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続く株価上昇 もう売るべき?注意すべき点は?
続く株価上昇 もう売るべき?注意すべき点は?

続く株価上昇 もう売るべき?注意すべき点は?

2026/02/01に公開
提供元:大西勝士

日経平均株価が史上初めて5万円の大台を突破するなど、相場は好調に推移しています。株価上昇が続くなか、「今のうちに売って利益を確定すべきか」「このまま持ち続けても大丈夫なのか」と悩む個人投資家は多いのではないでしょうか。

本コラムでは、株価が急上昇した局面で、売却すべきかを判断する基準や注意点について解説します。


株式市場では株価上昇が続く

2025年の株式市場は、短期では乱高下する場面もみられましたが、全体的には上昇基調が続いています。まずは日本市場と米国市場の株価の動きを確認しておきましょう。


日経平均株価は初めて5万円を突破

2025年10月、日経平均株価が初めて5万円を突破しました。*1
日経平均株価の推移は以下のとおりです。


0

出典)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「日経平均株価」


2025年の前半はトランプ関税の影響で株価が乱高下する場面もありましたが、相場は徐々に落ち着きを取り戻しました。*2

その後は、関税交渉で日米が合意に至ったこと、AI市場の拡大、高市政権の経済対策への期待感などを背景に、日本市場では株価上昇が続いています。


NYダウ・S&P500も最高値を更新

日本市場だけでなく、米国市場も好調な相場が続いています。以下はNYダウの推移です。


1

出典)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「NYダウ」


NYダウもトランプ関税の影響で乱高下する場面がありましたが、上昇基調が続いています。直近では、2025年12月24日に最高値を更新しました。米国の雇用情勢が堅調であるとの見方が広がったことが背景にあります。*3

また、米国市場の株価指数の一つであるS&P500も、2025年12月24日に最高値を更新しています。


株価上昇が続いたらもう売るべき?

株価が上がり続けると、「今が売り時ではないか」と考えるかもしれません。しかし、売却の判断は投資目的や運用期間によって大きく異なります。売却を考える際は、以下のポイントを押さえておくことが大切です。


利益確定するのも1つの戦略

購入した株式や投資信託が値上がりして含み益が生じていても、売却しなければ利益は確定しません。*4
将来は株価が下落する可能性もあります。短期売買を前提にしている場合や目標の株価に達した場合は、利益確定するのも1つの戦略といえるでしょう。*5


株価の変動に一喜一憂しない

ただし、「大きく値上がりしたから」という理由だけで、何となく売却するのは避けたほうがよいかもしれません。*6
特に教育費や老後資金の準備などを目的に、長期の資産形成に取り組んでいる場合、売却タイミングは慎重に判断する必要があります。

株式は値上がり益だけでなく、保有中は定期的に配当を得られます。運用で得られた利益を元本に組み入れて長期的に運用すると、複利効果によって資産を効率よく増やせるメリットもあります。*7

株価はさまざまな要因で変動するため、今後どのように推移するかを予測するのは困難です。また、いつ売れば利益を最大化できるかを事前に知ることもできません。*8
短期的な株価の変動に一喜一憂せず、売却タイミングを冷静に見極める必要があるでしょう。


自分なりの売却ルールを決めておく

「もう売るべきか」「まだ持ち続けるべきか」といった迷いを減らすには、あらかじめ自分なりの売却ルールを決めておくことが有効です。例えば、「購入時の価格から〇%上昇したら売る」「目標金額を達成したら売る」といったルールが考えられます。*4 *8

事前に基準を決めておくことで、相場環境に左右されにくくなり、計画的な資産運用につながります。


株式や投資信託の適切な売却タイミングは?

