投資信託とは、多くの投資家から運用資金を集めてひとつにまとめ、運用の専門家が代わりに投資を行い、運用成果を投資額に応じて分配する仕組みの金融商品です。
集めた資金の運用先は、投資信託ごとの運用方針に基づいて投資されます。運用のプロが投資運用を行ってくれるため、個人投資家はただ投資信託を買うだけで良いのです。
投資家は、投資信託を購入するだけで、売却まで自動で運用を行うことができます。
投資した資金は、どのように運用されるのでしょうか?投資信託の運用方法や値段の決まり方など、投資信託の仕組みを解説します。
投資信託には、様々なテーマや運用の対象商品があり、投資する金融商品や運用方針が決まっています。そのため、日本株を投資していた投資信託が、いきなり米国株に投資を行うということはありません。
投資信託の運用方針に則り、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が、銘柄の選定や購入の比率、売却のタイミングなどを運用の指図を行います。
投資家は、自身の投資方針やリスクに応じた投資信託を選べば良いのです。
投資信託には、複数の会社が運用に携わる「契約型投資信託」と、投資を目的とした会社の株式を取得する「会社型投資信託」という2つの形態があります。日本にある多くの投資信託が、契約型投資信託です。
契約型投資信託では、販売会社と運用会社、信託銀行の3者が関わっています。
証券会社や銀行など。投資信託の販売や分配金や償還金の支払いを行う。
ファンドマネージャーが運用方針の決定や指図を行う。投資は行わない。
運用会社の指図に従い、株式や債券への投資運用を行う。
投資信託には、株価と同じように基準価額という価額があります。これが投資信託の購入・売却する際の値段となります。株価などと異なり、投資信託の基準価額は1日1回のみ算出されます。
投資信託の取引を行う際に、口(くち)と呼ばれる単位があり、多くの投資信託は1万口あたりの基準価額を公表しています。
運用開始時点は1口1円の場合が多いため、1万円からいかに上昇しているかが、運用成績を見るひとつの指標になります。
基準価格は、純資産の総額を総口数で割ることで算出されます。純資産総額とは、投資信託が保有する株式や債券などの資産の時価総額で、ファンドの規模を表します。
投資信託には、様々なメリットがあります。
1.少額投資
投資信託は、少額投資というメリットがあります。1万円程度から購入することができる投資信託が多いのですが、100円〜などの少額でも買うことができます。また、月々100〜1,000円など、金額を指定して積み立てを行うことができるようなサービスもあります。2.専門家による銘柄選定
投資信託では、大まかな金融商品や運用方針は、事前に決まっています。また、銘柄選定や保有比率の決定は専門家が行ってくれます。
そして、投資家は過去の運用状況や保有銘柄などの細かな情報を確認することもできます。
3.運用を任せられる
投資信託を購入した後は、分散投資や投資先の入れ替えなどを自身で行う必要がありません。専門家が、運用方針に基づき、保有比率の変更や銘柄の入れ替えを行ってくれるのです。
そのため、投資家はその投資信託を購入し、好きな時に売却するだけで良いのです。
4.個人投資家では難しい投資先への運用が可能
投資信託の運用は、専門家が行います。そのため、個人投資家では運用が難しい不動産や新興国の株式などへの投資を行うことが可能となっています。
投資信託は、少額から投資を始めたい投資初心者向けの金融商品といえます。しかし、注意点があることも押さえておきましょう。
世界的な金融危機であるリーマン・ショックが起きた際には、米国株や日本株の価格が半値ほどにまで落ち込みました。新型コロナウイルスが流行した2020年には、主要な株価指数は30%以上も下落しています。
それでも、5年、10年と長い期間になると主要国の株価は上昇を描いていることがわかります。そのため、投資信託では長い目で見た運用を行うことが大切です。
投資信託を一度に購入するのではなく、複数回に分けて購入したり、毎月一定額を積み立てて購入するなどの運用方法もあります。そうすることで、購入単価を平均化することや時間を分散させることでリスクを軽減させる効果が期待できます。
長期的に資産形成していくためには、購入のタイミングと金額の調整を行うことが投資を成功させるポイントといえそうです。