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政府の2026年度予算(来年度予算)とは?私たちの生活への影響は
政府の2026年度予算(来年度予算)とは?私たちの生活への影響は

政府の2026年度予算(来年度予算)とは?私たちの生活への影響は

2026/02/24に公開
提供元:Money Canvas

政府の「来年度予算」は、私たちの暮らしや企業活動に直結する非常に重要な指針です。

2026年度予算(2026年4月〜2027年3月)の政府案は、一般会計で約122.3兆円(122兆3,092億円)で閣議決定されました。*1

ニュースでは「過去最大」「社会保障費の増加」「物価高対策」などのキーワードが並びますが、投資や家計管理を行う上で大切なのは、「そのお金が、いつ・誰に・どう効くのか」を具体的に理解することです。

2026年度予算は、2025年度補正予算と一体的に編成される方針が示されており、切れ目のない経済対策が意識されています。*2

本記事では、2026年度予算案の全体像から、衆議院解散によるスケジュールへの影響、そして家計に関係が深いポイントを整理して解説します。


2026年度予算(来年度予算)案は122.3兆円で閣議決定

政府案として閣議決定された 2026年度予算(来年度予算)が「122.3兆円規模」という巨大な金額になった背景には、社会保障費や防衛費の増額などが挙げられます。*1

ただ、家計の視点では「何に使われ、どこから調達するのか」という内訳を理解することが欠かせません。

ここでいう「122.3兆円」は、国の会計のうち最も基本となる「一般会計」の規模を指します。
一般会計とは、税収などを財源として国の基本的・一般的な支出を賄う「家計のメインの財布」のような存在です。*3

一方で、年金やエネルギー対策など特定の目的を持つ事業は「特別会計」で別途管理される点も知っておくとよいでしょう。

まず、2026年度の歳入(収入)と歳出(支出)の主な内訳を整理してみましょう。*1


歳入(収入)の主な項目:

・税収:約83.7兆円
・国債発行(借金):約29.6兆円


歳出(支出)の主な項目:

・社会保障関係費:約39.1兆円
・国債費(利払い・償還):約31.3兆円
・地方交付税交付金等:約20.9兆円

このように、税収だけでは賄いきれない約30兆円弱を、将来の借金である国債発行で補う構図が続いています。

国債発行が増えれば、将来の利払い費が増加し、将来の予算編成を圧迫する要因になり得ます。*1 *4 *5

家計への影響を考える上で押さえておきたいのは、これらの予算が「直接的な給付」だけでなく、医療・介護制度の維持や、自治体の行政サービス、企業の賃上げ支援などを通じて、間接的に届いてくる点です。*5

一見、自分たちには関係のないニュースの話に見えても、保険料や公共料金、地域の補助制度といった形で、私たちの手元資金に確実に影響してくるでしょう。


衆議院解散によって2026年度予算(来年度予算)はどうなる?

来年度予算は本来、新年度(4月)が始まる前に国会の承認を得て成立するのが原則です。*6

しかし、高市首相は1月23日に衆議院を解散する決断を表明しました。
これにより、 2026年度予算案の審議スケジュールには遅れが生じ、年度内成立の行方は「視界不良」ともいえる状況です。*7 *8 *10

解散・総選挙により、国会での予算審議は一時的に中断・再編されやすくなります。
政治状況によっては本予算の成立がずれ込み、暫定予算(つなぎ予算)での対応が必要になる可能性も高まっています。*6 *8 *9

暫定予算とは、本予算が成立するまでの間、国政運営上必要不可欠な経費を一定期間だけ計上する仕組みをいいます。
政府内には「暫定予算は1か月以内の短期間」にとどめたいとの見方も報じられていますが、不透明な政治情勢が長期化すれば、新年度の政策執行に影響が出る懸念も拭えません。*10

行政運営を止めるわけにはいかないため、最低限のサービスは継続されますが、以下のような点には注意が必要です。*3 *6


  • 新規・拡充される政策(新たな給付金や自治体の補助事業など)の開始が遅れる可能性がある
  • 本予算の成立まで、自治体が独自予算を組みにくい状況が生じるリスクがある

家計目線で見ると、暫定予算になったからといってただちに年金や医療が止まる心配はありません。*6

ただし、物価高対策の追加措置や、新年度から始めたい自治体独自の支援策などは本予算の成立を待つ必要があり、新規・拡充施策については、本予算成立後の実施となる可能性があります。*6 *10

そのため、「支援が出る」ことを前提に家計を組むのではなく、生活防衛資金を確保した上で、制度を賢く利用する姿勢が重要になります。*11


日常生活への影響

2026年度予算(来年度予算)は、社会保障の運営、物価高への対応、賃上げ支援、各種補助金などを通じて、私たちの生活実感に深く関わります。

ここでは、特に関心の高い4つのポイントに絞って具体的に見ていきましょう。


社会保障関係費の増加

社会保障関係費は約39.1兆円に達し、前年度からさらに拡大する見通しです。
これは、高齢化にともない年金・医療・介護の給付を維持するために避けられない支出といえます。*12

一方で、政府は「給付の効率化」もセットで進める方針を打ち出しています。
たとえば、診療報酬や薬価の改定、医療保険制度の効率化や適正化などが議論されています。*12

家計としては、現行の給付水準が維持される安心感がある一方、長期的には保険料や窓口負担の見直しが進む可能性がある分野であることを認識しておきましょう。*12


物価高による家計への負担の軽減

長引く物価高への対応として、予算と税制の両面から対策が盛り込まれています。

政府の総合経済対策では、 エネルギーコストの負担軽減や、子育て世帯・低所得世帯への重点的な支援が掲げられました。
具体的には、自治体が地域の実情に合わせて実施する以下の施策などが期待されます。*11 *13


