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銀行印を変更する時の注意点は?必要な手続きと合わせて弁護士が解説
銀行印を変更する時の注意点は?必要な手続きと合わせて弁護士が解説

銀行印を変更する時の注意点は?必要な手続きと合わせて弁護士が解説

2025/04/29に公開
提供元:阿部由羅

銀行印を変更する際には、銀行の窓口で所定の手続きを行う必要があります。具体的な手続きの内容については、各銀行のウェブサイトで確認するか、または最寄りの銀行支店にお問い合わせください。

本記事では、銀行印に関する基本的な知識や、銀行印の変更手続きなどを分かりやすく解説します。


銀行印とは?

「銀行印」とは、銀行などの金融機関で取引を行う際に用いる印鑑です。印鑑レス口座を除き、銀行における取引の際には銀行印を押すことが求められます。


銀行印が必要とされている理由

銀行口座を開設する際には、銀行印を登録するのが一般的です。

銀行印は、利用者が銀行との間で取引を行う際、銀行側による本人確認を受けるために用いられます。銀行印の印章を本人が適切に管理していれば、その銀行印が押されたことをもって本人であることが確認できます。

ただし、銀行印以外の方法でも本人確認を行うことはできるため、近年では印鑑不要の「印鑑レス口座」が普及しつつあります(後述)。


銀行印はどの印鑑(印章)でもいい?

銀行印として用いる印鑑は、基本的にはどの印章によるものでも構いません。フルネームのもの、苗字だけのもの、名前だけのものなどを自由に登録することができます。

ただし、印鑑の偽造を防止する観点からは、ある程度複雑な書体が用いられたものを銀行印として登録することが望ましいでしょう。
また、シャチハタやゴム印などは印面が劣化しやすいため、銀行印としての登録はできないケースが多いです。


銀行印の適切な管理方法

銀行印による本人確認は、本人でなければ印章を使用できないことが前提となっています。
そのため、銀行印の印章は厳重に管理しなければなりません。たとえば、鍵のかかる引き出しやキャビネットなどに保管することが考えられます。

たとえ家族であっても、自分の銀行印を勝手に使わせることがないようにしましょう。


銀行印を変更すべきケースは?

銀行印を変更すべき場合としては、以下のようなケースが挙げられます。


  • 苗字が変わった場合
  • 銀行印を紛失・破損した場合
  • 日常的に用いる印鑑を変えた場合

苗字が変わった場合

結婚や養子縁組などで苗字が変わると、銀行口座に関して氏名変更の手続きを行う必要があります。

一方、銀行印に関しては、苗字が変わっても変更が必須ではなく、旧姓の銀行印を引き続き使用することもできます。
登録されている印鑑と押された印鑑が一致しているかどうかを確認するだけなので、旧姓の印鑑でも支障がないためです。

しかし、新しい苗字の印鑑を使う機会が増えるようであれば、銀行印についても新しい苗字のものに変更した方が便利と思われます。
そのため、旧姓入りの銀行印を使っていた場合は、氏名変更の手続きと併せて銀行印の変更も申請する方が多くなっています。


銀行印を紛失・破損した場合

銀行印の印章を紛失した場合は、登録された銀行印をそのままにしていると、誰かに悪用されてしまうおそれがあります。
速やかに銀行に連絡するか、または窓口に行って銀行印の利用停止の手続きを行いましょう。

また、銀行印の印面が破損した場合は、その銀行印によって本人確認を受けることができなくなります。銀行の窓口に行って、銀行印の変更手続きを行いましょう。


日常的に用いる印鑑を変えた場合

銀行印は、普段から認印として使っているという方も多いでしょう。
この場合、何かのきっかけで普段から使っている印鑑を変えたときは、銀行印についても変更することをお勧めします。

銀行の窓口に行って印鑑を押したところ、普段から使っている印鑑を変えたことを忘れていた……と二度手間になってしまうかもしれません。
そうならないように、早めに銀行の窓口で銀行印の変更手続きを行いましょう。


銀行印を変更する手続き

銀行印を変更する際の手続きは銀行によって異なりますが、緊急性が高い紛失時と、それ以外の場合で分かれているのが一般的です。

三菱UFJ銀行における銀行印の変更手続きの流れを紹介します。*1


紛失により銀行印を変更する際の手続き

銀行印を紛失した場合は、「かんたん手続アプリ」または電話によって銀行印の利用停止を申請することができます。


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「かんたん手続アプリ」を利用すると、24時間365日(毎月第2土曜日21:00~翌朝7:00を除く)、いつでも来店不要ですぐに銀行印の利用を停止することができます。
「かんたん手続アプリ」で銀行印の利用を停止した場合は、印鑑レス口座に切り替えることになります。

電話による銀行印の利用停止申請も、24時間365日受付が行われています(毎月第2土曜日21:00~翌朝6:40を除く)。
電話で銀行印の利用を停止した場合は、後日銀行の窓口に行って新しい銀行印を登録することになります。

銀行印を紛失した場合の詳しい手続きについては、三菱UFJ銀行のウェブサイトをご参照ください。*1


紛失以外の理由で銀行印を変更する際の手続き

紛失以外の理由で銀行印を変更する場合は、銀行の窓口で手続きを行う必要があります。変更手続きを行った当日から、新しい銀行印を使用することができます。

印鑑変更手続きについて必要になるものは、以下のとおりです。


  • 通帳(Eco通帳(インターネット通帳)の場合、キャッシュカード)
  • 変更前の銀行印
  • 新しく登録する印鑑(シャチハタ印は不可)

銀行印を変更する場合の詳しい手続きについては、三菱UFJ銀行のウェブサイトをご参照ください。*1


銀行印が不要な「印鑑レス口座」への切り替えも可能

近年では、銀行印を登録する必要がない「印鑑レス口座」が普及してきています。
印鑑レス口座の主なメリットは、銀行の窓口へ印鑑を持参する必要がない点と、銀行印の盗難や紛失のリスクがない点です。

印鑑レス口座に切り替えた場合は、銀行印の代わりにICキャッシュカードで本人確認を行います。
なお、紙の通帳は使えなくなり、入出金履歴はインターネット上で確認することになります。

三菱UFJ銀行では、銀行印を紛失した際に「かんたん手続アプリ」を通じて利用停止申請を行った場合は、必ず印鑑レス口座へ切り替えることになります。
また、銀行印の紛失時以外でも「かんたん手続アプリ」を通じて手続きを行えば、印鑑レス口座に切り替えることができます。

印鑑レス口座に切り替える場合の詳しい手続きについては、三菱UFJ銀行のウェブサイトをご参照ください。*2


本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。

出典
*1 三菱UFJ銀行「印鑑紛失・盗難時、印鑑変更のお手続き」
*2 三菱UFJ銀行「印鑑レス口座について」


阿部 由羅
あべ ゆら

ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。

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