売却を検討する際は、「株価が上がったかどうか」だけでなく、自身のライフプランや資産全体の状況を踏まえて判断することが重要です。ここでは、一般的に考えられる4つの売却タイミングを紹介します。


資金が必要になったとき

そもそも資産形成は、将来のライフイベントに必要なお金を準備するために行うものです。*9
そのため、住宅購入や教育費、老後の生活費、病気やケガの医療費など、生活のなかで資金が必要になったときは適切な売却タイミングといえるでしょう。

資金が必要なタイミングが事前にわかっている場合は、その数年前からタイミングを分散して売却することでリスクの低減につながります。


目標金額(リターン)を達成したとき

長期の資産形成では、「子どもの大学入学までに500万円」「定年退職するまでに2,000万円」のように目標金額を設定しているかもしれません。
個別株への投資であれば、「購入時から〇%上昇したら売る」といったルールを設定している人もいるでしょう。

株価が上昇した結果、目標金額・リターンを達成したときも売却を検討するタイミングです。*8

目標達成後も資産を増やしていきたい場合は、そのまま運用を継続するか、利益を確定して投資対象を変更するかを考える必要があるでしょう。


当初の資産配分が崩れたとき(リバランス)

複数の資産に分散投資をしている場合、相場変動の影響で当初の資産配分が崩れることがあります。その際、値上がりした資産を売却し、値下がりした資産を買い増すことで配分を元に戻すことをリバランスといいます。*10


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出典)三菱UFJ銀行「投資信託の見直し」


定期的にリバランスを行うことで、投資のリスクを抑え、リターンを安定化させる効果が期待できます。

株価上昇によって資産配分が大きく変わった場合は、株式を売却してリバランスを行うことを検討するとよいでしょう。


リスク許容度が変化したとき

リスク許容度とは、投資をする際に「どの程度の価格変動(損失額)を受け入れられるか」の度合いのことです。リスク許容度には個人差があり、一般的には年齢、収入、保有資産、本人の性格や投資経験によって変わります。*11

例えば、定年退職を迎えて年金収入のみとなれば、これまでよりもリスク許容度は下がるかもしれません。その場合、保有中の株式や投資信託を一部売却してリスク資産の割合を減らし、預貯金の割合を増やすことが選択肢として考えられます。


株価が急落した場合はどうする?

株価が急上昇した後には、急落する局面が訪れることもあります。株価急落に対する心構えができていないと、慌てて売却してしまうかもしれません。しかし、将来に向けた資産形成が目的の場合は、短期的な変動に一喜一憂せず、長期的な視点で運用に取り組むことが重要です。*12

積立投資の場合、株価急落は安く買える機会と捉えることもできます。株価が下がっているときも積み立てを続ければ平均購入単価が下がり、株価の上昇局面で利益を得られる可能性が高まります。


まとめ

株価が急上昇した局面では、「売るべきか、それとも持ち続けるべきか」と悩むかもしれません。しかし、自分なりの売却ルールを設定しておけば、短期的な変動に惑わされずに済みます。株価上昇局面だからこそ、あらためて投資スタンスを見直し、長期的な視点で資産形成を考えていきましょう。



本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
本コラムの内容は、特定の金融商品やサービスを推奨あるいは勧誘を目的とするものではありません。
最終的な投資判断、金融商品のご選択に際しては、お客さまご自身の判断でお取り組みをお願いいたします。

出典
*1 NHK「日経平均株価 初の5万円突破も 物価高などへの対応が課題に」
*2 Money Canvas「トランプ関税で株価はどうなる?日米自動車業界への影響は?」
*3 NHK「NY株式市場 ダウ300ドル近い値上がり S&P500も最高値を更新」
*4 三菱UFJeスマート証券「株の売りタイミングの見極め方」
*5 投資信託協会「投資信託なんでもQ&A 気になる100選(Q.保有中の投資信託が値上がりしているので、売却して利益を確定し、他の投資信託へ乗り換えることを検討しています。注意点を教えてください。)」
*6 投資信託協会「投資信託なんでもQ&A 気になる100選(Q.大きく値上がりしているときの売却の判断はどうすればいいですか。)」
*7 三菱UFJ銀行「複利とは?複利の効果や計算式、有効な活用法をわかりやすく解説」
*8 三菱UFJ信託銀行「投資信託、いつ売却したらいい?」
*9 三菱UFJ銀行「第1章:資産運用の必要性」
*10 三菱UFJ銀行「投資信託の見直し」
*11 三菱UFJ信託銀行「リスク許容度とは?~自分に合う投資対象・投資金額を考えよう~」
*12 Money Canvas「株価急落・反発が起こったらどうすればいい?資産運用中の心構えと対処法を紹介」


大西 勝士
おおにし かつし

金融ライター(日本FP協会 AFP認定者)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで記事を執筆中。得意領域は投資信託、不動産、税務。

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