  • 水道料金の減免や学校給食費の支援
  • LPガス使用世帯への負担軽減策

また、令和8年度税制改正の議論では、所得に応じた各種控除の見直しも示されています。*14

給付金は自治体によって差が出やすく、税の軽減は年末調整等のタイミングで効いてくるため、恩恵を受ける時期が異なる点も理解しておきましょう。


賃上げの推進

2026年度予算の基本方針では、賃金と物価の好循環をめざすことが明記されています。*2

政府は企業の賃上げを後押しするために、 投資促進や生産性向上を目的とした税制優遇措置を継続的に活用する構図を描いています。*14

賃上げは可処分所得を増やす「最大の家計防衛」ですが、名目賃金が上がっても、社会保険料の増加分で相殺されてしまうケースも珍しくありません。
家計側としては、手取り額(可処分所得)ベースでの変化を冷静に見極め、固定費の見直しや投資への配分を考えることが大切です。


補助金制度の実施

エネルギー価格対策や中小企業支援など、幅広い分野で補助金制度が継続・新設されます。*13

例えば、冬の電気・ガス代の負担を引き下げるための支援や、中小企業のデジタル化、AI導入を支援する「生産性革命推進事業」などに多額の予算が充てられています。*15 *16

補助金を「単にもらえるもの」ととらえるのではなく、「要件を満たせば家計の固定費を下げられるツール」と考えると金融リテラシーが向上するでしょう。
例えば、省エネ家電への買い替え支援を活用すれば、補助額だけでなく、その後の電気代削減効果まで含めてトータルの家計を改善できます。*13

ただし、予算成立の遅れにより公募時期が前後する可能性があるため、自治体の広報等をこまめに確認するようにしてください。


2026年度予算(来年度予算)についてよくある質問

「来年度予算はいつ決まるのか」「結局、自分たちの生活にどう関係するのか」という、多くの方が抱きやすい疑問をQ&A形式でまとめました。


来年度予算はいつ決まりますか?

通常、政府案は12月下旬に閣議決定され、1月下旬からの通常国会で審議されます。*1

予算案が年度内、つまり3月末までに成立すれば、4月1日から新年度の予算として執行が始まります。

ただし、 今回は衆議院の解散が1月23日に行われたため、予算審議は中断が見込まれ、成立時期は例年より大幅に後ろ倒しとなる可能性があります。*7 *8 *10

政治状況によっては、本予算の成立が4月以降にずれ込み、暫定予算が組まれる場面も想定されます。*9


来年度予算の内訳はどのようなものですか?

一般会計の内訳は、 社会保障が約3割、国債費が約2.5割、地方交付税交付金等が約1.7割を占めており、この3つで全体の7割以上に達します。
これに公共事業や防衛、文教・科学振興などの経費が加わる形です。*1

家計にとって重要なのは、「国の予算が増えた」という事実だけでなく、それが自治体や勤務先の制度にどう波及するかです。
給付や補助の多くは自治体経由で行われるため、お住まいの地域の当初予算や補正予算の動きにも注目してみると、生活への影響がより鮮明に見えてくるでしょう。*13


2026年度予算(来年度予算)を“自分の家計”に落とし込むコツ

2026年度予算(来年度予算)案は122.3兆円という巨大な規模ですが、私たちの生活への影響は「社会保障」「物価高対策」「賃上げ」「補助金」という経路を通じて、段階的に届きます。*1 *13

さらに、衆議院解散・総選挙を挟むことで、支援策の開始タイミングや給付時期が数か月単位で前後する可能性が出てきました。*8 *10

このような不確実な状況下で家計をまもるために、以下の3つのポイントを意識しましょう。


  • 負担増の領域を把握する:医療・介護や光熱費など、固定費に関連する予算の動きをチェックしてください。
  • 使える制度を能動的に拾う:自治体や勤務先、加入している保険組合などの情報を自分から探しに行きましょう。
  • 生活防衛資金を確保する:支援の有無にかかわらず、数ヵ月分の生活費を手元に残しておくことが安心感につながります。

予算のニュースは「遠い国の話」ではありません。
ご自身の手取りや支出、将来の備えをアップデートするための「前提条件」として捉えてみてください。

2026年度予算の議論をきっかけに、一度家計の資産計画を見直してみてはいかがでしょうか。



本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。

出典
*1 財務省「令和8年度一般会計歳入歳出概算」
*2 内閣府「令和8年度予算編成の基本方針」
*3 財務省「用語の解説」
*4 財務省「令和8年度財務省所管予算概算が決まりました」
*5 財務省「令和8年度予算のポイント」
*6 参議院(立法と調査)「国会キーワード 暫定予算」
*7 首相官邸「高市内閣総理大臣記者会見」
*8 ロイター「マクロスコープ:冒頭解散なら暫定予算編成も、専門家は「経済メリット少ない」」
*9 野村総合研究所 木内登英「衆院解散と暫定予算:高市政権の支持率の高さが予算成立を早める可能性」
*10 ロイター「焦点:高市解散で予算後ずれ、長期化なら好景気に影響 日銀も動向注視」
*11 内閣府「『強い経済』を実現する総合経済対策(政策ファイル)」
*12 財務省「令和8年度社会保障関係予算のポイント(概要)」
*13 内閣府「『強い経済』を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~」
*14 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」
*15 経済産業省「経済産業省関係 令和8年度当初予算案の概要」
*16 中小企業庁「令和7年度補正予算+令和8年度当初予算 中小企業対策関連予算(概要)」

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