借金で苦しまないようにするためには、収入に見合った借入額に抑えることが大切です。事前に収支のシミュレーションを行って、借り過ぎを防ぎましょう。
もし借り過ぎてしまって返せない状態にある場合は、「債務整理」をご検討ください。
本記事では、お金の借り過ぎを防ぐための考え方や、借り過ぎてしまった場合の対処法などを解説します。
お金を借り過ぎると、いずれは返済が困難になる可能性が高いです。借り過ぎを防ぐためには、以下のような対策を行いましょう。
お金が足りないからといって、すぐに銀行や消費者金融などからお金を借りようとする思考になっている場合は危険です。
安易に借り入れを利用し過ぎた結果、借入額が想定以上に膨らみ、返済困難になってしまうリスクが高いと思われます。
お金を借りる前に、以下のような別の方法で資金不足を解消できないか検討しましょう。
など
お金を借りる際には、無理のない返済計画を立てることが大切です。そのためには、毎月の収支をリストアップして、返済に回せる金額がどのくらいあるのかを確認しましょう。
借入れを利用する際には、「年収の3分の1」というラインを目安にするとよいでしょう。
消費者金融などの貸金業者には「総量規制」が適用され、利用者の年収の3分の1を超える額を貸し付けることは禁止されています。*1
年収の3分の1を超える借り入れは、原則として返済能力を超えてしまうと考えられるためです。
銀行カードローンなどは総量規制の対象外ですが、貸金業者からの借金と同じく、いずれは返す必要があるものです。
総量規制に準じて、すべての借り入れを合算しても年収の3分の1を超えないようにすることをお勧めします。
生活費などの不足を借金によって工面しているうちに、気づいたらお金を借り過ぎていて、返済困難に陥ってしまう方はたくさんいらっしゃいます。
お金を借り過ぎてしまって返せないときは、親族などに援助をお願いするのが一つの方法です。しかし、借金グセのある人に対しては、いくら親族といえども、快くお金を貸してくれるケースは少ないでしょう。
自力で借金を返すことが難しく、親族から援助を受けることもできない場合は、「債務整理」を検討しましょう。
債務整理とは、債権者との交渉や裁判手続きを通じて、借金などの負担を軽減することです。弁護士などのサポートを受けて債務整理を行えば、借金の負担を大幅に軽減できる可能性があります。
債務整理手続きには、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があります。
各手続きにはメリットとデメリットの両面があるので、状況に応じて適切に使い分けましょう。
任意整理は、銀行や貸金業者などの金融機関と交渉して、借金の返済スケジュールを変更する手続きです。利息や遅延損害金などをカットした上で、無理のない回数の返済計画を合意する例がよく見られます。
任意整理の主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
<任意整理のメリット>
<任意整理のデメリット>
個人再生では、裁判所で行われる再生手続きを通じて、返済計画に基づいて債務を圧縮します。100万円を超える債務を負っている場合は、個人再生によって債務の減額が認められる可能性があります。
個人再生の主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
<個人再生のメリット>
<個人再生のデメリット>
自己破産は、債務者の財産を処分して債権者へ配当した後、残った債務を免除する手続きです。
十分な収入や財産がない場合は、自己破産が最有力の選択肢となります。
自己破産の主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
<自己破産のメリット>
<自己破産のデメリット>
借金の返済が苦しく困っている方は、以下の窓口などへ相談しましょう。
債務整理によって借金問題を解決したいなら、相談相手としては弁護士が適任です。無料相談を受け付けている弁護士に連絡して、借金問題の解決方法を相談してみましょう。
弁護士へ正式に依頼する際には費用がかかりますが、資産と収入がいずれも一定水準以下の方は、法テラスを利用すると弁護士費用の額を抑えることができます。
また、法テラスに弁護士費用を立て替えてもらうことも可能です。
弁護士に依頼したいけれど、依頼費用を捻出することが難しい場合は、法テラスの利用をご検討ください。
借金返済が困難な状況に陥らないためには、まずお金を借り過ぎないことが重要です。
お金を借りる前に、副業や節約、親族の援助など別の解決方法を検討しましょう。
やむを得ずお金を借りる場合は、毎月の収支をシミュレーションした上で、無理のない範囲内に借入額を抑えるべきです。
すでに作っている借金が返済困難となった場合は、債務整理によって状況の改善を図りましょう。
任意整理・個人再生・自己破産という3種類の手続きの中から、ご自身の状況に合ったものを選択すれば、効果的に借金の負担を軽減できます。
本コラム執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。
出典
*1 日本貸金業協会「お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)」
*2 法テラスHP
*3 日本貸金業協会「貸金業相談・紛争解決センターについて」
*4 日本クレジットカウンセリング協会「多重債務ほっとライン」