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【獣医師監修】犬が牛乳を飲んでも大丈夫?人間用はダメ?加熱や薄めるべき?適量や与え方も!
【獣医師監修】犬が牛乳を飲んでも大丈夫?人間用はダメ?加熱や薄めるべき?適量や与え方も!

【獣医師監修】犬が牛乳を飲んでも大丈夫?人間用はダメ?加熱や薄めるべき?適量や与え方も!

2023/07/29に公開
提供元:hotto

日本人にとって身近な飲み物である、牛乳。ヨーグルトや牛乳が大好きな犬も多いですよね。栄養満点なイメージですが、犬は牛乳を飲んでも大丈夫でしょうか?犬用の牛乳を選ぶべき?飲ませるときは加熱したり薄めるほうがいい?牛乳の食材としての特長や注意点、適量などを詳しく解説します。


犬が牛乳を少量なら飲んでも大丈夫!

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犬は牛乳を少量なら飲んでも大丈夫です!

犬が牛乳を飲んで下痢をする理由は?

現代日本の学校給食でほぼ毎日出され、身近な飲み物である、牛乳。


栄養満点なイメージがあり、牛乳が大好きな犬も多い一方で、愛犬に牛乳を飲ませたら下痢をしてしまった、という人もいるかもしれません。


牛乳には、乳糖(ラクトース)をはじめとする糖分が約40%(乾物あたり)含まれています。


人乳にも乳糖が約60%含まれているのに対し、犬乳にはその半分くらいしか含まれておらず、犬はもともと乳糖を分解する酵素であるラクターゼを多く持ち合わせていません。


そのため、犬が乳糖の多い牛乳を飲むと、消化しきれない乳糖が消化管の中に残ってしまい、その乳糖が体から水分を引き寄せて、下痢を引き起こします。


また、小腸から大腸に移動した乳糖を、腸内細菌が利用してガスを産生するため、ゴロゴロ、キュルキュルとお腹が鳴ることがあります。


こうして、犬が牛乳を飲むと、おならや軟便、下痢、血便、お腹が痛くて震えるといったことが起こるのです。


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人間も犬も成長すると、哺乳する必要がなくなるので、一般的には乳糖を分解する酵素ラクターゼが低下してきます。


そのため、成人・成犬は乳糖不耐症を示しやすくなり、牛乳を飲むと下痢をしやすくなります。


人間では、特に東洋人は乳糖不耐症が多いと言われています。


とはいえ、成犬であれば牛乳を少量飲んだり、ちょっと舐めたりする程度なら、大丈夫です。


牛乳が大好きな犬が水を飲まない場合に水分補給のために薄めた牛乳を飲ませたり、ご飯を食べない場合に薄めた牛乳をいつもの食事にかけたりしても、問題ありません。


ただし、哺乳中の子犬に、犬乳の代わりに牛乳を飲ませるのは、下痢をしやすいだけでなく栄養不足になる可能性があるので、やめましょう。


犬に【人間用・猫用】の牛乳を与えてはダメ?【加熱】や【薄める】べき?

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犬に【人間用・猫用】の牛乳を与えてはダメ?

成犬に人間用の牛乳を与えても、少量なら大丈夫です!


前述のように、犬が牛乳を飲むと下痢しやすいですが、成犬に薄めて少量飲ませる程度なら問題ありません。


また、猫向けに加工された「猫用牛乳」も、成犬に与えて大丈夫です!


猫用牛乳は、犬用の牛乳と同様、乳糖が取り除いてあるため、成犬に与えても下痢しにくいです。


犬に牛乳を与える場合【加熱】するべき?

下痢をしにくい牛乳の与え方として、加熱してから飲ませる方法があります。


牛乳を温めて愛犬に飲ませると、消化管に負担がかかりにくく、乳糖を分解する酵素ラクターゼが働きやすくなります。


牛乳を60℃以上に加熱するとタンパク質の変性が起こる可能性があるので、人肌ぐらいの50℃程度に温めるといいでしょう。


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犬に牛乳を与える場合【薄める(水など)】べき?

牛乳を水などで薄めて犬に飲ませるのも、下痢をしにくい与え方として有効です!


その他に、乳糖不耐症で下痢を起こさせにくい与え方としては、一気に飲ませるのではなく少しずつ飲ませることで、乳糖を分解しやすくする方法もあります。


また、毎日少量ずつ飲ませることで、消化管のラクターゼが増えて下痢しにくくなります。


「アカディ」など乳糖を分解してある牛乳を与える、牛乳にラクターゼのサプリメントなどを混ぜて飲ませるといった手もあります。


ただ、どうしても必要でなければ、犬に無理に牛乳を飲ませる必要はありません。


犬に【低脂肪牛乳】【コーヒー・チョコレート牛乳】【ヤギミルク】を飲ませても大丈夫?

