昨年以降の株式市場で、最も高い人気を集めているテーマのひとつが「海運」です。
例えば、大手海運会社のひとつである日本郵船<9101>の株価は2022年末から今年7月末までの間に約4.3倍に急騰しました。
商船三井<9104>も約3.5倍高、川崎汽船<9107>も約4.6倍高となりました。
この株価急騰の背景にあるのが、業績の急拡大です。
商船三井の前22年3月期の連結純利益は前の期と比べて大きく増加し、過去最高益を更新。さらに配当金の大幅な増額も実施しました。
海運業は、海を利用して貨物や旅客の輸送を行う事業です。食料品や日用品、家電のほか、車やガソリン、工業製品など、あらゆるモノを船で運びます。
新型コロナウイルスの影響でストップしていた経済活動が次々と再開されたことで、世界中の物流は急回復しました。それとともに海上輸送ニーズも急増し、これが海運会社の業績急拡大、さらには株価の急騰へとつながっていったのです。
ただ、絶好調の海運業界も一時は「今期は業績がピークアウトするのでは」(市場関係者)との警戒感が出ていました。実際、商船三井の23年3月期の連結純利益は当初大幅な減益が予想されていました。
しかし、同社は7月下旬に旺盛な貨物需要の継続を理由に同利益予想の上方修正を発表。足もとの業績も大幅増益となり、さらに配当金の増額も公表しました。
海運とは、海を利用した旅客・貨物の輸送を指します。
海洋貿易国家である日本にとって、海運業は非常に重要です。日本の株式市場には多くの海運会社が上場していますが、大手は全て国際海運業を手掛ける企業となっています。国内の旅客を専門にする企業も上場していますが、事業規模は小さい傾向にあります。