［９月２５日からの１週間の展望］
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　　　週間高低（カッコ内は日）　　　　　　 9 月 18 日～ 9 月 22 日
　　　　　　　始　値　　高　値　　　安　値　終　値　前週比ドル・円　　 147.77 148.46(21) 147.32(21) 148.36 +0.51ユーロ・ドル 1.0663 1.0737(20) 1.0617(21) 1.0658 +0.0001＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝国内株・金利／米国株・金利
終　値　　前週末比　　　　　　　　　終　値　前週末比日経平均株価 32,402.41 -1130.68 日本10年債利回り 0.750 +0.035ダウ平均株価 34,070.42 -547.82 米10年債利回り 4.494 +0.162＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＜来週の主要経済統計等＞
２５日　独９月ｉｆｏ景況感指数
　　　　日銀植田総裁講演・記者会見
　　　　内田副総裁全国証券大会
２６日　米７月Ｓ＆Ｐケースシラー住宅価格指数、米７月住宅価格指数
　　　　米８月新築住宅販売件数、米９月消費者信頼感指数
２７日　豪８月消費者物価指数
　　　　日本７月景気動向指数改定値
　　　　米８月耐久財受注速報値
２８日　豪８月小売売上高
　　　　独９月消費者物価指数速報値
　　　　米第２四半期ＧＤＰ確報値、米新規失業保険申請件数
　　　　米８月中古住宅販売成約指数
　　　　パウエルＦＲＢ議長タウンホール会議
２９日　日本８月雇用統計、日本８月有効求人倍率
　　　　日本８月小売業販売額、日本８月鉱工業生産指数速報値
　　　　中国９月財新製造業ＰＭＩ、中国９月財新サービス業ＰＭＩ
　　　　英第２四半期ＧＤＰ確報値
　　　　スイス９月ＫＯＦ先行指数
　　　　独９月雇用統計
　　　　ユーロ圏９月消費者物価指数速報値
　　　　米８月個人所得・個人支出、米８月個人消費支出（ＰＣＥ）デフレーター　　　　米９月シカゴ購買部協会景気指数
　　　　米９月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値
　　　　中国は２９日から１０月８日まで休場（中秋節と国慶節に伴う大型連休）－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－【前回のレビュー】米国の堅調な経済指標はドルの下値を支える要因となろう。一方で、日銀のマイナス金利解除への思惑は過度な円安進行を抑える歯止めの役割を果たしそうだ。こうした中、ドル円は底堅い動きを見せながら、高値圏で推移する展開になるとした。

【ＦＯＭＣでは政策金利は据え置き】
　９月１９日～２０日に開催された米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）では政策金利は５．２５～５．５０％に据え置かれた。パウエル議長は記者会見で、「適切であれば追加利上げの用意」があるとしており、「決定はデータに基づいて行われる」「引き締めは慎重に進める」意向を示した。「経済見通しは非常に難しく、不確実性が高い」とも述べている。

　政策金利見通し（いわゆるドットチャート、ドットプロット）では、２０２３年末の見通しは５．６２５％となり、前回（６月）から据え置かれた。年内にあと１回利上げがあるとの見通しに変化はない。市場の注目を集めたのが２０２４年末の見通しで、５．１２５％となり、前回の４．６２５％から０．５％引き上げられた。

　これは高金利をより長い期間維持する姿勢を示したとの市場の判断につながり、タカ派的であるとの認識が広まった。これが米長期金利の上昇につながり、ドル買いの動きとなった。なお、２０２５年末の政策金利見通しも３．８７５％と６前回の３．３７５％から０．５％引き上げられている。

実質国内総生産（ＧＤＰ）や個人消費支出（ＰＣＥ）などの見通しは下記の通り。
ＦＯＭＣ経済見通し（）は６月時点
＜実質ＧＤＰ＞
２０２３年　２．１％（１．０％）　　２０２４年　１．５％（１．１％）
２０２５年　１．８％（１．８％）　　２０２６年　１．８％
＜失業率＞
２０２３年　３．８％（４．１％）　　２０２４年　４．１％（４．５％）
２０２５年　４．１％（４．５％）　　２０２６年　４．０％
＜ＰＣＥ＞
２０２３年　３．３％（３．２％）　　２０２４年　２．５％（２．５％）
２０２５年　２．２％（２．１％）　　２０２６年　２．０％
＜ＰＣＥコア＞
２０２３年　３．７％（３．９％）　　２０２４年　２．６％（２．６％）
２０２５年　２．３％（２．２％）　　２０２６年　２．０％

　上記の通り、今年のＧＤＰ見通しを大幅に上方修正している。利上げを繰り返してきたにもかかわらず、米国景気は堅調な推移を見せると見込まれている。ＧＤＰ見通しは２０２４年も上方修正されている。失業率見通しは２０２３年、２０２４年ともに下方修正されており、米国の雇用情勢が堅調に推移するとの見方が示された。ＰＣＥコアは２０２３年が下方修正されており、物価が落ち着く方向に向かうとの予測となっている。

