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【弁護士が解説】車にバイク…学生ローンはやめたほうがいい?注意点は?
【弁護士が解説】車にバイク…学生ローンはやめたほうがいい?注意点は?

【弁護士が解説】車にバイク…学生ローンはやめたほうがいい?注意点は?

19時間前に公開
提供元:阿部由羅

学生ローンは収入の少ない学生でも利用できるメリットがある反面、借りられる額が少ない点や、金利が高い点などのデメリットがあります。
借り過ぎると返済困難になるおそれがあるので、安易な利用は避けましょう。

本記事では学生ローンについて、メリット・デメリットや利用する際の注意点、お金を得るための代替手段などを解説します。


学生ローンとは?

「学生ローン」が何を意味するかは明確に定まっていませんが、一般的には「学生本人に対して貸金業者がお金を貸すサービス」を指すと考えられます。
「貸金業者」とは、金融庁の登録を受けてお金を貸す営業を行う事業者です。いわゆる「消費者金融」などが貸金業者に当たります。

大手を中心とした消費者金融業者は、学生でも利用できるローンを提供しています。
特に「学生ローン」などの名称は付されておらず、社会人などと同じプランで利用できるものが多いです。なおほとんどの消費者金融では、利用可能年齢が20歳以上とされています。
本記事では便宜上、このような消費者金融のローンも「学生ローン」として取り扱います。

そのほか、学生ローンを専門的に取り扱っている貸金業者もいます。利用可能年齢は貸金業者が独自に設定していますが、18歳から利用できるものもあります。

なお貸金業者と銀行は、営業のために必要となる許認可が異なっています(貸金業者は登録制、銀行は免許制)。
多くの銀行は、学生本人が利用できる「教育ローン」を提供しています。銀行の教育ローンと貸金業者の学生ローンは多くの点で異なるので、本記事では区別して取り扱います。


学生ローンのメリット・デメリット

学生ローンのメリットは、収入の乏しい学生でも利用できることがある点です。

一般的なローンは、安定した収入の得られる職業に就いていなければ、審査に通りにくい傾向にあります。これに対して学生ローンは、比較的審査が緩いため、アルバイト収入しかない学生でも借りられることがあります。

また、学生ローンの審査は短期間で済むことが多く、即日でお金を借りられるケースもあるようです。すぐにお金が必要な場合には、学生ローンの利用が選択肢の一つになり得るでしょう。

ただし、学生ローンは金利が高めに設定されています。
貸金業者によりますが、年15~18%程度に設定されているものが多いです。これは利息制限法の上限値か、またはそれに近い割合に相当します。

銀行のローンなどと比べても、学生ローンの金利は高い傾向にあります。借入額が多い場合や、返済期間が長い場合には、金利の負担が大きくなりやすいので十分ご注意ください。


学生ローンを利用する際の注意点

学生ローンを利用する際には、特に以下の2点に注意しましょう。


  • 金利が高いローンは、元本が減りにくい
  • 借り過ぎると返済困難になるおそれがある

金利が高いローンは、元本が減りにくい

事業者から借りるローンを返済する際には、返済額がまず利息に充当され、残った額が元本の返済に充てられます。
したがって金利が高い場合は、元本が減るスピードが遅くなります。

たとえば、50万円を年利18%で借りたとします。この場合、最初の1か月間にかかる利息は約7500円です。
もしその月に1万円しか返さないとすれば、そのうち7500円が利息の支払いに充てられるので、元本は2500円しか減りません。


新たに借り入れをしなければ、元本はだんだん減っていくので、金利の負担は徐々に軽くなります。しかし上記の例だけでも、金利の高いローンは元本が減りにくいことが分かるでしょう。

特に学生ローンは、銀行のローンなどと比べると金利が高い傾向にあります。利用すべきかどうかは、金利の負担を十分に考慮したうえで判断してください。


借り過ぎると返済困難になるおそれがある

学生ローンの借入額が大きくなると、自分の力だけでは完済が難しくなることがあります。親に黙って学生ローンを借りる人もいるようですが、完済が難しくなれば親のサポートを得る必要が出てくるでしょう。

どうしても解決できなければ、弁護士や司法書士に相談して「債務整理」を行うことも考えられます。
しかし、債務整理には費用がかかるうえに、その後数年間はローンやクレジットカードが利用できなくなるなどの不利益が伴います。

このような事態に陥らないように、学生ローンの借り過ぎは危険であることを十分理解して、計画的な利用を心がけましょう。


学生ローン以外に、学生がお金を得る方法

お金を必要としている学生にとって、学生ローンはすぐにお金を得られる便利な方法であるものの、金利が高いのが大きな難点です。
できれば学生ローン以外の方法を検討した方が、将来的な負担の軽減に繋がります。

学生ローン以外に、学生がお金を得る方法としては以下の例が挙げられます。自分の状況に応じて、現実的な方法を検討してみてください。


  • 親の援助
  • アルバイトなどの仕事
  • 教育資金の借り入れ

親の援助

親を頼れる状況であれば、お金が必要な理由を伝えて相談してみましょう。事情を理解してもらえば、仕送りを増やすなどの援助を受けられることがあります。

親の援助を受けられるなら、感謝しつつ甘えることは決して恥ずかしくありません。
お金に関する心配を減らして、学生の本分である「学び」に集中できるようになるならば、多くの親はそれが望ましいと考えるものです。


アルバイトなどの仕事

自力でお金を得る必要がある場合、最も真っ当な方法はやはり働くことです。学生の本分が損なわれない範囲内で、空いている時間で働くことを検討しましょう。

最近では、飲食店や家庭教師などのアルバイトに応募する以外にも、学生が仕事を見つけられる方法がふえてきました。

たとえばインターネット上には、仕事をしたい人と人手を探している事業者をマッチングするサイトがあります(クラウドソーシングサイト、マッチングサイトなど)。
経験がなくてもすぐにできる、短時間でも取り組みやすい仕事が数多く募集されています。自分のできる仕事を見つけて、取り組んでみましょう。


教育資金の借り入れ

学生ローンとは異なり用途は限られますが、以下のローンを利用することも考えられます。


  • 奨学金(日本学生支援機構)*1
  • 銀行の教育ローン
  • 国の教育ローン(日本政策金融公庫)*2

これらのローンは原則として、教育に要する費用の支払いにのみ充てることができます。したがって、食費や遊興費などに充てることはできません。
しかし、教育費に充てていたお金がローンによってカバーされれば、浮いたお金を食費や遊興費などに回すことができるでしょう。

ただし、上記の各ローンを利用する際には、親の協力が必要になることが多いです。ローンを利用したいなら、親と十分話し合うことをおすすめします。


まとめ

学生ローンはすぐにお金を借りられるものの、金利が高いので将来的な返済負担が重くなります。
また、借り過ぎると返済が困難になって、親に迷惑をかけたり、自己破産に追い込まれたりするおそれがあるので要注意です。計画的な利用を心がけましょう。



本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。

出典
*1 独立行政法人日本学生支援機構「奨学金」
*2 日本政策金融公庫「国の教育ローン」


阿部 由羅
あべ ゆら

ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。

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