
2025年10月、日経平均株価は史上初めて5万円台を突破しました。*1
株価上昇が続いていることから、「2026年は下落するのではないか」と不安を感じている人もいるかもしれません。2024年から新しいNISAがスタートしていますが、今から始めるのはもう遅いのでしょうか。
この記事では、これまでの日経平均の推移と2026年の見通し、今から新NISAを始めても遅くない理由をわかりやすく解説します。
以下は、近年の日経平均株価の推移です。
出典)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「日経平均株価」
2025年は下落基調でスタートし、3月には大きく下落する局面もありましたが、その後は上昇傾向が続いていることがわかります。
2026年の見通しを考える前に、まずは日経平均に関する直近の主なトピックを確認しておきましょう。
2025年4月2日、米国のトランプ政権が相互関税を発表したことをきっかけに、日経平均は急落した後に乱高下する不安定な展開が続きました。*2
先ほど紹介した日経平均のチャートをみると、株価が大きく動いていることが確認できるでしょう。
4月中旬から日米関税交渉が開始されたこともあって、その後相場は落ち着きを取り戻し、日経平均は上昇に転じました。
2025年10月、日経平均はついに5万円の大台を突破しました。背景にはトランプ関税を巡って日米が合意したことや、高市新政権が掲げる「責任ある積極財政」への期待感、AI市場の拡大などがあります。*1
日経平均が歴史的水準に達したことは、投資家にとって喜ばしいことです。
一方で、株価上昇の勢いに比べて実体経済はそれほど上向いていないとの指摘もあり、物価高や人手不足への対応を早期に進めることが課題になっています。
2026年1月14日には、日経平均が初めて5万4,000円台をつけて取引時間中の最高値を更新しました。「高市首相が衆議院の解散に踏み切るのではないか」との観測が強まり、積極財政による景気の下支えや成長分野への投資の増加が期待できるとの見方が広がったと考えられます。*3
実際に、通常国会の召集日である2026年1月23日に衆議院の解散が決まりました。*4
2026年2月8日投開票の衆議院選挙では、自民党が単独で3分の2を上回る議席を獲得しました。*17
この結果を受けて、2026年2月10日には日経平均の終値が初めて5万7,000円を超え、最高値を更新しました。高市政権が掲げる積極財政への期待が続いているとみられます。*18
2026年の日経平均の値動きを正確に予測するのは困難ですが、特に影響が大きいと考えられる要因は存在します。主な注目点を整理しておきましょう。
2026年2月の衆議院解散総選挙では、高市首相への人気を背景に自民党が大勝しました。安定した政権が続くと判断されれば、日経平均の長期的な上昇につながるかもしれません。2005年の小泉氏、2012年の安倍氏のときには、国民からの高い人気を背景に自民党が大勝し、その後は株高が加速しました。*5
出典)三菱UFJアセットマネジメント「投資環境ウィークリー(2026年1月19日)」
一方で、公約として掲げた政策の実現に時間がかかり、政治への不透明感が強まると、株式市場は調整局面に入る可能性もあるでしょう。
日銀の金融政策は、2026年の日経平均を左右する要因のひとつです。
仮に日銀が大幅な利上げに踏み切れば、企業の資金調達コストが上昇し、株価の上昇余地は限定的になるかもしれません。*6
一方で、緩やかな利上げや現状維持が続く場合、急激な株安につながる可能性は低いと考えられます。
なお、日銀は「現在の実質金利がきわめて低い水準にある」としたうえで、「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との姿勢を表明しています。*7
為替相場も日経平均と密接に関係しています。日本は輸出企業が多く、円安は企業収益を押し上げる要因となるため、日経平均にとってプラス材料になりやすいとされています。反対に、円高になると日経平均は下落する傾向にあります。*8
為替相場は、2国間の通貨の需給バランスで決まります。短期では「衆議院解散総選挙の結果」「中央銀行の為替介入」など、中長期的では「諸外国との金利差」「貿易収支」などが主な変動要因となるでしょう。*9
日本株の値動きは米国株の影響を受けやすいため、米国の政治・経済情勢は重要なポイントといえます。*10
トランプ政権の関税政策や外交姿勢は、世界経済の不確実性を高める要因になり得ます。
米国株が大きく下落することがあれば、日経平均も連動して下落する可能性があるでしょう。逆に米国経済が堅調に推移すれば、日経平均の上昇基調を支える要因となるかもしれません。
日本の株式市場では、売買金額の6~7割を海外投資家が占めています。そのため、海外投資家の動向は、日経平均の値動きに大きな影響を与えるでしょう。*11