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犬に【低脂肪牛乳】を飲ませても大丈夫?

犬に低脂肪牛乳を、少量なら飲ませても大丈夫です!


低脂肪牛乳や脱脂粉乳は、牛乳を遠心分離して、脂肪分を減らしたり取り除いたりして作ります。


脂肪が少なくなる分カロリーは低下しますが、普通の牛乳に含まれる乳糖が100gあたり4.4gに対して、脱脂乳は4.6g、低脂肪牛乳は4.9gと、乳糖の量はむしろ増加します。


普通の牛乳同様、成犬に薄めて少量飲ませる程度なら、問題ありません。


犬に【コーヒー・チョコレート牛乳】を飲ませても大丈夫?

犬にコーヒー牛乳やチョコレート牛乳を飲ませてはいけません。


コーヒーには「カフェイン」、チョコレートには「テオブロミン」という、犬にとっての刺激物質、中毒物質が入っています。


犬が口にすると、「興奮」「発熱」「けいれん」「多尿」「下痢」「嘔吐」などを起こす可能性があるので、飲ませないようにしましょう。


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犬に【ヤギミルク】を飲ませても大丈夫?

犬にヤギミルクを、少量なら飲ませても大丈夫です!


ヤギミルクは、成分的には牛乳とほとんど変わりませんが、牛乳に比べて「乳糖不耐症」で下痢を起こしにくいと言われています。


牛乳同様、哺乳中の子犬には与えないでください。


犬に【ヨーグルト】を食べさせても大丈夫?

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犬にヨーグルトを食べさせても大丈夫です!


ヨーグルトは、乳酸菌によって乳糖が乳酸に変化しており、牛乳に比べて乳糖が20%かそれ以上減っています。


そのため、牛乳を飲むと下痢しやすい犬でも、ヨーグルトなら下痢しないこともあります。


ただし、特に加糖されたヨーグルトは高カロリーなので、カロリーの摂りすぎに気をつけましょう。


犬がタバコや乾燥剤を誤飲した時に【牛乳】を与えると効果がある?

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犬がタバコや乾燥剤などの有毒性の物質を誤飲したときに、「牛乳を与えると胃に膜ができて毒物の吸収を少なくできる」といった記事がインターネット上で見られます。


しかし、犬が有害な物質を飲み込んでしまった場合、飲料を飲ませると逆に中毒物質を吸収しやすくなるため、避けたほうがいいです。


異物はできるだけ早く吐き出させたいところですが、オキシドールなどを飲ませて吐かせるのはかえって愛犬の負担になります。


できるだけ早く動物病院へ連れて行きましょう。


【子犬】や【老犬】に牛乳を与えても大丈夫?

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【子犬】に牛乳を与えても大丈夫?

子犬に牛乳を与えないほうがいいでしょう。


牛乳は、乳糖の量が100gあたり4.4gと、3.1gの犬乳に比べて多く含んでいます。


そのため、乳糖分解酵素ラクターゼを多く持ち合わせていない子犬は、牛乳を飲むと下痢をしやすいです。


また、牛乳は100gあたりの脂肪3.8g、タンパク質3.3gなのに対して、犬乳は脂肪12.9g、タンパク質7.9gと2倍以上と、成分が違います。


そのため、哺乳中の子犬に犬乳の代わりに牛乳を与えると、「栄養不足」になる可能性もあります。


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人間用の粉ミルクは、牛乳よりもさらに炭水化物や乳糖の量が多く、哺乳中の子犬には与えるべきではありません。


哺乳中の子犬には、犬用のミルクを飲ませるようにしましょう。


離乳食が終わり、成長期の食事になったら、薄めた牛乳を少量飲ませても大丈夫です。


ただ、消化の弱い犬などに無理に牛乳を飲ませる必要はありません。


【老犬】に牛乳を与えても大丈夫?

老犬に牛乳を与えないほうがいいでしょう。


老犬の場合、乳糖分解酵素ラクターゼの量が減ってくるため、乳糖を分解する能力が低下し、牛乳を飲むと下痢をしやすくなります。


牛乳を飲んで便がゆるくなるなら、すぐに与えるのをやめましょう。


また、老犬になると慢性腎臓病にかかるなど、腎臓が弱ってきます。


腎臓が悪い老犬には、タンパク質の多い牛乳を与えるのは避けたほうがいいでしょう。


牛乳の【特長】、犬への【効果】は?

