金銭信託は、複数の信託された財産を合同して運用する「合同運用」と単独で運用する「単独運用」に分類されます。


特定金銭信託とファンド・トラストの違い

ファンド・トラスト(ファントラ)は、「指定金外信託」に分類される信託商品です。

特定金銭信託とファンド・トラストは、企業等から預かった比較的大口の資金を株式等の有価証券で運用する点では共通していますが、以下の2点が異なります。


  • 運用指図の仕方
  • 信託が終了したときに交付する財産

特定金銭信託では運用方法を個別具体的に指定しますが、ファンド・トラストは、運用の範囲・方針を指定する仕組みの信託商品です。
つまり、ファンド・トラストでは信託銀行等が運用判断の裁量を持ちます。

また、信託終了時の財産の取扱いにも違いがあります。特定金銭信託は、信託財産を現金に換えて交付する「金銭信託」の一つです。
一方、ファンド・トラストは信託終了時に有価証券を売却せず、株式や債券等のまま交付する「金外信託」にあたります。


特定金銭信託のメリット・デメリット

特定金銭信託を利用する主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。


メリット

・事務負担が軽減される
・薄価分離が認められる

デメリット

・元本の保証がない
・原則として中途解約ができない


特定金銭信託を利用すれば、企業等が投資判断の裁量を持ったまま管理・決済事務を任せられるため、事務の省力化が図れます。

また、信託財産として保有する有価証券と、企業等が自ら保有する有価証券の帳簿価格を通算せず、分けて経理処理できる(薄価分離)ことも特定金銭信託の特徴です。

通常、法人が有価証券に投資した場合、すでに保有している同じ銘柄の有価証券と通算して計算します。
しかし、特定金銭信託やファンド・トラストを利用した場合は、薄価分離が可能です。これにより、運用成果の把握が容易になるだけでなく、節税効果も期待できます。

一方、特定金銭信託は実績配当型の金融商品であり、運用がうまくいけば利益が出ますが、反対に損失が生じる可能性もあります。
価格変動リスクや金利変動リスク等を理解したうえで利用することが大切です。

一部の金銭信託には、信託銀行等が元本を保証する「元本補てん契約」が付いていますが、特定金銭信託には付けることができません。

また、原則として中途解約ができない点にも注意が必要です。


特定金銭信託の商品例

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特定金銭信託の具体的な商品には、「確定拠出年金信託」や「特定金銭信託」があります。

確定拠出年金信託とは、加入者が拠出した掛金を加入者自身が運用し、その成果によって将来の給付額が決まる年金制度です。
運用リスクは加入者に帰属するため、給付額が増えることもあれば、元本を下回ることもあります。

確定拠出年金信託は、さらに「企業型確定拠出年金信託」と「個人型確定拠出年金信託」の2つに分けられます。


  • 企業型確定拠出年金信託(企業型DC):事業主が労使間の合意にもとづいて実施し、従業員が加入する年金信託
  • 個人型確定拠出年金信託(iDeCo):国民年金基金連合会が実施する制度で、原則として20歳以上60歳未満のすべての方が個人で加入できる年金信託

企業型確定拠出年金信託は、事業主に雇用されている会社員等が加入できる信託商品です。
企業が掛金を拠出し、従業員が運用する商品の選択や資産配分を行います。
また、企業によっては、従業員が掛金を上乗せすることも可能です。この仕組みを「マッチング拠出」と言います。

一方、個人型確定拠出年金信託は、「iDeCo」と呼ばれ、原則として20歳以上60歳未満のすべての方が加入できます。掛金の拠出や運用を行うのは、加入者自身です。


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実績配当型金銭信託は、金銭信託の一つで、運用実績に応じて配当が支払われる信託商品です。
配当は運用の実績にもとづいて決まりますが、事前に予定配当率が示されます※2。

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※1預金ではありません。元本および利益の保証はなく、預金保険および投資者保護基金の対象ではありません。
※2予定配当率での分配が行われるとは限りません。
※3元本の保証はありません。なお、中途解約を行った場合は、解約調整金等により、元本に損失が生じる可能性があります。


まとめ

特定金銭信託は、企業等が個別具体的に指定した運用方法にもとづいて、信託銀行等が運用・管理する信託商品です。
信託終了時に現金として交付される金銭信託にあたります。

運用の範囲・方針をおおまかに指定する「指定金銭信託」とは違い、銘柄や数量等を具体的に指定するのが「特定金銭信託」です。
投資判断の裁量を持ったまま事務負担を軽減できる、薄価分離が認められるなどのメリットがあります。

信託は、運用方法や信託財産の返還方法等さまざまな方法で分類できます。
特定金銭信託の違いやほかの信託商品との違いを正しく理解しましょう。


松崎 観月
まつざき みづき

大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当。資産運用の相談・保険販売などを経験する。退社後CFP認定を取得し、フリーのFPライターとして活動を行う。
資格情報CFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、日商簿記検定2級

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