2025年の海外投資家の売買は「高市政権の積極財政への期待感」「日本の企業間で資本効率を意識する経営が広がったこと」などを背景に大幅な買い越しとなり、日経平均の上昇を支える要因となりました。2026年も、海外投資家の日本株への高い関心が続くかどうかが注目されます。*12
2025年に日経平均が大きく上昇したため、「今から新NISAを始めるのは遅いのではないか」と感じている人もいるかもしれません。
しかし、新NISAは長期の資産形成を支える制度であり、2024年に制度が拡充されたばかりです。以下のような特徴があるため、将来のためにまとまった資産を作ることが目的であれば、今から始めても遅くはないでしょう。
2023年までのNISAは時限的な制度でしたが、新NISAでは制度が恒久化されました。さらに、従来は最長20年間だった非課税保有期間も無期限となりました。生涯を通じて非課税で運用できるため、より長期的な視点で資産形成に取り組むことが可能です。*13
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能となり、年間投資枠は合計で360万円まで拡大しました。また、生涯を通じての非課税保有限度額1,800万円が新たに設定されました。
つみたてなどを活用し、時間をかけて投資金額を積み上げていくことで、まとまった金額を非課税で運用できます。
複利とは、投資で得た利益を当初の元本にプラスして運用を続けることで得られる利益です。一般的には、長い期間投資を続けるほど、複利の効果によって資産の増え方が大きくなっていきます。*14
新NISAに興味があるなら、早く始めて長く運用を続けることで安定した収益の確保が期待できるでしょう。
日経平均の見通しや相場環境にかかわらず、個人の資産形成では意識したい基本的な考え方があります。ここでは、価格変動の影響を抑えつつ、長期的に資産を育てていくために押さえておきたいポイントを紹介します。
分散投資とは、1つの資産に集中するのではなく、さまざまな資産や地域に分けて投資する手法です。複数の資産に分けて投資することで、1つの資産が値下がりしても、他の資産の値上がりでカバーすることが可能です。分散投資には、以下3つの考え方があります。*15
たとえば、日本株に投資するなら、日本の国債や海外の株式なども組み合わせて運用するのも一案です。
リーマンショックやコロナショックなど、株式市場は歴史的急落と呼ばれる大暴落を何度も繰り返しています。相場が急落すれば、短期的には評価損が膨らむかもしれません。しかし、長期でみると相場は回復しています。*16
短期の値動きに一喜一憂せず、長期にわたってつみたてを続ければ、相場の回復局面で収益を得られる可能性があるでしょう。
日経平均株価は政治情勢や日銀の金融政策、為替相場の動向などさまざまな要因に左右されます。今後の値動きを正確に予測するのは難しいため、新NISAをうまく活用し、分散・長期・つみたてを意識した運用を続けることが有効です。短期の値動きに一喜一憂することなく、長期的な視点で資産形成に取り組んでいきましょう。
本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
本コラムの内容は、特定の金融商品やサービスを推奨あるいは勧誘を目的とするものではありません。
最終的な投資判断、金融商品のご選択に際しては、お客さまご自身の判断でお取り組みをお願いいたします。
出典
*1 NHK「日経平均株価 初の5万円突破も 物価高などへの対応が課題に」
*2 Money Canvas「トランプ関税で株価はどうなる?日米自動車業界への影響は?」
*3 NHK「株価 初の5万4000円台に 終値としても最高値を更新」
*4 NHK「衆議院解散 事実上の選挙戦へ 1月27日公示 2月8日投開票」
*5 三菱UFJアセットマネジメント「投資環境ウィークリー(2026年1月19日)P1」
*6 三菱UFJ銀行「利上げとは?住宅ローンや為替・株価・物価に与える影響をわかりやすく解説」
*7 日本銀行「経済・物価情勢の展望(2026年1月)P8」
*8 三菱UFJeスマート証券「円安になると株価は上がるのか?!為替と株価の関係」
*9 三菱UFJモルガン・スタンレー証券「外国為替について(外国為替の変動要因は?)」
*10 Money Canvas「【2025年9月】アメリカFRBの利上げ・利下げは日本にどう影響する?」
*11 Money Canvas「海外投資家の動向、日経平均にどれくらいの影響を与えている?」
*12 NHK「海外投資家の株式売買 去年は大幅な「買い越し」 株高をけん引」
*13 金融庁「NISAを知る」
*14 金融庁「資産形成の基本」
*15 三菱UFJ銀行「資産運用のキホン 第4章:投資の極意は長期・分散投資」
*16 三菱UFJ銀行「相場急落に負けない!つみたて投資の実力」
*17 NHK「自民 316議席獲得 単独で3分の2超 中道は49議席【開票結果】」
*18 NHK「株価 終値 初の5万7000円超え 最高値更新」