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牛乳の特長・効果①【栄養バランス満点】

牛の赤ちゃんが育つための食料である牛乳には、糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルという5大栄養素がバランスよく含まれ、準完全栄養食品と言われています。


ミネラルの中ではカルシウムを多く含み、さらにカルシウムの吸収を助けるタンパク質カゼインも豊富です。


人間の初乳に多く含まれ、生体防御や健康維持・増進に重要な役割を果たすタンパク質ラクトフェリンも含んでいます。


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牛乳の特長・効果②【肝臓病ケア】

牛乳は良質なタンパク質をバランスよく含んでおり、タンパク質中のアミノ酸バランスの指標である「アミノ酸スコア」は満点の100。


また、牛乳は体で使用しやすい必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンの分枝鎖アミノ酸(BCAA)の割合が多いのが特徴です。


肝臓の状態が悪くなると、アミノ酸のうちフェニルアラニン、チロシン、トリプトファンといった芳香族アミノ酸が増加しますが、これを是正するには分枝鎖アミノ酸を食事で加えるのがよいと言われています。


そのため、牛乳を摂ることは、肝臓病のケアになると考えられます。


犬に牛乳を与える際の【注意点!】

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牛乳の注意点①【乳糖不耐症】

犬は、牛乳に豊富に含まれる乳糖を分解する「ラクターゼ」という消化酵素が少ないため、乳糖を摂取すると下痢をしてしまうことがあります。


下痢をしてしまったとしても、一過性のものであればそれほど心配はありません。


愛犬が牛乳を飲むと毎回下痢をするようなら、ラクターゼが少ないか、乳製品アレルギーの可能性があるので、牛乳を与えるのはやめておきましょう。


牛乳の注意点②【アレルギー】

犬の乳製品アレルギーは比較的多く見られ、その原因は乳製品に含まれる「タンパク質」であると考えられています。


もし牛乳を飲んだ後に、下痢や嘔吐をするだけでなく、口や目、耳のまわり、脇の下、内股などの皮膚が赤くなったり、かゆがったりといった症状が出たら、「アレルギーの可能性」があるので、飲ませるのをすぐにやめましょう。


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牛乳の注意点③【カロリー】

飲み物なので忘れがちですが、牛乳は100gあたり63kcalと、意外と”高カロリー” です。


つい飲ませすぎて「カロリーオーバー」とならないよう、適量を意識し、牛乳を飲ませた場合は必ず牛乳分のカロリーを食事から差し引くようにしましょう。


犬に牛乳を与える際の【適量】は?(小型犬・中型犬・大型犬)

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犬に牛乳を与える場合、どのぐらいが適量なのでしょうか?


ペットフード公正取引協議会の指針によると、犬のおやつや間食は、原則として「1日当たりの給餌量(カロリー)に対して、多くても20%までに抑える」ことが望ましいとされています。


その実際の分量は、避妊・去勢をした健康な成犬の場合、以下です。


犬に牛乳を与える際の【適量(目安)】

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カロリーで計算すると、体重10kgの柴犬で「200ml、約コップ1杯まで」ということになりますが、実際にはこの半分ぐらいまでにしておいたほうがよさそうです。


犬に牛乳を飲ませたら、必ず牛乳分のカロリーを食事から減らすようにしてください。


また、「乳糖不耐症」や「乳製品アレルギー」のある犬は、少量でも下痢やアレルギー症状を示すことがあります。


初めて牛乳や乳製品を与えるときは、少量から始めるのがいいでしょう。


犬に与える牛乳【まとめ】

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犬は牛乳を飲んでも、少量なら大丈夫です!


牛乳は5大栄養素をバランスよく含んだ、栄養満点の食材です。


牛乳が大好きな犬も多く、水分補給のために薄めて少量を飲ませたり、ご飯を食べないときに薄めて食事にかけたりしてもいいでしょう。


ただし、牛乳は乳糖が多く、もともと乳糖分解酵素の少ない犬は牛乳を飲むと下痢をしやすいので、与える場合は少量に。


愛犬が牛乳を飲んだ後に毎回下痢をする場合は、「乳糖不耐症」や「乳製品アレルギー」の可能性があるので、与えるのをやめておきましょう。


また、哺乳中の子犬に、犬乳の代わりに牛乳を飲ませるのは、下痢をしやすいだけでなく、成分が違うため「栄養不足」になる可能性があるので、やめましょう。


愛犬の健康を守れるのは飼い主だけです。


正しい知識を持って、毎日の愛犬の食生活に取り入れてみてくださいね。


本稿執筆時点における情報に基づいて作成しておりますので、最新情報との乖離にご注意ください。

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