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金銭信託ってご存じですか?
金銭信託ってご存じですか?

金銭信託ってご存じですか?

2021/12/27に公開
提供元:三菱UFJ信託銀行

目次

「金銭信託」ってご存じですか?

「金銭信託」とは、個人・法人が信託銀行等に金銭を預けて、信託銀行等がその金銭を管理・運用する商品です。預ける財産が金銭ですので、個人・法人に幅広く利用されているほか、後述する「教育資金贈与信託」や「遺言代用信託」などの各種商品の基本的な仕組みとしても活用されている非常に幅の広い信託商品です。信託銀行にお金を預けて資金の管理や運用を行ってもらう信託独自の商品の総称を一般に指します。

ただ一口に「金銭信託」といっても、様々な種類の商品があります。目的、設定方法、財産の種類、信託終了時の返還方法や運用方法等、様々な観点から商品の種類が分類され、個人向けから法人向けに至るまで幅広い層のお客様向けに商品提供されています。本コラムでは個人向けに販売されている実績配当型の「金銭信託」を中心に解説を行います。

資産形成を目的とした実績配当型の「金銭信託」ってどんな商品?

元々「金銭信託」は資産形成や資産運用を目的とした信託銀行の看板商品として世に提供されてきた歴史があります。個人向けの運用商品としては、かつての「ビッグ」や「ヒット」が代表格です。「ビッグ」は「収益満期受取型貸付信託」の愛称で、その昔、信託銀行の看板商品の一つでしたが、商品ラインナップの見直しや顧客の資産運用ニーズの多様化などを背景に、店頭から姿を消しました。「ヒット」は換金性と収益性を兼ね備えた、利便性の高い金銭信託をいいます。1ヶ月経てばいつでも自由に引き出し可能な金銭信託です。「ビッグ」と同様に商品ラインナップの見直しにより、取扱金融機関は限られています。

しかしその後も「投資信託」以外に資産形成を目的とした「金銭信託」が開発され、引き続き販売されているのをご存じでしょうか?

これらは実績配当型の「金銭信託」と呼ばれています。文字通り、運用資産のパフォーマンスに応じて配当が払われる金銭信託です。普通預金や定期預金とは違い元本の保証そのものはありませんが、安全・安心の商品性で個人・法人のお客様に広く好評であり、1兆円を超えている商品もあります。

なぜ実績配当型の「金銭信託」が売れているの?

ではなぜ実績配当型の「金銭信託」は人気があるのでしょうか?それは安全性が高く、一方で預金金利を上回る実績配当といったバランスの取れた商品性という点にあるのではないかと考えています。

これらの商品は、運用資産が高格付けの証券化商品や上場企業向けの貸付金であり、投資信託、株式、仕組債、外貨建保険などと比べると比較的安全性は高く、それでいて普通預金や定期預金の金利よりも高い実績配当を出している商品である点が共通しています。定期預金の金利のように、予め「予定配当率」を出して販売しているので、どの位配当がもらえるのか予め分かりやすい商品性であるところも大きな特徴です。

信託銀行が現在提供している実績配当型の「金銭信託」は、信託財産に組み入れる運用資産が、たとえばAAAやAAといった非常に高い格付を取得しており、外部指標の点からも安全・安心であることがすぐにわかります。

運用資産が法人向け貸付金であれば、債務者である企業が倒産せずに借入金を返済する限りは、元本が損なわれることがなく、債務者である企業の信用力が商品のリスクである点から、非常に「分かりやすい」商品であるといえます。

以上の点からこれらの「金銭信託」は投資未経験のお客さまや安定志向のお客さまにとって、投資をご検討いただける良い機会となるのではないかと考えています。

そうそう、現在の預金金利ってと~っても低いですよね…?

今預けている金融機関の普通預金、定期預金の金利の金利って普段気にしていないと思いますが、実際どの位なのかご存じですか?現在の大手銀行で普通預金が年利0.001%、定期預金でも0.002%というのが一般的な水準です(本コラム執筆日現在)。定期預金に100万円を1年預けても税引きでたった15円しか金利がつかない計算です。10万円だとたったの1円です。

こんな状況ですから 「1年以上使う予定のない資金があるのだけど…もう少し預金金利が出ないかなぁ…」「運用に興味があるけど何から始めたらいいか分からないなあ…」 「でも株式、投資信託、外貨建保険のように価格の変動がある商品はちょっと不安だな…」 「でも預金のこんな金利じゃ預けている意味がない。もうちょっと何とかならないのかなあ…」 といったお悩みをお持ちの人って結構多いのではないでしょうか?

他方長引く“超”のつく低金利の影響もあって、数年前から証券会社の店頭からMMFが姿を消しています。「MMF」は「Money Management Fund」の略で、国内外の公社債、譲渡性預金、コマーシャルペーパーなどの短期金融商品を中心に運用する商品です。2016年2月には日本銀行がマイナス金利政策を導入した結果、短期金融資産の利回りが大幅に低下し、運用難に陥ったことから、MMFの繰り上げ償還が相次ぎ、現在運用中のMMFは見受けられません。こうした背景もあって、さきほどご紹介した実績配当型の「金銭信託」のような商品を望まれている方も沢山いらっしゃるのではないかと考えています。

現在信託銀行などで販売されている資産形成を目的とした個人向けの「金銭信託」は、こうした多くのお悩みをお持ちの方から新たな運用商品ラインナップの一つとして注目されています。

投資信託とは一体どこが違うの?

では「投資信託」と「金銭信託」ってどの辺が何が違うのかなあ、と思いますよね?同じ運用商品ですし、「○○信託」って名前もついてますし。

まず「投資信託」は、個人投資家等から集めた資金をプールし、それをファンドとして専門家が投資家に代わって証券・金融市場に投資を行い、その利益を投資家が受け取る仕組みなので、その意味では実はこれも広義の「金銭信託」の種類の一つなんです。

ただ現在証券会社や銀行で販売されている「投資信託」は、一般に値動きがあり、預金に比べるとある程度リスクが高い商品であると認識されているお客さまも多いと思います。一方、信託銀行で現在取り扱っている実績配当型の「金銭信託」は、値動きのない低リスク資産で運用し、安定的に収益が確保できるタイプの商品です。実際の商品性という点では大きく異なっています。

高齢化社会に対応した新たな「金銭信託」ってどんな商品?

そんな「金銭信託」ですが、最近では社会ニーズに応じた商品が数多く登場しています。例えば高齢化社会に対応した「遺言代用信託」「暦年贈与信託」「解約制限付信託」「教育資金贈与信託」「代理出金機能付信託」などです。信託銀行の元本保証がついているタイプが一般的です。

例えば「代理出金機能付信託」は、認知症等で本人の意思確認が出来なくなる不安を解消する商品で、本人がお金の管理が難しくなった際、代人がお金を引き出すことが可能です。 かつての金銭信託とは違った役目を果たす商品が近年のトレンドとなっています。

結びに代えて

以上「金銭信託」について解説してまいりましたが、やはり認知度という点ではまだまだではないかと思います。

次回以降のコラムでは、具体的な商品を紹介しながら、安全性・安定運用の仕組みなどについて解説していければと思います。


提供:三菱UFJ信託銀行

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