　ＦＯＭＣの結果がタカ派的な内容となったことで、米１０年債利回りは４．４％前後まで上昇、ドル買いの動きとなった。２１日の東京市場で１４８円台半ばまで上昇を見せた。ただ、買いが一巡すると、介入警戒感や利益確定の売りから１４７円台前半まで下落する場面も見られた。

　９月２１～２２日の日銀金融政策決定会合では、金融政策に変更はなかった。大規模緩和策が維持されたことで、発表後は円売りの動きとなって、ドル円は１４８円台を回復した。植田日銀総裁の記者会見では、「金融・為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視」「経済情勢などに応じて機動的に対応しつつ粘り強く緩和継続」「物価目標の持続的・安定的な実現を見通せる状況にはない」「必要であれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」などと述べた。従来と同様の緩和継続姿勢が示された。これを受けて、ドル円は緩やかに上値を追う動きを見せている。

　ＦＯＭＣを受けて、米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のタカ派的なスタンスが示されたこと、米国経済の堅調さ、このところの原油高受けを受けたインフレ再加速への警戒感などから、米長期金利が上昇傾向にある。ドルは堅調な動きを見せている。ドル円は１４８円超の水準では政府・日銀による円買い介入への警戒感も高まりそうだが、ドルの堅調な地合いを背景にドル円は緩やかに上昇基調で推移するとみられる。ドル円の目先の予想レンジは、１４６．００～１５１．００円。

　日米の経済指標やイベントとしては、２６日に米７月Ｓ＆Ｐケースシラー住宅価格指数、米７月住宅価格指数、米８月新築住宅販売件数、米９月消費者信頼感指数、２７日に日本７月景気動向指数改定値、米８月耐久財受注速報値、２８日に米第２四半期ＧＤＰ確報値、米新規失業保険申請件数、米８月中古住宅販売成約指数、２９日に日本８月雇用統計、日本８月有効求人倍率、日本８月小売業販売額、日本８月鉱工業生産指数速報値、米８月個人所得・個人支出、米８月個人消費支出（ＰＣＥ）デフレーター、米９月シカゴ購買部協会景気指数、米９月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値などがある。

【英金融政策委員会では政策金利は据え置き】
　２０日に開催された英金融政策委員会（ＭＰＣ）では、政策金利は５．２５％で据え置きとなった。短期市場では利上げと据え置きの織り込みが拮抗していた。投票は５対４の僅差だった。ベイリー、ブロードベント、ディングラ、ピル、ラムスデンなどの主要メンバーが据え置きを主張していた。労働市場の低迷、８月消費者物価や企業景況感の低下などを据え置きの理由に挙げている。一方で利上げ派は、インフレ圧力の持続、８月のサービスＣＰＩの低下は一過性の可能性高いことなどを指摘していた。

　ポンドドルは政策金利の発表前に１．２３台前半から１．２３台割れへと軟化しており、発表後には１．２２３９近辺まで急落した。政策金利の据え置きだけでなく、英国の景気鈍化への警戒感から、ポンドドルは軟調な流れが継続している。８月３１日に１．２７ドルを割り込み、２１日移動平均線を下抜いてから、一度も同線の上に浮上できないでいる。ポンドドルは下向きの流れが継続して、さらに下値を探る展開となりそうだ。ポンドドルの目先の予想レンジは、１．２０００～１．２５００ドル。

　ユーロドルは上下に振幅しながらも安値を更新する動きを続けている。１４日の欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会では０．２５％の利上げを決定した。ただ、声明では利上げ停止を示唆するような文言が含まれていたことや経済成長率見通しの引き下げなどから軟調な流れを見せた。

　下げが続いていることもあり、押し目買いの動きなどから一時的に戻す場面も見られる。２０日には米長期金利の低下した場面で１．０７３７まで上昇するなど、戻り歩調で推移した。ただ、ＦＯＭＣの結果がタカ派的な内容との見方が広がると、ドル買いの動きから１．０６５０近辺まで下落した。２１日にはさらに１．０６１０台まで下落するなど軟調な流れを見せた。戻しては売られる軟調な流れが継続することとなりそうだ。ユーロドルの目先の予想レンジは、１．０５００～１．０８００ドル。

　日米以外の今後の経済指標やイベントは、２５日に独９月ＩＦＯ景況感指数、２７日に豪８月消費者物価指数、２８日に豪８月小売売上高、独９月消費者物価指数速報値、２９日に中国９月財新製造業ＰＭＩ、中国９月財新サービス業ＰＭＩ、英第２四半期ＧＤＰ確報値、スイス９月ＫＯＦ先行指数、独９月雇用統計、ユーロ圏９月消費者物価指数速報値などがある。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

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